破産者マップは、2019年に大きな注目を浴びたサイトで、2022年現在は閉鎖されています。
1時間に130万件のアクセスが集まり、載せられた多くの人達は様々な被害に遭いました。
今回は、破産者マップとは何なのか詳しく説明していきます。
「自己破産を検討しているけど破産者マップに載るのが心配」「破産者マップの情報はどこから手に入れたの?」と気になる人は、参考にしてください。
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このページのもくじ
破産者マップとは
破産者マップはgoogleマップを活用したサイトで、破産者の名前や情報がgoogleマップ上のピンでマッピングされています。
2019年3月15日頃、破産者マップの情報が公開され、ネット上で大炎上しました。
当初は10年分の破産者がマッピングされており、炎上後は3年分の破産者が公開されました。
(破産者マップからの重要なお知らせ)
この度は、多くの方にご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。
下記の実施、または実施することをお知らせいたします。
1.サイトを閉鎖します。— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 18, 2019
破産者マップは公式twitterも運営しており、現在はサイト閉鎖を告知してから更新されていません。
破産者の名前や住所が表示されるサイト
破産者マップは万人が見ることができる為、注目された時期は1時間で130万件ものアクセスがありサーバーが落ちた情報もあります。
アクセスが多すぎて、サーバーが落ちたみたいです。ときおり、落ちることがありますので、しばらく時間をあけて、試してみてください。
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 16, 2019
2019年3月15日に膨大なアクセスが発生し、翌日の3月16日は削除要請のお問い合わせを開設しましたが、晒された人達の中で詐欺事件に巻き込まれた人もいました。
2022年現在は閉鎖中
破産者マップが注目され始めた2019年3月15日から4日後の3月19日に、サイト運営者がtwitterアカウントで謝罪とサイト閉鎖を告知した為、2022年現在は閲覧する事ができません。
(破産者マップからの重要なお知らせ)
この度は、多くの方にご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。
下記の実施、または実施することをお知らせいたします。
1.サイトを閉鎖します。— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 18, 2019
2021年9月には、破産者マップに名前や住所などを公開された事によってプライバシーを侵害されたと主張した自己破産経験者2人が、サイト運営相手者に対して計22万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしています。
破産者マップは現在閉鎖されていますが、破産者マップを公開した影響はまだ収まっていません。
破産者マップを作成した目的
「破産者を表示して何が目的なの?」と疑問に思う人もいますよね。
破産マップの運営者は大きく分けて3つの目的がありました。
- 破産して困っている人達を可視化し助け合える環境を作りたかった
- 誰もが自由に見られる情報をもっと簡単に提供したかった
- データを見て物事を正式に判断出来る人達が増えて欲しい
悪意があって破産者マップを作成したわけではないと主張していますが、後付で発言している可能性もあります。
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破産者マップを使って困っている人を助ける
破産者マップの公式ツイッターは、破産者マップを使って困っている人達を助ける動きを期待した旨をツイッターで配信しています。
(続き)このマップの使われ方が、あなたの近所にいる困った人を助けたり、困っている人どおしが仲間になって助け合ったり、そういう使われ方ではなく、違う使われ方をされているような気がします。人はいいときもあれば、悪いときもあります。
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 18, 2019
本当に思っていたかは定かではありませんが、運営者は国外に住んでおり、日本でもお金に困っている人達を助ける社会になって欲しかったと主張しています。
データを自由に閲覧できる国を目指す
破産者マップは「官報」で表示されている情報をまとめたサイトであり、一般人が入手しようと思えば誰でも知ることのできる情報です。
しかし官報は一般的な情報紙ではない為、多くの人達が存在をしりません。
(続き)このマップの使われ方が、あなたの近所にいる困った人を助けたり、困っている人どおしが仲間になって助け合ったり、そういう使われ方ではなく、違う使われ方をされているような気がします。人はいいときもあれば、悪いときもあります。
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 18, 2019
破産者マップの運営者は「日本に眠っているまだ活用されていない国や自治体がもつデータを、個人を特定できない形にした上で研究者に加えこの国に住む誰もが自由にアクセスできる国になってほしい」とツイッターで呼びかけており、データ閲覧の自由化を求めていた可能性があります。
破産者マップが閉鎖された経緯
破産者マップは注目が集まった2019年3月15日~同年3月19日の間、公開されていました。
