期待値はFXの勝率を左右するほど重要な指標です。
基準がないままトレードを続けると、損失を出し続けることになりかねません。
期待値が明確になると、利益を出すために最適な取り引き回数や数量を把握でき、日々のトレードを改善しやすくなるでしょう。
とくに稼ぎたい目標が決まっている人は、期待値をうまく活用して利益を出しやすくなります。
この記事で紹介する計算方法や活用するコツを使って、トレードの勝率を向上のために役立ててください。
FXとは何?知っておきたいFXの基礎を初めての人にもわかりやすく解説
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FXにおける期待値とは?
FXにおける期待値とは、1回の取り引きで稼げる金額の平均値のことです。
トレードで利益が得られるかどうかの基準値になるので、取り引きの前にプラスの値にする必要があります。
必ずしも期待値通りに利益が出るわけではありませんが、FXのトレードは1回の取り引きのみで利益を狙う必要がないので、より勝率の高い選択をするために有効な基準になります。
1回のトレードでの平均利益額
期待値は1回のトレードで得られる金額の平均値なので、合計でプラスになるように調整しなければなりません。
トレードの合計をプラスにするには、損失と利益の割合が1:1以上になる取り引きを意識しましょう。
現在のトレードの合計から期待値を割り出し、利益の割合が1:1以上にならない場合は取り引きの見直しを行いましょう。
期待値を明確に考えられていないと破産してしまう可能性がある
期待値をあいまいにしたままトレードを継続すると、利益を出せないまま破産する恐れがあるので注意が必要です。
勘や経験に頼ったトレードを続けると、ギャンブルや投機目的の投資になってしまい、あっという間に資産が減っていくでしょう。
とくにFXは損切りや利確のタイミングを間違えやすく、感情を優先して期待値を無視したトレードになりがちです。
FXの成功率は約10%といわれていますが、高い勝率を維持できるトレーダーは期待値を出して、市場分析やトレード改善を欠かさずに行っています。
そもそも期待値はトレードによって変化するため、日々の取り引きの中で改善し続けなければなりません。過去のトレードからデータを分析し、最適な期待値を導きだしましょう。
FXにおける期待値の計算方法
FXにおける期待値は計算方法は以下の通りです。
具体例として、勝率と負率を50%に設定し、勝ちトレードの平均利益を10pips、負けトレードの平均損失を5pipsの場合の値を求めると以下の期待値になります。
上記の計算の場合はトレードの期待値が0を上回っているため、利益が出やすいトレードといえます。
計算に当てはめることで客観的な数値を把握できるので、合計で利益が出るかどうかの判断のために有効な方法です。
ただし勝率が高い場合でも、損失額が増えると期待値が下がってしまう点に注意しましょう。
利益率と損失額の単位はPips表示にしよう
利益率と損失額の単位はPipsで表示する理由は、投資効率を計算しやすくなるためです。
FXは外国通貨による取り引きなので、共通単位であるにPips利用することによって数値を把握しやすくなります。
計算そのものは少し面倒に感じるかもしれませんが、トレードの改善点を明確にするためにはメリットが大きい方法です。
また獲得pips数で投資効率が分かることで、トレードの結果から期待値の善し悪しが一目で把握できます。
反対に利益や損失を金額で算出することもできますが、通貨によって値動きが異なるため、投資効率がわかりにくくなるので避けた方がよいでしょう。
FX取引の期待値から勝ち続ける計画を立てるには
FXで利益を出すためには、最初に稼ぐ目標金額を設定しなければなりません。
なぜなら金額に応じてトレードに必要な条件が把握できないからです。
そもそも期待値は過去の取り引きからの稼げる値を算出するので、トレードの計画を立てるためには勝率などのデータが必要になります。
そのため具体的な計画を立てるためには目標とデータが揃うことが必要不可欠です。
トレードの回数や取引数量などを決める際は、目標金額を元に計画を立てましょう。
稼ぎたい目標金額を設定する
まずはFX取り引きで稼ぎたい目標を定めてから、計画を立てることをおすすめします。
その理由は、目標金額が決まると期間や運用資金などの条件が明確になるからです。
また期待値から逆算してトレード回数やレバレッジの比率などが決まり、目標金額に達成するまでに必要な手法が把握できます。
スキャルピングや投機などの短期トレードと、長期運用のトレードは分けて期待値を出さなければなりません。
ただし複数の手法を用いている場合や、多数の通貨ペアで取り引きを行っている場合は、期待値がそれぞれ異なるの注意が必要です。
