FXや株は、チャート上のローソク足の形状を読む事によって、価格の上がり下がりを予想できます。
今回はローソク足の形状の一種「首吊り線」について詳しく解説します。
基本チャート画面上で分析するトレーダーは、テクニカル指標を使います。
しかしローソク足の形状を読み取って取引する手法も存在し、シンプルな分析方法ですが実践で利用できます。
特に初心者は、ローソク足から相場状況を読み取る能力が重要になってくるので「首吊り線ってなに?」という投資家は参考にしてください。
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このページのもくじ
首吊り線とは
首吊り線は、株やFXのチャート上で見られるローソク足の形状です。
- 下ヒゲが実体の3倍以上伸びる
- トレンドの終局場面で見える
- 上昇トレンドが終わる可能性
首吊り線は、ローソク足が高値更新している状態で下ヒゲを長く付けた形になっており、押し目買いより利確した人達の売りの勢いが強くなっています。
引用元:ひげづら株ちゃんねる
下ヒゲの長さは、ローソク足の3倍以上ないと首吊り線と判断できないので注意しましょう。
一見上昇の勢いがすごい状態に見えますが、首吊り線が現れると下落してしまう可能性が高くなります。
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トレンド転換を示唆するローソク足の形状名
首吊り線が現れるとトレンド転換が起きる可能性が高く、首吊り線の出現後、チャートが軟調になる傾向にあります。
買いポジションを保有している人は一旦利確して様子を見ることをおすすめします。
また押し目を狙っている人は、市場参入を一旦ストップして相場状況を見ましょう。
首吊り線の特徴
首吊り線の特徴をまとめました。
- 中長期的に上昇しきった後に出現する
- 1~5年単位でみて大きく下落し始めた地点まで戻ってくると現れやすい
- 下ヒゲの伸び具合によって軟調する確率が決まる
首吊り線は、短時間足でのチャート画面より中長期的なチャートを見た時に出現します。
首吊り線の特徴を捉えることによって、取引に活用しやすくなるので、必ずチェックしておきましょう。
中長期的に上昇した後に現れやすい
首吊り線は、中長期的に上昇トレンドになっているチャートで現れやすい傾向があります。
日足チャートで長期的に上昇トレンドになっていて、首吊り線が出現するとトレンド転換のサインになります。
短時間足のチャートでみるより、相場の全体像を見たほうが首吊り線を確認しやすいです。
大きく下落した地点に近くなると現れる
長時間足でチャートを見た時に、大きく下落してから上昇トレンドが発生している場合、大きく下落した地点に近くなると首吊り線の発生率が高くなります。
大きく下落した地点は、長時間足のチャートをメインに取引している人達が一旦利確しやすい場所で、押し目を狙う人より売り圧が強くなりやすい状態です。
下ヒゲの長さによってトレンド転換の可能性がわかる
下ヒゲは売りの勢いが強ければ強い程ヒゲが長くなります。
よって首吊り線の下ヒゲの長さが長ければ、トレンド転換する可能性が高くなります。
押し目買いをしていた人達も転換して売っている可能性が高井ので、安易に買いを入れないようにしましょう。
首吊り線を取引に活用する方法
ローソク足の「首吊り線」の意味合いが分かっても、取引に活用出来なければ意味がありません。
今回は首吊り線を取引に活用する方法を分かりやすく説明します。
初心者でも取り組みやすい手法を紹介するので、参考にしてください。
トレンド転換を読み取って逆張り
首吊り線はトレンド転換する可能性が高い為、転換に合わせて逆張りショートを狙えます。
株の場合だと信用取引のみ活用できる手法ですが、信用取引のメリットを最大に活かした手法を利用出来ます。
またFXの場合、勢い良く落ちるタイミングでレバレッジをかけて取引することも可能です。
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買い注文は控える
押し目で買い注文をしていた場合は、首吊り線が現れた際に取引を控えましょう。
首吊り線は一見上昇トレンドが更に強くなるように見えますが、下ヒゲの伸びが長ければ長い程、売っている人が増えている証です。
首吊り線の実例を紹介
首吊り線の意味合いや活用法を理解した所で、実際のチャートで首吊り線が現れた例を紹介します。
任天堂(7974)での首吊り線
任天堂(7974)は2016年、ポケモンGOを世界的にヒットさせた事がきっかけで、任天堂の関連株も巻き込んで大幅に上昇しました。
個別銘柄の売買代金が過去最高の記録を更新した上昇ですが、反動で急落した時に受ける相場の影響を懸念した投資家達もいました。
任天堂(7974)は結果、2016年の8月手前までは急上昇していますが「首吊り線」が現れた翌日から大幅に下落しています。
勢いのある上昇は、同じ勢いで下落する可能性もあるので注意が必要です。
米ドル円の首吊り線
2010年5月頃、世界は全体的に景気の悪さを背景に円高ムードになっていました。
日足チャートで見てみると、暴落する前の2日間のローソク足が首吊り線のようになっていることがわかります。
2日連続で上昇しているものの、下ヒゲが長く伸びている状況は、大きく下落する可能性が高くなっているので注意しましょう。
首吊り線を活用して取引する時の注意点
首吊り線を見極められるようになると、様々な取引場面で勝率を上げることができます。
しかし正しく読み取らないと、上昇トレンド中にショートしてしまったり押し目買いを見逃してしまったりするので注意が必要です。
正しい首吊り線を見分けられるように、注意点を抑えておきましょう。
下ヒゲが長いだけて判断しない
首吊り線は下ヒゲが長い事が特徴ですが、下ヒゲが伸びているからといってトレンド転換が起きる訳ではないので注意しましょう。
首吊り線は中長期的に続いている上昇トレンド中に出現しやすく、上昇トレンドしていない時に首吊り線のローソク足が発生しても意味合いが異なります。
トレンドの終盤に出現するローソク足なので、分析している市場の全体把握をしておきましょう。
長時間足のチャートを見よう
首吊り線は中長期のチャートに現れます。
短期的にみても、大きな下落にならない可能性があるので注意しましょう。
長期間上昇トレンドが続いている相場程、首吊り線がでるとトレンド転換の確率が高くなります。
ポジション保有している人は利確しよう
首吊り線が出現した際、ポジションを保有している人は一旦利確することをおすすめします。
首吊り線が出現すると、翌日から大幅に下落する可能性も高く、しっかり利益を獲得する為にも相場から一時撤退しましょう。
ショートポジションを保有して利益を更に増やす方法もありますが、首吊り線以外にも根拠を持って参入することを推奨します。
首吊り線はトレンド転換のサイン!見極めて取引しよう
首吊り線は、株やFXでのトレンド転換で出現します。
下ヒゲの伸び具合によって、下落する可能性が変わってくるので、下ヒゲが実体よりどのくらい長いのか確認しましょう。
トレンド転換期を読めるようになると、無駄にポジション保有を引き伸ばして損失してしまうトレードを防げたりロング・ショートポジション両方で利益を狙えるようになります。
ローソク足だけでなくテクニカル指標を併用すると更に的中率が上がるので、簡単なテクニカル指標をつかつて根拠を強めて取引しましょう。