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ベネズエラがハイパーインフレになった原因は何?2021年現在のインフレ率やコロナショックでの影響を解説

ベネズエラは南米大陸の北にある国で、面積は日本の2.5倍あります。

資源が豊富で原油理蔵量はサウジアラビアより多く世界で1位に輝いています。

資源大国であるベネズエラですが、現在の経済は破綻状態にあり「ハイパーインフレ」になっています。

ハイパーインフレになると、国民生活の貧困化が進み治安状況も極めて悪化してしまいます。

2020年の新型コロナウィルス感染拡大も相まって、厳しい状態が続いています。

今回は、ベネズエラがハイパーインフレになった原因や現在の状況を詳しく解説していきます。

インフレはデメリットばかりでは無く、メリットもありますが度が過ぎると国の経済を破綻させ治安状況が劣悪になってしまいます。

なぜベネズエラが劣悪環境になってしまったのか、歴史を辿っていくので必見です。

ベネズエラのハイパーインフレに興味を持っている人や何が起きたのか知りたいという人は参考にしてください。

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ベネズエラがハイパーイフレになった原因

ベネズエラは突然ハイパーインフレを引き起こした訳ではありません。

大きく分けて2つの原因でベネズエラはハイパーインフレに陥ったとされます。

ベネズエラがハイパーインフレになった原因
  • 国の政策
  • 石油価格の乱高下

上記の2つの原因が年々肥大化していき、ベネズエラは結果的にハイパーインフレになりました。

2013年のチャベズ大統領の死後、新しくニコラス・マドゥロ現大統領が就任しますが、社会主義による国の政策は大失敗し、ベネズエラの国民達は資産の海外逃避を起こします。

それに加えてリーマンショック・シエールショックで原油価格が乱高下し現在のハイパーインフレ状態になっています。

これから石油価格の乱高下によってハイパーインフレが引き起きたことについて詳しく解説します。

リーマンショック

リーマンショックは世界経済を揺るがし、世界経済全体が不況に入りました。

不況に入ったことによって市場はリスクオン状態に変わり、石油価格が乱高下し始めます。

リーマンショック前までは130ドル近くあった原油価格がリーマンショック後30ドル近くまで暴落します。

石油輸出によって財源を得ていたベネズエラ経済は大きな打撃を受けてしまいます。

石油価格は2010年に回復していますが、過去に金融政策で失敗して混乱しきっていたベネズエラ経済は全く回復せず、結果ベネズエラ政府は通貨の切り下げを判断します。

これによって一時的に回復しますが、一連の政策状況によって資本の海外逃避が行われていた為、通貨は再び下落します。

通貨価値の下落によって輸入物価は上昇し続け、インフレが止まらなくなります。

シエールショック

2010年~2013年は、輸入物価上昇によってインフレ率上昇が本格化して、20%だったインフレ率が50%まで上昇しています。

そして2014年シエールショックでベネズエラはとどめを刺されます。

シエールショックでは2014年半ばまで100ドル台を保っていた原油価格は、2016年初頭に30ドル切るところまで下落を続けました。

2015年には大手格付け会社が、ベネズエラ政府債務の信用格付けを格下げした為、ベネズエラの通貨価値は下落し続けます。

結果的にベネズエラはハイパーインフレを引き起こし、2020年時点でインフレ率の%を正確に測れないレベルまで上昇しています。

ベネズエラのようにハイパーインフレになったら何が起きる?

インフレでなにが起きる

「そもそもハイパーインフレが起きるとどうなるの?」と疑問に思っている人も多いです。

先進国の経済でインフレ気味になることはありますが、ベネズエラのようなハイパーインフレを起こすことは滅多にありありません

これからベネズエラが起こしたハイパーインフレによてどのような影響を受けるのか説明します。

お金の価値が下がる

ベネズエラがハイパーインフレを起こした経緯でも説明しましたが、ハイパーインフレはお金の価値が下がります

例えば1ドル=100円だったレートが1ドル=50円になったとします。

円の価値が下がり円安になります。

そして外貨の価値が高い状況なので、輸入品の価格が高くなり今まで購入していたものの値段が上がります。

モノの値段が上がる

ハイパーインフレによって、お金の価値は下がりますが物価や生活要因などの価格は上がります。

物価は金利と深い関係にあり、需要が共有を上回る(インフレ)場合モノの値段が上がると企業の収入も高まり、賃金も上がります。

程よい状態でインフレが継続されると好景気状態になりますが、インフレがハイパーインフレになると自国通貨がほぼ紙くず状態になり、モノは高すぎて買えない状態になります。

ベネズエラのハイパーインフレによって国民はどうなった?

