将来のことを見据えて資産運用に挑戦する人や、投資に挑戦する人が年々増加しています。
投資家の中でも人気を集めているのが、オプション取引です。
金融商品のデリバティブの一つであり、多彩な戦略が可能なことから自分にあった運用がおこなえ、多くの投資家に魅力を示しています。
オプション取引は4つの基本パターンに基づいて構成されており、パターンを理解することがうまくいく秘訣です。
オプション取引のについてわかりやすく解説します。
バイナリーオプションとは?仕組みと取引方法・初心者にとってのリスクと対処法
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このページのもくじ
オプション取引とは選択権
オプションとは、金融商品に対して事前に決めた価格で買うか売るか、自分の状況に合わせて選択できる権利のことです。
携帯電話を契約した際にオプションをつけることができるように、オプションはつけてもつけなくてもいいという選択権があるのがポイントです。
金融商品において、状況に応じて商品の売買を選ぶことができます。
注意点としては、オプション取引でオプションをつけ、売買の選択権を獲得するためにも費用はかかることです。
オプションの購入金額を「プレミアム」と呼びます。
オプション取引と先物取引の違い
オプション取引と先物取引は両方デリバティブの一種であり、勘違いされることがあります。
金融商品としてまったく性質の異なる取引であり、先物取引が売買の契約であるのに対して、オプション取引は権利の取引です。
オプション取引をはじめたい人にとっては、必ずおさえたいポイントです。
オプション取引は権利の取引
オプションと取引は「あらかじめ決められた期日に、あらかじめ決められた価格で、原資産を買う・売る権利を売買する取引」です。
オプションは権利の取引であるため、都合が悪ければ放棄できます。
Aさんがある金融商品に対して、10万円のものを買いたいと考えますが、資金がないため給を貯めて1年後に金融商品を10万円で買える権利を買います。
1年後、金融商品が15万円だった場合、Aさんは権利を行使して10万円で買うことができ、5万円お得に手に入られます。
一方金融商品が7万円に下がった場合、Aさんは10万円で買ってしまうと、3万円も損をしてしまうため、「10万円で買える」という権利を放棄できるのです。
権利を使うには費用(プレミアム)が必要ですが、値下がり時の損失を防ぐ予防策にはなることが特徴です。
強み | 弱み | |
---|---|---|
買い手 |
| 権利行使に関わらずプレミアム分は支払う |
売り手 | プレミアム分の報酬は確約されている |
|
先物取引は売買の契約
先物取引は「将来の一定期日にあらかじめ取り決めた価格で、「原資産」を売買することを約束する取引」のことです。
現時点で、売買の価格と量をあらかじめ約束しておき、将来の約束の日が来た時点で売買をおこないます。
期日を決めて売買の予約をおこない、必ず商品の売買をおこないます。
Aさんがある金融商品に対して、10万円のものが1年後15万円になると仮定したとします。
当時のAさんにはお金がなかったため、給料を貯めて1年後10万円だったら買おうという決心をした際に、1年後10万円で買うという契約をします。
1年後、10万円だった金融商品が15万円に値上がりしていた場合、Aさんは契約通り10万円で商品を買えます。
一方、7万円に値下がりしていた場合でも、Aさんは商品を10万円で買わないといけない義務があり、損失につながります。
先物取引は値下がりした商品も買わないといけないリスクが伴いますが、将来値上がりするかもしれない商品に対して予防策をおこない、リスクヘッジとしての有効な手段である取引です。
オプション取引の特徴
オプション取引の特徴としては大きく3つあり、どれも理解する上で重要な項目になります。
- リスクに対してのヘッジ手段になる
- 損失を限定することができる
- 投資法の組み合わせが多数
リスクを減らせるため、必ず知っておきましょう。
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リスクに対してのヘッジ手段になる
先物取引でもご紹介しましたが、将来値上がりすると予想した金融商品に対してリスクヘッジになることです。
今は買えないけど、将来値上がりすると思うから買いたいと思っている投資家にとって有益です。
権利を持っておくと、値上がりをしてしまっても条件の金額で購入できるため、値上がりのリスクを無くすことができます。
損失を限定することができる
オプションの最大のリスク分散ポイントです。
オプション取引ではプレミアムさえ払えば、買い手が自分に有利であるときにだけ権利を使うことができるため、先物取引とは違って強制ではありません。
先物取引を含めたデリバティブ取引は損失額の上限がないため、10万円だったものが3万円になって買わないといけない場合は7万円も損失に繋がります。
金額が大きく変動する可能性もあることから、損失に対するリスクも大きくなりますが、オプション取引では最悪でもプレミアム料金までにコストをおさえられるのが大きな強みです。
投資法の組み合わせが多数
買い手と売り手が同時に存在し、どちらになるかで大きくリスクや報酬が変わってきます。
買い手と売り手にもそれぞれ2種類のタイプがあるので、自分にあったプランを考えることが大切です。
損失に限界がないパターンがあるので、自身がない人は避けることをおすすめします。
それぞれの投資法についての理解は深めておきましょう。
オプション取引の種類
オプション取引をおこなう上で一番重要視したい内容が種類についてです。
種類によって性質が違うため、種類を理解しておくことがオプション取引で成功するためには欠かせない要素になります。
オプション取引には大きくわけて「コール」と「プット」の2種類あり、細かく分けると取引方法は4種類あります。
オプション取引は買い手の場合でプレミアム、売り手の場合は限度額なしのリスクは伴います。
ポイントをおさえておくことでリスクを少しでも軽減しましょう。
コール・オプション
「コール」とは買う権利のことで、コール・オプションは決められた期日にあらかじめ決めておいた数量に対して、決められた価格で「買う権利」のことです。