年月 | 破産者マップの状況 |
---|---|
2019年3月15日 | 破産者マップが注目を浴びる |
2019年3月16日 | 破産者マップ運営者が削除要請フォームを作成 |
2019年3月17日 | 1時間あたり230万アクセス突破 |
2019年3月18日 | アクセス過多により閲覧が難しくなる |
2019年3月19日 | 破産者マップ閉鎖の告知 |
破産者マップは2018年12月頃、既に公開されていましたが注目され始めたのが2019年3月15日です。
物議を醸した4日間に、詐欺被害に遭った人や破産者マップを訴える為のクラファンが発足した為、短期間の公開でしたが多くの人が認知しています。
詐欺被害が多発
破産者マップの運営元が、削除申請を行えるようにしたと同時に、削除申請を有料で行う代行業者詐欺が発生しました。
「破産者マップ削除依頼代行業」の存在を教えていただきました。このような業者さんからの申請がどのくらい来ているのか、こちらではわかりませんが、審査の際、このような業者さんがいることを前提に読むことにしました。申請には一切お金はいただいてませんので申請される方は注意してください。
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 17, 2019
お金を払って依頼している人も存在し、二次被害に発展します。
プライバシー権への侵害や名誉毀損をさせる行為として物議を醸した
詐欺被害が発生した事が確認された頃、破産者として晒された人達は「プライバシー権や侵害が生じる」「破産法の趣旨に反する」として、破産者マップを閉鎖するよう主張する人が増加しました。
twitterでも批判する人達が多く、破産者マップ被害対策弁護団が発足されるきっかけになりました。
被害対弁護士団が結成されサイトが閉鎖
破産者マップ公開によって被害が相次ぎ、ついに「破産者マップ被害対策弁護団」が発足しクラファン活動が始まりました。
実際に2021年9月に賠償請求を行っている人も存在し、2022年経った今も破産者マップ騒動は終結していません。
破産者マップの運営者は、削除申請してきた人達の情報を消去して公開を継続しようとしていましたが、最終的に個人情報保護委員会による行政指導によって閉鎖されました。
破産者マップの類似サイトは存在する?
破産者マップは2019年3月に閉鎖されていますが、今後自己破産申請をする人は「類似サイトに公開されるのでは?」と心配する人も居ますよね。
破産者マップの類似サイトは複数発見されており、2020年7月・2022年3月に個人情報保護委員会が運営者に停止命令を出しています。
破産者マップはどのような人が掲載されていた?
破産者マップは、自己破産を申請して官報に掲載された人達が掲載されています。
自己破産は借金の支払いを免除する処置で、多額の借金を抱え込み追い詰められている人の救済処置です。
厳しい取り立てをされても、自己破産をすれば借金から開放されるので借金に困った時の最終手段として使うケースが多いです。
自己破産した人
自己破産といっても種類が3つあるので、破産者マップに掲載された人は下記3種類の中のどれかに該当します。
- 同時廃止事件
- 管財事件
- 少額管財事件
企業が破産して掲載されるパターンもあります。
同時廃止事件
同時廃止事件は、多くの人が該当するもので、債務者が持っている財産が少なくギャンブルなどの浪費による借金ではない時に適用されます。
自己破産をする人は、財産を持っていない状態の人が多い為、同時廃止事件になるケースが多いです。
同時廃止事件は手続きから3ヶ月で終了する為、費用を抑えて自己破産の手続きを行うことができます。
管財事件
管財事件は、債務者の処分する財産が多い時に適用されます。
同時廃止事件と違い、該当するケースが少なく個人の自己破産で管財事件になる可能性はほぼありません。
管財事件は同時廃止事件より多くの費用が発生し、時間がかかります。
少額管財事件
少額管財試験は、20万円以上の高額財産を保持していたり33万円以上の予納金を納められる現金がある人に該当します。
財産を処分しなければなりませんが、管財事件より少額で抑えられるので手続きは2~5ヶ月程度で終わります。
自己破産した人は官報に載るって本当?
破産者マップは、特別なデータを抜き取った訳ではありません。
一般人でも閲覧できる「官報」から情報を収集しています。
上記の事から「自己破産したら官報に掲載されるの?」と怖くなってしまいますよね。
これから自己破産した場合、どのタイミングで官報に掲載されるのか紹介します。
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破産手続き開始時と免責許可が出た時に掲載される
自己破産の破産手続きを開始した時と、免責許可が下りた時に債務者の名前が官報に掲載されます。
インターネット版の官報では直近30日分の無料版官報を閲覧できます。
自己破産は、債務者にとって大きなメリットを得られる反面、債権者への影響が多い為官報で掲載しています。
無料版官報はWeb検索に引っかからない
無料版の官報にも債務者の情報は掲載されますが、無料版官報は写真形式で掲載されている為、Web検索で引っかからないようにしています。
また官報を閲覧している人は限定的で、見ている人も少ないことから自己破産してバレる可能性は限りなく低いでしょう。
破産者マップは現在閉鎖中!借金返済に困っている人は相談しよう
破産者マップは誰でも閲覧できる官報から情報を得て作成されたサイトです。
運営元は悪意無く作成したと主張していますが、訴訟している人達も居る為、騒動が終結するにはまだ時間がかかります。
今後も類似サイトが出現する可能性もありますが、個人情報保護委員会も敏感に動いているので、借金に困っている人はまず弁護士に相談しましょう。