投資や投機の意味や、ギャンブルとの違いを明確にせずにお金を投じると大きく損することになります。
例えば、リスクやリターンなどを知らずに、同じ感覚で取り組んではいけません。
とくにギャンブルのように、一攫千金を狙う人はお金を失いやすいです。
この記事では投資・投機・ギャンブルの意味から内容を比較して解説します。
それぞれの基本知識を知ることで、目的をもって出資することが可能になるでしょう。
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投資・投機・ギャンブルの正しい意味とは
3つの違いを大まかに説明すると、以下のような意味になります。
- 投資=企業や事業の中長期的な経済成長に出資する
- 投機=FXや先物取引など短期的な利益を狙う投資手法
- ギャンブル=参加者が損をする前提のゼロサムゲーム
投資と投機の大きな違いは出資する期間です。中長期的な成長を見込んで出資するかどうかに違いがあります。
一方のギャンブルは投機と同じく短期的な手法ですが、基本的に胴元が得をするゲームへの参加です。
つまり投資は長期で安定的な利益を得る方法で、投機やギャンブルは短期で大きな利益を得る手法に分けられます。
投資
投資とは自己資金を他者、もしくは事業に出資した対価をもらう手法を指します。
本質的には、将来見込みのある国や企業の経済成長に期待して、資本を投入する行為です。
資本を投入した国や企業が経済的に成長するほど分配金がもらえる仕組みになっており、金額に応じて分配金が増えます。
例えば、株式会社の場合は株式を発行して資本を集め、株主に対して利益の分配として配当で返します。
他には不動産経営や太陽光発電などが該当し、中長期的な成長を見越して資金を投じて利益を期待できます。
投機
投機は、有価証券などの短期売買を繰り返して利ざやを得る行為です。投資と違う点は、短期的に取引を行うところです。
例えばFXや、農作物、貴金属などが投機に該当し、ハイリスク・ハイリターンを狙うマネーゲームのような手法になります。
投機の本来の意味は、「資金を機会に乗じさせる」ことです。言い換えると、「短期間で一攫千金」を狙うことといえます。
つまり、誰かが得をして誰かが損をする形式の投資の方法です。短期的な投資の一種なので、ギャンブルの一つとして数えられることが多いです。
ギャンブル
ギャンブルとは賭け事です。短期的な手法は投機と同じですが、主催者である胴元の存在が異なります。
胴元は利益と参加者の手数料を差し引いた状態で行うため、基本的に損をしない仕組みになっています。
例えば、代表的なギャンブルはパチンコや宝くじなどです。
胴元に利益が残るように運営されているため、参加者のリターンは利益を差し引いた額になります。
また利益の還元率は低い特徴があり、パチンコ・パチスロは平均85%〜90%、宝くじは45.7%と指定されています。
投資・投機・ギャンブルの違いを徹底比較
投資と投機は、取引の期間が違う資産運用です。長期的に利益を狙う投資と、短期的に利益を狙う投機に分かれます。
また、ギャンブルも短期的に利益を狙う点やリスクの大きさでいえば投機に近いです。
それぞれ利益を得る構造に特徴がありますが、基本的にリスクを負ってリターンを得ることに違いはありません。
収益性
長期で着実に収益を増やす場合は投資が適しており、一攫千金を狙う場合は投機やギャンブルが勝ります。
収益性は額の大きさよりも、時間を軸に判断が必要です。
稼ぐ期間を設定することにより、収益性の高さを比較できます。
ただしギャンブルは胴元の利益が確保されているため、投機や投資に比べて利益率が落ちてしまいます。
また一攫千金を得る可能性はありますが、同時に元金を失う可能性も高い点に注意が必要です。
リスク
投機が最もリスクが高い手法です。なぜなら市場の変動が大きいので、タイミング次第で大きく損をすることがあります。
一方の投資は、元本の保全を行いながら安定したリターンを狙うため、投機に比べてリスクの低い投資といえるでしょう。
またギャンブルに関しては、種類によってリスクの高さにバラつきがあるので明確に評価することはできません。
例えば、宝くじなどは安定してリターンを得られるギャンブルに該当するので、購入する商品によってリスクの大きさが変わります。
実践期間