ベネズエラはハイパーインフレを受けて、国民生活の貧困化が進み、厳しい生活を強いられている状態になっています。

ベネズエラの通貨価値は現在も低迷しており、国外逃亡している人達も居ます。

国民たちがどのような手段を取っているのか分かりやすく説明するので、参考にしてください。

国外逃亡

経済危機に直面したベネズエラは、国民生活の劣悪化が加速し、コロンビアやエクアドル・ペルー・ブラジルへ逃亡している人達が居ます。

ベネズエラの人口は3,280万人ですが、およそ7%の国民が食糧難を理由に国外逃亡しています。

そして国連の人道救助担当管は、逃亡した人達の130万人程は栄養不良状態にあると報告されています。

ベネズエラのハイパーインフレは生活に必要な食料品や生活用品を購入出来ない状態までになっていることが分かります。

暗号資産でリスクを回避

ベネズエラに住んでいる家族を養う為に、コロンビアで生活しているベネズエラ人は暗号資産を使ってリスクを回避しています。

通常であればベネズエラの銀行口座にベネズエラ通貨「ボリバル」建てで預金しますがハイパーインフレの影響で通常取引では上手くいきません。

そこで仮想通貨を購入して送金する事によってリスクを回避します。

通貨急落が続いているベネズエラにとって仮想通貨はインフレを守る1つの手段であり、ベネズエラの仮想通貨採用率は世界で3位になっています。

【2021年】ハイパーインフレが起きたベネスエラの現在

現在のベネズエラハイパーインフレ

ハイパーインフレによる経済破綻をおこしたベネズエラは、2021年現在どのような状況にあるか紹介します。

ハイパーインフレが起きている最中、2020年のコロナショックによって更に危険な状態になっているベネズエラは、回復の目処が経っていません。

今後どの様に動くか、現在の状況から予想してみましょう。

2020年のコロナショックで国民の生活悪化が加速

2020年にコロナ感染拡大によってコロナショックがおきました。

原油価格も乱高下し、一時マイナスを叩き出す事態になりました。

コロナによる死者を、政府が約452人(2020/09/09時点)と発表していますが、検査体制が整っておらず正確な数字はもっと多いと予想されています。

このコロナ感染拡大によって、ベネズエラの3割以上が国外逃亡しています。

更に国外逃亡したベネズエラの人達は、コロナ禍によって職を失い母国に帰っています。

しかし帰国者=感染者とされているベネズエラは、帰国者をバイオテロ扱いして監禁している現状にあります。

ハイパーインフレ+コロナショックで国の建て直しは更に厳しい状況になりました。

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過去のハイパーインフレ事例

ベネズエラのハイパーインフレを見ると「なんて恐ろしい」と思う人が多い一方、ハイパーインフレが日本で起こり得ないと思っている人も多いです。

しかし歴史を辿ると、日本もハイパーインフレ状態になっていた時代があります。

これからベネズエラのようなハイパーインフレを引き起こした過去の事例を紹介します。

2021年以降も政府の政策や世界的経済の動向によってハイパーインフレが起きる可能性はゼロではありません。

過去の事例を見て、当事者になった時にどのような対策を取るか把握しておきましょう。

ドイツ

ドイツ

ドイツは第一次世界大戦後、戦勝国に賠償金を支払う必要がありました。

しかし、軍事費用に費やしたドイツに賠償金を支払うお金が残っておらず、債務不履行とみなされ工業地帯を占拠されます。

ドイツは大功して工業地帯の生産を停止しましたが、これによって企業や労働者が大ダメージを受けました。

そして企業や労働者に生き残ってもらうためにドイツは貨幣を大量に発行しました。

結果通貨の価値が大暴落しハイパーインフレが発生しました。

1ドル1兆マルクになる事態になりました。

ジンバブエ

ジンバブエ

ジンバブエは2008年11月に前月比796億%のインフレ率を記録しています。

ジンバブエ政府は200年前半に労働者の賃上げや選挙費用を用意する為に、通貨を過剰に供給しました。

よって通貨価値は大暴落してしまいます。

この大暴落によって、ジンバブエは白人から農地強奪を合法化したり、外資系企業が保有しているジンバブエ企業の株を譲渡させたりした為、外資系企業はジンバブエから撤退してしまいます。

よって農業関連の生産性が低下し、食糧不足・物資不足によってハイパーインフレが発生します。

ジンバブエはインフレ対策としてサービスや商品を強制的に半額価格で提供することを強要しましたが、利益にならない企業は倒産してしまい、無理だと判断した企業は製造を停止してしまった為、インフレが加速したと言われています。

日本

日本

ハイパーインフレは日本と関係ないと思っている人もいますが、第二次世界大戦後の日本はハイパーインフレを経験しています。

第二次世界大戦に費やした費用は当時のGDPの9倍になっており、再生が不可能と言われているレベルでした。

軍事費用を国債で大量に補った為、通貨価値が大幅に下落しました。

更に戦時中の空襲によって生産系の設備が破壊され生産能力を失っていました。

そして日本は深刻な物資不足に陥り、スーパーインフレが発生しました。

ベネズエラのハイパーインフレは政策と原油が原因

ベネズエラのハイパーインフレは、政府の政策と原油価格の乱高下が原因です。

原油一強に頼っていたベネズエラは、原油価格が大幅に下落すると経済危機に陥ってしまいます。

原油に筆頭する生産物を見つけるか、国の政策を大幅に改善しない限りハイパーインフレを解消することは出来ないでしょう。

 

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