FX未経験者は勝率を予想して期待値を計算してみよう
FX未経験者は期待値を把握するために必要なトレードの実績がないため、勝率を予想して期待値を出しましょう。
あくまで予想なので正確な数値を求めるのではなく、おおよその平均利益や損失を出すことができれば問題ありません。
例えば利確の基準を30pips、損切りの基準を10pipsに設定した場合を想定し、勝率を50%に決めると以下の計算式になります。
上記のように期待値が10pipsと求められるので、トレードの勝率が高いことが予測できます。
ある程度の経験を積まないと正確な期待値は算出できないので、未経験者のうちはデータを取るためにざっくりとした数値でトレードに取り組みましょう。
期待値からトレード回数や取引数量を逆算する
期待値を設定すると、逆算してトレードの回数や取り引き数量が明確になるので、最初に決めた目標を達成しやすくなります。
例えば期待値をデイトレードで20pipsに設定し、運用資金200万円の資金で1か月で20万円稼ぐことを目標にトレードに取り組むと想定します。
FX取り引きは土日が休みなので、月20日前後の取り引きが可能です。
つまり1日デイトレードで約10,000円の利益を出さなければなりません。
期待値が20pipsで10,000円の利益を出すために必要な取引数量は約1,000万円です。
このように期待値から必要なトレード回数と取引数量が決定します。
FX取引内容を改善する時に期待値は重要
FX取引において期待値の役割は、トレードの内容を把握して改善に繋げるためです。
期待値を算出すると改善点が見つかり、自身のトレードの手法やルール設定に取り組めます。
トレードの手法やルール設定は期待値を元に決めなければ、勝率は一向に上がらないと考えてよいでしょう。
なぜなら期待値がわからないとトレードの方向性だけでなく、利益や損失に繋がるかどうかの判断ができないためです。
勝率を上げるためには過去のトレードの取り引きで蓄積されたデータを活用し、日々のトレード改善するほかありません。
期待値をベースに利確ライン・損切りラインを見直そう
FX取り引き内容を改善するために必要な見直しが、利確ラインと損切りラインの設定です。
どちらも勝率に大きく影響するため、トレードの改善には欠かせません。
目標とする利益を達成しない人は利確や損切りのタイミングを間違えている場合が多いので、期待による決済価格の見直しにより勝率を高められるでしょう。
期待値をベースにすることで勝率を高く保てる基準が明確になり、損小利大のトレードを実現しやすくなります。
また利確と損切りラインの基準を変更することで、感情面で左右されにくくなるので、日々のトレードの中でコツコツと改善することを意識しましょう。
FXで期待値を使う時の注意点
基本的に期待値は為替相場の環境によって変化するため、トレードを改善し続けなければなりません。
一度利益が出た手法を繰り返しても、すべての市場に対応できるわけではないため、状況に応じてトレードの手法を変える意識が必要です。
期待値は勝率を上げるために有効な指標になりますが、変化を前提として算出されていることに注意してトレードに取り組みましょう。
期待値はトレード内容によって変化していく
期待値はトレードによって変化するため、状況に応じて変更しなければなりません。
基本的には相場は予測不可能な世界なので、期待値は相場の変化には対応させましょう。
例えば相場の変化によって利確ラインや損切りラインが変わるなど、為替相場はあらゆる変化が起こるため確実に勝てる手法は存在しません。
日々のトレードで手法を改善することはもちろんですが、リスクを許容しながら取り引きを継続しなければならないので、期待値を固定することは避けましょう。
手法によって期待値を下げてしまう可能性がある
トレードの手法の期待値は相場によって変動する可能性が高く、利益を出し続けられる手法は存在しないと考えましょう。
1つの為替相場で結果を出すことができた場合でも、他の相場でも確実に利益が得られるわけではありません。
最初は期待値が高くても次第に利益が得られなくなり、最終的には損失に繋がりやすいトレードになってしまうはずです。
トレードの内容によって期待値は変化せざるを得ないので、為替相場の状況に応じて対応しなければなりません。
FXでの期待値は勝ち続ける為に重要な役割をになっている
FXの期待値はトレードの勝率を高めるための指標になり、利益が出るかどうかの基準として重要な役割を果たすための数値です。
また損切りや利確のタイミングの調整など、トレードを改善するための判断材料になるので、どのトレードにおいても必要不可欠といえます。
ただし期待値はトレードに応じて変化するため、一度利益が出たからといって安心はできません。日々のトレードで少しずつ改善することで勝率を維持できるでしょう。