投資は中長期間に取り組み続ける方法で、投機は短期間に取引が終了します。ギャンブルは短期間に含まれると考えましょう。
投資は企業の成長を期待して株を保有するため、値動きの上下にかかわらず取引が長引く特徴があります。
一方の投機は、企業の現状から値動きを予測して素早い取引を行います。
しかし、投機は必ずしも短期間で終了するわけではありません。
相場の変動によって数ヶ月の売買になることもあるため、「投機は短期保有になりやすい」程度に考えましょう。
リスク・リターン
投資は元本を保全と一定の利回りを得られるので、リスクを抑えて長期的なリターンが期待できます。
一方の投機は、市場の変動を予測して短期的に取引を行うため、リスクとリターンどちらも大きい取引です。
ギャンブルは胴元が得をする仕組みが構築されているため、参加者のリスクが高くリターンも低いといえます。
また参加者の平均的なリターンはマイナスになります。例えば、宝くじは1万円に対して換金率が47 .5%なので、半分以下の人は損をしている計算です。
運用期間
投資は数年と保有して成長に期待するため、運用期間が長くなる場合が多いです。
一方の投機は短期売買がほとんどなので、運用期間はほぼないといえるでしょう。
ギャンブルもまた、同じく短期売買といえます。
投資は相場の変動に左右されずに、コツコツ成長する様子を見守る感覚で取り組むことをおすすめします。
なぜなら企業や国や急激に成長しないため、短期的な利益は狙えないからです。
投資は運用するための期間ありきで出資しましょう。
世間的な理解
一般的に日本人は投資に対して、いい印象をもたれていません。リスクを嫌う性質なのか、お金を失う不安や心配などマイナスな面ばかりを取り上げられます。
とくにギャンブルに対しては嫌悪感を示す人が多く、投資はギャンブルの一つだと考えている場合も多いです。
また投機に至っては、投資との違いを知らない人がほとんどです。意味を知らずに投資のマイナスなイメージが付随しています。
世間的な理解としては「働いて稼ぐこと以外はギャンブル」と考えられているのでしょう。
実際に投資に取り組む人でなければ、実態をつかむことは難しいといえます。
投機での運用実例
投機での運用実例は以下の3つです。
- FX
- 先物取引
- 仮想通貨
FXは初心者でも始めやすい投機の一つで、倍率を上げることで利益を上げることができます。
先物取引は、値段をあらかじめ決めてから商品を購入する方法です。大豆やトウモロコシなど、実際の商品で用いられます。
仮想通貨はFXや株と同じように取引が可能な電子資産で、取引の手数料を欠けたくない人におすすめです。
FXでの為替変動による取引
FX(外国為替取引)は日本円を外国の通貨に換えて利益を生み出す方法です。
通貨の価値は秒単位で変わるため、値段が安いときに購入して、高くなったタイミングで売却することで差額が生まれます。
例えば、日本円を米ドルに換えると「ドル買い」もしくは「円売り」となり、購入時に1ドル100円で売却時に1ドル110円だと10円の利益になります。
さらにFXは少額の資金から始められるだけでなく、倍率を変えることで利益が期待できます。
しかし、同時に損失が出るときの額も増えるため注意が必要です。
先物取引
先物取引とは、「値段」を先に決めて、あとで「物」を受け渡す取引を行うことです。
値段を先に決めるので、受け渡し時点の値段が違っていても商品を受け取ることができます。
例えば、半年先に大豆を購入するために値段を先に決めて、半年後の値段が高騰していた場合でも追加費用はかかりません。
反対に、半年後に大豆を売却する値段を決めて、半年後に値段が落ちていた場合でも払う費用は下がりません。
仮想通貨
仮想通貨とは、ブロックチェーンの仕組みで管理される電子上のデータ資産を指します。
インターネット上での送金や決済などの商取引に用いることが可能なので、円やドルなどといった法定通貨との交換や、仮想通貨同士の売買が行われています。
仮想通貨の稼ぎ方は、安い時に購入して高い時に売るシンプルな方法です。
FXなどの投機と変わらない方法で取引ができます。
また個人間で直接送金ができるため、銀行や金融機関の取引に必要な手数料が無料な場合が多いです。
もし手数料がかかった場合でも低コストで運用できます。
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投資での運用実例
