FXのスキャルピングとは?手法の特徴・勝つコツと注意点を分かりやすく解説

スキャルピングはFX裁量取引の中でも、多くのトレーダーが憧れる手法の一つです。
FXの手法の中でも難しいですが、使いこなせれば強力な武器になるのは間違いありません。
今回はスキャルピングとは何か、どんな人が向いているか、勝つためのポイントは何かなどを分かりやすく解説していきます。
このページのもくじ
スキャルピングとはFX超短期売買のこと
スキャルピングとは、以下の4つの特徴を持ち合わせたFX取引のことです。
- 数秒から数分に1回の取引をおこなう
- 1日に数十、数百回の取引をおこなう
- 利幅は1~10pips
- 時間軸は1分足~5分足
取引の回数をこなすことで素早く利益を積み上げていける方法です。
1回あたりの取引は利益額も少ないですが、損失額も少ないのでリスクヘッジもバッチリできます。
ただし、初心者には難しくお勧めされないことが多いほか、認めているFX会社は少ないという難点があります。
スキャルピングの3つの特徴
使いこなせれば圧倒的に大きな利益が上げられる
スキャルピングを含めてFXには代表的な4つの手法があります。
トレードスタイル | スキャルピング | デイトレード | スイングトレード | 長期トレード |
---|---|---|---|---|
取引時間 | 数秒~数分 | 数分~数時間 | 数日~数週間 | 数か月~1年超 |
取引の回数 | 1日に数十、数百回 | 1日に1、2回 | 数日、数週間に1回 | 数週間、数年に1回 |
利幅 | 最大10pipsほど | 最大100pipsほど | 最大500pipsほど | 最大1500pipsほど |
時間軸 | ~5分足 | 1時間足 | ~日足 | ~年足 |
スキャルピングで1日100回の取引をしたとすると、最大10×100=1000pipsほどの利益が得られます。
これはデイトレードでえられる利益500pipsほどの約2倍になります。
これを1年続けたとしたら単純計算で360000pipsほどとなり、長期トレードで得られる利益の100~200倍になるなど、圧倒的な利益を積み上げることが可能です。
スキャルピングは継続して大きな利益を得るというよりも、スピーディに他の手法に匹敵する利益を稼げることに着目されることが多いです。
損失額が少なく相場急変に対応しやすい
スキャルピングは取引1回当たりの利益が少ないですが、損失も少ない特徴があります。
損切の幅が少なくなるので、相場が予想外の動きを見せたとしても損失を最小に抑えることができます。
2020年に起こったコロナショックのような事態でも、すぐにポジションを手放すことで柔軟に対応することができます。
短期で分析・判断をする必要があり初心者には難しい
スキャルピングは損失の少ない手法ではありますが、的確に利益を増やし続けるには1回ごとに適切な分析・判断をする必要があります。
売買判断にかける時間が短期になるほど難易度は上がるため、まだFXに慣れていない初心者は一向に利益が積みあがらない可能性が高いのです。
また、1日中チャートにかじりついて集中状態でいるのも、初心者には精神的な負担が大きいです。
スキャルピングがおすすめな人の特徴
スキャルピングという手法はFXの中でも少し異質で、中・上級者の中にも苦手としている方は少なくありません。
スキャルピングが向いている人には、共通する傾向があります。
頭の回転の速さに自信がある
スキャルピングはじっくり考えて100%の答えを出すというより、短期で白か黒かを選ぶというイメージがあります。
そのため、慎重派の方よりも、頭の回転に自信があり、切れ者と周りから呼ばれるような方に向いています。
根気強い努力家
スキャルピングは1回当たりの利益が少ないので、大きい利幅を一気に刈り取るトレードスタイルよりも達成感を得にくいのが難点です。
コツコツ繰り返していけば最終的な利益は長期トレードより大きくなるものの、途中で飽きる人、FXの面白さに気づかず辞める人も少なくありません。
そのため、目に見えた結果が出なくてもコツコツ努力できる方にスキャルピングは向いています。
十分な時間がある
スキャルピングは裁量取引を1日に何十回も繰り返すので、絶対的に時間が必要です。
そのため、副業で小金を稼ぎたいサラリーマン・公務員は試す機会すらほぼない手法と言えます。
もともと時間のある人や専業トレーダーくらいでないとスキャルピングを実施するのは難しいでしょう。
スキャルピング初心者が抑えておきたい損失を防ぐポイント
スキャルピングを始める際は、まず損しないことから考えることをおすすめします。
スキャルピングは長い時間を費やして何度も取引をするので、失敗と成功を繰り返しながら自然にスキル・経験を身に着けることができます。
ただ、その途中に損失が膨らんでしまえば、道半ばでリタイアせざるを得なくなります。
FXはビギナーズラックで勝てる方もいますが、むしろ知識のない初心者のうちにいきなり大きな損失を被ってしまうケースが少なくありません。
スキャルピング初心者は、損しないコツを事前にしっかり抑えておきましょう。
取引数量を安全な範囲で固定する
初心者のうちは、取引数量を固定することをおすすめします。
取引数量を厳密に固定しておけば、莫大な損失を抱える心配はありません。
最初のうちはどんなことがあっても取引数量を増やさず、自分の中で相場を読めるという確信が出てきたら、徐々に増やしていきましょう。
通貨ペアを1つに絞って集中する
スキャルピング初心者のうちから複数の通貨ペアを検討したり、違う通貨ペアの動きもみたりするのは危険です。
相場分析が未熟な状態で通貨ペアの客観的な比較ができるとは言えないので、まずは1つに集中して経験を積むことをおすすめします。
損切を急ぎよくおこなう
