世界的規模で衝撃を走らせたギリシャ危機をご存知ですか?
ギリシャ危機とはなにか、なぜ起きたのか、ギリシャ危機が与える今後の経済までわかりやすくご紹介していきます。
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このページのもくじ
ギリシャ危機とは
そもそもギリシャ危機とは、2010年にギリシャで起きたもので、リーマン・ショックから世界経済が復調してきた時期におきました。
ギリシャ危機のはじまりは2009年に新民主主義党から全ギリシャ社会主義運動へ政権が変わったことです。
当時の政権代表のゲオルギオス・アンドレアス・パパンドレウ氏から「3ヶ年財政健全化計画」が公表されましたが、経済成長率を考慮した際に計画の実現が困難であると格付け機関より判断がされたため却下されました。
その後、ギリシャ国債は格下げがされ大暴落を起こしたのが「ギリシャ危機」の概要です。
ギリシャ危機になった原因
そもそもなぜギリシャの経済の財政赤字がふくらんだのでしょうか。
ギリシャ危機の根底にあった3つの原因をご紹介します。
政治の腐敗
ギリシャ危機が起こるまえから、脱税や汚職、賄賂が横行し、政治的システムが全く機能していなかったことが背景にあります。
数多くの権限が政治家に委ねられており、もともと問題が多かったことから、得られるはずの税収を確保することができず、支出のみがふくらんだため隠蔽せざるを得なかったことが原因です。
産業が乏しかった
ギリシャはGDPの17%を観光産業が占めており、主軸となっていましたが、産業全体として弱かったことがあげられます。
前述の通り、不正問題がとびかっており、税金をまともに回収できない状態にあわせて産業の状態も悪いのであれば、当然財政は悪くなる一方でしょう。
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公務員や年金の待遇が厚かった
ギリシャ危機の一番の問題とも言えるのが、公務員や年金の待遇が過剰に厚かったことです。
ギリシャの当時の人口は1,100万人であり、人口の約10%のおよそ100万人が公務員でした。
労働人口の25%をかなりの割合を占めており、公務員の給料が一般的な職業の1.5倍もあったことから、給料で多額の金額を支払っていたことです。
年金制度も充実しておりギリシャでは55歳から支給されました。
金額については働いていた時代の80~90%と高額の金額が支給されたことが大きな原因で、どんどん財政を苦しめる事態となりました。
ギリシャ危機以降の対応
ギリシャ危機を乗り越えるために当時のパパドレウ首相は財政支援をEUに要請し、トロイカ体制と呼ばれる、IMF(国際通貨基金)、欧州委員会、ECB(ヨーロッパ中央銀行)が一団となり金融支援をおこなうことになりました。
トロイカが支援だす条件として、ギリシャに増税・公務員の給料の減額・年金の制度改革・緊縮財政を求めました。
ギリシャはこの条件を受け入れ、財政の健全化をおこないましたが、急な変化と大きすぎる負担に国民が反発し、ストライキやデモが頻繁に勃発しました。
各国の協力の下、なんとかギリシャは危機を乗り越えることができ、2014年にはGDPの成長率をプラスにかえることにも成功しました。
その後もトロイカより厳しい条件をのみながら徐々に経済は回復して、2018年にはトロイカからの支援が終了しました。
ギリシャ危機が世界に与えた影響
トロイカの協力のおかげで、世界的に大きな影響は与えずに済ましたが、世界は次の破綻しそうな国という目線が集まり、同じヨーロッパのイタリア、ポルトガル、アイルランド、スペイン、フランスなどの声が上がりました。
ヨーロッパとは別にIMFから注目されたのが日本です。
日本があげられた理由として、当時の日本の債務残高がGDP比240%程とギリシャの113%を大きく上回る状況だったからです。
ここでIMFは日本に消費税をあげるように提言しており、2030年までに15%、2050年までに20%にすることを提案しています。
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ギリシャと日本の経済の違い
ギリシャ経済とは違い、GDPを比が高くても、日本はギリシャ危機のように陥らないと言われています。
同じ先進国ですが両者には経済背景に決定的な違いがあります。
ここからは日本の経済をギリシャ経済と比較した上で、日本がギリシャのように危険視されない理由をご紹介します。
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増税で不況でも対策ができる
日本が独自の「円」という通貨をもっていることがギリシャとの違いです。
日本は税金もヨーロッパに比べて安く、増税することで景気を持ち直す可能性がまだありますが、ギリシャの場合はすでに税金が高く、さらに増税することが求められました。
日本の場合は、IMFから助言を受けているということもあり、着実に増税の方向で進んでいます。
このままいけば、ひとまず2030年には消費税15%になっていくことでしょう。
日本人が日本の国際を買う
国債の買い手がギリシャの場合はEUなどの他国に対し、日本はほぼ国内で買われていることです。
外国資産を持つと為替に対するリスクが伴うため、海外に比べて日本国債は日本の投資家にとって安全な資産になっているのです。
日本政府が破産することがあっても、すぐに倒産する可能性は低いし、なにより情報は海外に比べて入りやすいです。
ギリシャなどの場合は、ユーロ圏ということもあり、為替のリスク無しに購入することができます。
よって、同じユーロ圏の国債を買ってもその点は安心でき、わざわざ自分の国の国債を買う必要もなくなります。
ギリシャの国民でさえギリシャの国債を買わないため、当然のことながら経済が赤字の国債を他の国の人が買うことはありません。
国としては国債を買ってもらうことで、ギリシャとしては財政を立て直したいですが、買ってもらう人がいないため立て直したくてもできないことが日本と違う点です。
過去の歴史から財政を予測することが大事
ギリシャ危機の影響で、幸いにも世界的に大きな影響を及ばすことはありませんでしたが、世界に大きなインパクトを与えました。
ギリシャとは違い経済の仕組みに違いがあるため、可能性は低いですが、それでも財政崩壊は日本でも同じことが起こり得ます。
ギリシャ危機から何を学び、今後どうしていくのか考えることが大切です。
特にギリシャ危機によってIMFが日本に増税の提言をしているため、将来の日本において、今後さらに増税されることはほぼ間違いないと言っていいでしょう。
これからの日本の動向を常にチェックするようにしましょう。