投資での運用実例は以下の5つです。
- FXでのスワップ取引
- 株式投資での長期保有
- 不動産投資
FXのスワップ取引や株式の長期保有など、基本的に投資は長期的に利益を得るための手段だといえます。
また不動産投資は、老後に大家となって不労所得を得るために人気の投資です。
どの投資も投機のように短期的に利益を出す必要がないため、年単位で利益を出す計算で運用することをおすすめします。
FXでのスワップ取引
FXのスワップ取引は、ポジションを保有して得られるスワップポイントを稼ぐ方法を指します。
スワップとは2つの通貨を交換するとき金利差を調整する差額のことです。
高金利の国から通貨を購入して、低金利の国の通貨を売却する時にスワップを獲得できます。
例えば、トルコの「リラ」、南アフリカの「ランド」、メキシコの「ペソ」などがスワップポイントを得やすいです。
通貨を保有するだけでスワップポイントが貯まっていくため、銀行預金に比べて安定した資産運用が可能になります。
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株式投資での長期保有
株式投資の長期投資とは、1年以上の年単位で株式を保有して運用することです。
企業の成長を期待して持ち続けるため、結果が出た場合のリターンが大きい特徴があります。
株式投資で利益を得る方法は2つあり、株の売却時に得られる「キャピタルゲイン」と配当金や株主優待による「インカムゲイン」です。
どちらも企業の業績によって金額が上下するため、投資する対象は今後の成長が見込める企業を選ぶようにしましょう。
不動産投資
不動産投資とは、宅地や建物などの不動産に対する投資です。
不動産を購入した後に、賃貸に出すことで家賃収入や不動産を売却することで得られる収益を指します。
また家賃だけでなく更新料のなどが収入になるため、不動産を保有しているだけで収益が発生します。
例えば、マンションの毎月エレベーターや駐車場などの維持費として徴収することが可能です。
不動産投資は、FXや株式投資に比べてリスクが高くないことから、損失が出にくいことで人気の投資です。
ギャンブルでの運用実例
ギャンブルで運用実例は以下の3つです。
- パチンコ・スロット
- 宝くじ
- 競馬
ギャンブルの運営元は異なりますが、どれもれっきとしたギャンブルです。
投資や投機に比べて勝率が低く、資金を失いやすいといえます。
一攫千金を狙う賭け事は勝率が低く、運用する場合でもほとんどの人が失敗しやすいです。
また、依存症になって生活を破綻させる人もいらっしゃいます。
そのためギャンブルは趣味として楽しむだけにして、お金を稼ぐために使わないようにしましょう。
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パチンコ・スロット
パチンコはお金を「玉」に替えてパチスロは「メダル」に替えて行う賭け事です。
胴元のパチンコ・パチスロ店が台の設定を行うため、お店が損をすることがないように運営されています。
そのため、ほとんどの人が総額で換算すると損をしていることになります。
また、プロとして稼げる人はほとんどいません。
宝くじ
宝くじは公営ギャンブルとして国が認めていますが、 れっきとした賭博であることは間違いないでしょう。
また当然確率は低く、例えばジャンボ宝くじの1等当選確率は1000万分の1にしかなりません。
そもそも偶然でのみの当選なので、必勝法は存在しないと考えてよいです。
競馬
競馬は公営賭博の一種です。宝くじと同様に国が運営していますが、れっきとしたギャンブルといえます。
レースの順位を予想することはかなり難しく、例えば18頭出馬の場合、1.2.3着をすべて的中させる「3連単」の確率は0.02%の確率になります。
まれに緻密な分析により勝率を上げる人はいますが、競馬はほとんどの人が負けるギャンブルだと考えてよいでしょう。
投資・投機・ギャンブルは大きく異なるので注意
投資・投機・ギャンブルは、目的や方法などの観点から大きく異なることがわかります。
投資は中長期に運用し、投機は短期的に利益を得る方法です。
どちらもギャンブルのように取り組むと、大きく損をすることになるでしょう。
欲をかいて失敗する人が後を絶たないため、勘や運に頼ってお金を失わないように注意深く運用することが必要不可欠です。