コール・オプションにも買い手と売り手が存在し、買い手はプレミアムを払うことで権利を獲得することができます。
売り手は買い手からオプション料をもらう代わりに、買い手が権利を行使した場合、あらかじめ設定した内容について応じる義務があります。
コール・オプションにおいての、買いと売りについて詳細をご紹介します。
コールの買い
コールの買いのポイントは、日経平均の上昇に伴って利益が大きくなり、損失はプレミアムに限定されることです。
権利行使価格15,000円、プレミアム1枚100円で権利を購入したとします。
プレミアムを買う場合は、価格の1,000倍の資金が必要とされているため、1枚100円であることから、必要な資金は100,000円になります。
予想通り価格が上昇して16,000円に変動したとします。
権利行使価格が15,000円のため、1,000円得をした計算になり、プレミアム1枚100円で1,000倍になるため、1,000円×1,000倍=1,000,000円の収益になります。
プレミアムが100,000円だったので、1,000,000-100,000=900,000円の利益という計算になります。
金額が下がった場合は、権利を放棄すればいいので、プレミアムの100,000円のみの損失になります。
コールの売り
コールの売りのポイントは、利益がプレミアムのみになっており、損失は日経平均の上昇に伴って大きくなります。
権利行使価格15,000円、プレミアム1枚100円で買い手が権利を購入したとします。
プレミアムの1,000倍の金額になることから資金は100,000円となり、売り手の利益の最大額になります。
売り手にとっては、取引時の金額が権利行使価格の15,000+100円(プレミアム)=15,100円を超えると損失の方が多くなり、損をすることになります。
日経平均の上昇に左右され、マイナスの上限も存在しないので案件によっては多額の損失を生むリスクがあります。
オプション取引の初心者の場合は、できるだけコール・オプションの売りは選択しないようにしましょう。
プット・オプション
「プット」とは売る権利のことで、プット・オプションは決められた期日にあらかじめ決めておいた数量に対して、決められた価格で「売る権利」のことです。
プット・オプションはコール・オプションと同様、買い手と売り手が存在し、買い手はプレミアムを払うことで権利を獲得することができます。
売り手は買い手からオプション料をもらう代わりに、買い手が権利を行使した場合、あらかじめ設定した内容について応じる義務があります。
プット・オプションとコール・オプションの決定的な違いは、買う権利と売る権利の違いです。
コール・オプションの場合は、日経平均株価が上昇することを見越して買いますが、プット・オプションの場合は、株価が下落することを予測して購入します。
プット・オプションにおいての、買いと売りについて詳細をご紹介します。
プットの買い
プットの買いのポイントは、日経平均の下落に伴って利益が大きくなり、損失はプレミアムに限定されることです。
権利行使価格15,000円、プレミアム1枚100円で権利を購入したとします。
コール・オプション同様、プレミアムを買う場合は価格の1,000倍の資金が必要とされているため、1枚100円であることから、必要な資金は100,000円になります。
予想通り価格が下落して13,000円に変動したとします。
権利行使価格が15,000円のため、2,000円得をした計算になり、プレミアム1枚100円で1,000倍になるため、2,000円×1,000倍=2,000,000円の収益になります。
プレミアムが100,000円だったので、2,000,000-100,000=1,900,000円の利益という計算になります。
金額が上がった場合は、権利を放棄すればいいので、プレミアムの100,000円のみの損失ということになります。
プットの売り
プットの売りのポイントは、利益がプレミアムのみになっており、損失は日経平均の減少に伴って大きくなることです。
権利行使価格15,000円、プレミアム1枚100円で買い手が権利を購入したとします。
プレミアムの1,000倍の金額になることから資金は100,000円となり、売り手の利益の最大額になります。
売り手にとっては、取引時の金額が権利行使価格の15,000-100円(プレミアム)=14,900円を下回ると損失の方が多くなり、損をすることになります。
日経平均の減少に左右され、マイナスの上限も存在しないので案件によっては多額の損失を生むリスクがあります。
コール・オプションの売りと同様、オプション取引の初心者の場合は、できるだけプット・オプションの売りは選択しないようにしましょう。
オプション取引をはじめるなら専用口座が必要
オプション取引をはじめるなら、オプション口座を開設する必要があります。
証券会社のHPより一般口座の申込書を請求し、必要事項を記載の上返送します。
一般口座が開設できたら、ふたたび証券会社のHPにアクセスしてオプション口座の開設の手続きをおこないます。
手続きが完了したら、入金することでオプション取引が可能になります。
注意点として、投資資金が少ない場合や、電話面接でオプション取引について知識が乏しいと判断された場合には審査に通らないこともあります。
オプション取引をするなら、口座を開設する前にある程度知識を身につけておきましょう。
4つの基本パターンを理解して自分にあった投資戦略を導き出す
オプション取引には、コール・オプションとプット・オプションの2種類あり、それぞれ買い手と売り手が同時に存在することを説明しました。
売り手の場合はコール・プットに関わらず、損失額に限界がなくリスクが大きいので、初心者はなるべくおこなわないようにしましょう。
具体的な数字をだして解説しましたが、コール・オプションの買い手は金融商品が上昇すること、プット・オプションの買い手は金融商品が下落することを予測するだけの仕組みです。
オプション取引の買い手は、最大でもプレミアムまでの損失しか生まれないため、初心者にとってもおすすめです。
オプション取引をおこなう際は、自分のステータスを考慮した上で、買い手になるか売り手になるのか考えることが大切でしょう。