スキャルピングを続けるには、損失を最小限に抑える必要があります。
1回あたりの利益が少ない手法なので、大きな損失で一気に吹き飛んでしまう可能性もあります。
損切の条件を決めたら、必ずそれを守って実施することをおすすめします。
損切のタイミングが分からないという方は、資金の2%に達した時点で決済をする2%ルールがおすすめです。
スキャルピングで勝つポイント
スキャルピングで勝つためには、他のFXの手法と同じようにやっていてはダメです。
スキャルピングにはスキャルピング独自の勝ち方があり、それを着実に抑えた上で取引をしなければ、利益は見込めません。
勝てそうと思った時に直感で取引をするのではなく、最低限の勝つためのルールを抑えた上で取引を始めるようにしましょう。
スキャルピングに適した通貨ペアを選ぶ
まずはスキャルピングに適した通貨ペアを選ぶことから始めましょう。
スキャルピングに適正のある通貨ペアは、以下のような特徴を持っています。
- スプレッドが狭め
- ボラティリティ(変動性)がある
- 取引量が多い
このような観点で見ると、ドル円、ユーロドル、ポンドドルなどが適した通貨ペアと言えます。
一方で南アフリカランドやトルコリラといったスプレッドが広い高金利通貨は、スキャルピングの小さい利幅を積み重ねるスタイルに合わないというデメリットがあります。
15時~25時の時間帯で取引をする
スキャルピングで利益を得るには適度なボラティリティが必要です。
日本時間15時~25時は流動性が高いので、スキャルピングに適した時間だと言えます。
この時間帯は、世界の主要な市場が開くタイミングと重なります。
- 15時:欧州市場が開く
- 21時:ニューヨーク市場が開く
- 25時:ロンドン市場が開く
取引が活性化される時間帯に集中することで、効率がアップします。
勝てる部分を確実に取る
スキャルピングは、一定の方向の相場で取引をおこなうことで勝率を上げることができます。
それ以外の部分で取引をしてもスプレッドがかさんで損をするようになるため、むやみに「1日○○回トレードする」「毎日〇時にトレードする」などとルールを決めることはおすすめできません。
逆に、狙える利幅は確実に狙うようにしましょう。
スキャルピングに適したFX会社の選び方
スキャルピングはトレーダーのポジションをFX会社がカバーできない可能性があるので、禁止しているところも多いです。
そのため、まずはスキャルピングに対応しているFX会社に絞り込む必要があります。
その中でも、スキャルピングにおすすめのFX会社を選ぶにはどこに注目すれば良いのか、ポイントを解説していきます。
スプレッドは業界最狭基準で選ぶ
スキャルピングは取引を何度も重ねるものなので、その度に手数料がかかります。
かつスキャルピングの利益は少額をコツコツ積み重ねるスタイルなので、手数料と相殺されるか、逆にマイナスとなってしまう恐れもあります。
スキャルピングを実施する際は、まずスプレッドを狭く設定しているFX会社を選びましょう。
2020年現在はドル円取引のスプレッドを最低0.2銭に設定している会社が業界最狭基準なので、そういった会社を選ぶことをおすすめします。
約定力の高いFX会社を選ぶ
スキャルピングは狙った利幅で確実に利益を得る必要があります。
そのため、トレーダーの臨んだ価格・タイミングで取引を成立できる約定力の高いFX会社を選ぶ必要があります。
簡単・スムーズに注文できるFX会社を選ぶ
FX会社はツール・アプリの操作性がそれぞれ異なります。
スキャルピングはスピーディに判断・決済をする必要があるため、操作がしやすい、自分に合ったものを使うことが重要です。
複数の口座を開設しておき、ツールの性能を比較しておくのも大切です。
リアルタイムニュースを配信しているFX会社がおすすめ
FX会社はシンクタンクを作ったり、独自のネットワークを組んだりして取得したニュースを配信しているところも少なくありません。
FXに関する最新情報はFX会社から得るのが最も効率が良く、質の高い方法と言えます。ただ、そもそもニュースを配信していない、配信のタイミングが遅いところも少なからずあります。
スキャルピングはその場で判断をするので、リアルタイムの情報が不可欠になります。そのため、情報コンテンツが充実した会社がおすすめです。
スキャルピングにおすすめのFX会社
みんなのFX
みんなのFXはスキャルピングを公認しているだけでなく、手数料が安く、約定率が99%と非常に高いです。
スキャルピングでどのFX会社を利用するか迷ったら、みんなのFXをまず検討しましょう。
みんなのFXの口コミ・評判!メリット・デメリットと口座開設時の注意点を徹底解説
GMOクリック証券
GMOクリック証券は国内支持率No.1のFX会社で、スキャルピングにもマルチに対応しています。
ニュースソースの量も業界最多で、情報収集にも事欠きません。
ただ、約定力を疑問視する声も多いので、十分注意する必要があります。
GMOクリック証券の口コミ・評判!メリット・デメリットと口座開設時の注意点を徹底解説
FXプライムbyGMO
FXプライムはスキャルピングを公認しており、約定率100%をうたうFX会社です。
ニュース配信数がGMOクリック証券に劣ることを除けば、スキャルピングに非常に向いていると言えます。
FXプライムbyGMOの口コミ・評判は?メリット・デメリットとアプリの使いやすさ・口座開設のポイントを徹底解説
スキャルピングは最低限のルールを踏襲したほうが良い
スキャルピングは自分だけの勝ち方を見つけるというよりも、ある程度勝てるルールを踏襲しながら経験を積んでいくほうが勝てる仕組みになっています。
まずはメディアやブログ等を通じて情報収集をおこない、他の方がどうやって稼いでいるかを抑えておきましょう。
ある程度勝つ法則を掴んでから、スキャルピングを始めることをおすすめします。