ブラジルレアルはブラジル連邦共和国が現在利用している通貨で国際通貨コードはISO4217/BRLです。
ブラジル中央銀行によって発行される為、ブラジル政府の動向や経済状況によって大きく変動します。
1994年10月から管理変動制相場になっていましたが、1999年1月には管理相場を維持出来なくなった為、変動相場制に移行しています。
ブラジルレアルは2019年の大暴落からコロナショックで暴落が加速し、底打ちした後ゆるやかに上昇している局面にあります。
今回はブラジルレアルの今後の見通しについて詳しく解説していきます。
過去の暴落チャートの分析から将来の値動きを予想したり、各金融企業の予想などを紹介するので必見です。
ブラジルレアルで取引している人や取引を検討している人は参考にしてください。
FXの通貨ペアとは?初心者におすすめの通貨ペアの特徴とおすすめできない組み合わせを紹介
※本ページにはPRが含まれます。
このページのもくじ
ブラジルレアルのリアルタイムチャート
ブラジルレアル円のリアルタイムチャートは下記の通りです。
ブラジルレアルの過去のチャート推移
ブラジルレアル円の2019~2020年までのチャート推移を紹介します。
ブラジルレアル円は26~28円まで推移していましたが、新型コロナウィルス感染拡大によって18円まで暴落してしまっています。
投資家達の資金流出などのも影響しており、右肩下がりチャートが続いています。
2019年~海外投資家による資金流出で暴落
ブラジルレアルは2019年金改革法成立以降、購入する為の好材料が出尽くし、資金流通が続きました。
これは株式市場でも同じ動きが働き、資金流出が発生しています。
2018年頃の上昇チャートと比べて2019年はレンジ相場から徐々に下落方向に推移していたことがわかります。
この下落は米国の金利上昇によって、新興国の対米金利差が縮小したことも1つ要因で、ブラジルレアルだけでなく新興国通貨全体からの資金流出懸念が高まりました。
新興国は資金流出を防衛する為に利上げを行っていましたが、ブラジルレアル中央銀行は政策金利の据え置きを決定しています。
ブラジルレアル安によってインフレ率の上昇リスクを考えた上での判断です。
この下落は新興国のメリットである高い金利が薄れてしまったことにあり、再び新興国が高い金利を維持して貰える環境が整えば資金流入が入ると予想されていました。
2020年~新型コロナウィルス感染拡大によって下落が加速
2020年新型コロナウィルス感染拡大によって世界経済はストップしてしまいました。
ブラジルは2021年7月17日時点で、世界3位の感染者人数をだしています。
2021年7月17日時点でブラジルは、19,342,448人の感染者と541,266の死亡者を出しています。
コロナ感染拡大によってブラジルレアルは下落状態を加速させる形になってしまいました。
しかしブラジル政府は経済優先の姿勢を崩さず、コロナをただの風邪と軽視して経済活動を継続して動かす方針を取っています。
経済状況は最悪の時期を脱出しているものの、コロナ感染の収束がいつになるのかわからない上に財政拡張余地が乏しいことから景気回復は少し遅れてしまう可能性が高いです。
コロナショックでFXの退場者が急増!今後のリスクと回復時期について徹底解説
【2021年】ブラジルレアルの今後の見通し
ブラジルレアルの今後の見通しを紹介します。
コロナショックによって下落を加速させたブラジルレアルですが、2020年5月の18円台を皮切りに底打ちした状態を見せて居ます。
2020年5月以降はコロナ感染第二波によって、再び18円台まで下落する場面がありましたが、18円より下落することはありませんでした。
今後2019年頃に推移していた25~27円までレートを回復することができるのか詳しく解説していきます。
これ以上下落する可能性は低い
ブラジルレアルは、売り圧力が一旦収まり経常収支も改善に向かっているので大きく下落する可能性は低いです。
しかしインフレ懸念やブラジル中銀がブラジルレアル安を警戒する可能性も低いので、海外投資家が再び資金流入を激化させる予測が難しい状況です。
2020年~2021年のチャート推移を見ると、18円台の底打ちと22.8円台での反発が数回見られる為、18円~22.8円のレンジ相場が2021年後半でも継続する可能性が高いです。
22.8円後半をローソク足の実体でレンジブレイクするとトレンド発生する可能性もありますが、経済状況的にレンジブレイクの発生率は低いです。
ブラジル投資大幅に増加する可能性は低い
現在のブラジルは、海外投資家にとって投資するメリットが多いわけではないので、ブラジルレアルが上昇していく可能性は低いです。
またブラジルはコロナ感染をまだ抑制出来ていない状態で、世界経済の行く先も不確定な部分が多いので、上昇する材料がありません。
世界のワクチン接種回数を見るとブラジルは4位に位置していますが、ワクチン接種(100人あたり)の回数を見ていくと13位になります。
まだワクチンも充分に普及されていない可能性が高く、コロナ感染拡大がある程度収まるまで上昇トレンドの発生率は低いです。
各金融企業・メディアの今後の見通し
各金融企業やメディアの今後の見通しをまとめました。
直近での上昇を報告しているメディアや証券会社がありますが、相場全体でみると一時的なものが多く、年間推移でみると横ばいの可能性が高いです。
為替市場に詳しいプロ達の見通しを把握して、トレードに活かしましょう。
大和アセットマネジメントは横ばい予想
大和アセットマネジメントはおおむね横ばい推移を想定しています。
下落の圧力が弱まったものの、上昇する材料も少なく17.8円~21.4円のやや広いレンジで横ばいする見通しです。
証券投資による売り圧力が和らぎ、経常収支も改善しているため、これらの要因が変化しない限り、レアルが大きく下落する可能性は低いと考えられます。一方、インフレ懸念が乏しい中ではブラジル中銀が通貨安を警戒する可能性も低く、また海外からブラジルへの投資が大幅に増加するような経済状態ではないことなどを勘案すると、レアルが持続的に上昇する可能性も低いと考えられます。
(引用元:大和アセットマネジメント)
やはり世界経済的にもコロナから完全脱却するまでは、経済の見通しをはっきり出来ない状態です。
Bloombergは直近で上昇の兆しを予想
Bloombergは2021年6月7日に5月30日~6月2日かけての市場は、ブラジルレアルを中心に通過価値が上昇したニュースを報告しています。
先週の新興国市場では、ブラジル・レアルを中心に通貨が上昇。アナリストらが今年の同国経済成長見通しを引き上げたことを背景に、海外投資家の買いが入った。一方、トルコ・リラやペルー・ソルは下落。リラは利下げ圧力、ソルは6日の大統領選決選投票がそれぞれ重しになった。
(引用:Bloomberg)
アナリストが経済成長の見通しを引き上げたことが要因で海外投資家達の買いによって上昇したとみられています。
ブラジルレアルで取引する時の注意点
ブラジルレアル絡みの通貨ペアで取引する時に注意するポイントを紹介します。
特に初心者は知っておくべき情報がいくつかあるので、これから投資を始める人は把握しておきましょう。
新興国通貨はボラティリティが高い
ブラジルレアルのような新興国通貨はボラティリティが高く、ある程度投資知識をもって取引しないと大損してしまう可能性があります。
上記はブラジルレアル円の15分足チャートですが、ローソク足が飛んでいる箇所も多く、流動性が低い為直近の予想がつきにくい通貨ペアということがわかります。
ボラティリティが異常に高い通貨ペアは、スプレッドも広く大損してしまう可能性もあるので、損失リスクは管理しながら取引しましょう。
通貨ペアのボラティリティとは?各通貨ペアの変動率とトレードに活用する方法を解説
世界経済の動向で大きく左右される
ブラジルレアルはブラジル政府の動向だけでなく、世界経済の状態によって大きく動きます。
先物や株式の市場がリスクオフの状態になれば、ブラジルレアルの資金流出が発生し、大きな暴落が発生します。
ブラジルレアル米ドルは、米ドルの金利上げによって暴落する可能性もあるので、暴落原因を常にチェックして取引する必要があります。
初心者向きの通貨ではない
ブラジルレアル絡みの通貨ペアはマイナー通貨ペアで取り扱っているFX会社も少ないです。
ボラティリティが非常に高く、損失リスクを管理する為には投資知識が必要な為、初心者におすすめできません。
加えてブラジルレアル絡みの通貨ペアはスプレッドが広く、デイトレードやスキャルピングといった短期トレード向きではない通貨ペアなので、適切なトレードスタイルの観点からみても初心者は避けた方が良いでしょう。
ブラジルレアルは今後のコロナ感染拡大によって大きく動く
今後のブラジルレアルは、コロナ感染状況によって大きく動く可能性があります。
ブラジルがコロナ感染の抑制を成功させて、経済回復が著しくなってくると当然ブラジルに投資する人達は増加します。
しかし現状を見る限り横ばいに推移する可能性が高いので、大口での取引は控えた方が良いでしょう。