シンガポールドルはシンガポールが発行している通貨です。
シンガポールは1963年に英国から独立し、東南アジアの貿易・金融の中心地として著しい発展を見せてきました。
2018年の一人当たりの名目GDPは約6万3,000ドルを記録し、日本よりも高い数値で推移しています。
今回は今後の成長を期待できるシンガポールドルの今後の見通しについて紹介します。
これからシンガポールドルで取引しようと考えている人は参考にしてください。
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このページのもくじ
シンガポールドルのリアルタイムチャート
シンガポールドルのリアルタイムチャートは下記の通りです。
シンガポールドルの特徴
シンガポールドルは、他の東南アジア通貨と違って安全性が高く経済成長も大きく期待できる数値を持っています。
上記の様にシンガポールドルにはいくつかの特徴があるので、取引する上で知っておくべき最低限のポイントは抑えておきましょう。
これからシンガポールドルの特徴を紹介するので、シンガポールドルの見通しを確認する前に理解しておきましょう。
通貨パスケット方式の管理変動相場制を採用
シンガポールドルは通貨バスケット方式の管理変動相場を採用しています。
通貨バスケット方式の管理変動相場は、複数の外貨に連動しているレートを採用しており、変動幅が一定の枠内に収まるように管理されています。
米ドルやユーロといった主要通貨に対する変動は管理下の元で変動しているので、新興国通貨の中でも安定性の高い通貨です。
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東南アジア通貨の中では安全性が高い
シンガポールドル以外の東南アジア通貨は、高い経済成長への期待値によって大きな値上がりを見込めますが、金融危機などのリスクオフ状態での市場では大損失するリスクがあります。
シンガポールドルは上記のような緊急事態時に他の通貨に比べて反動を抑えられている実績があります。
しかし2020年のコロナショックを見ると、他の通貨同様大暴落しており損失のリスク管理は最低限ケアする必要があります。
シンガポールドルは金利が低め
シンガポールは金利が低めに設定されていますが、政策金利が存在しません。
金融政策では為替変動のコントロールがメインになっています。
シンガポールは貿易大きく依存している国で、物価価格の動きより為替レートによる変動の方が景気に影響をもたらす背景があるからです。
よってシンガポールドルは、シンガポール経済が好調な時は上昇傾向で不景気になると下落するようなシンプルな仕組みになっています。
シンガポールなどの東南アジアは、デモが頻繁に発生したり反対勢力の活動によって治安が悪化している国が多発していますが、シンガポールの政情は安定しており政治リスクがシンガポールドルに与える影響は少ないです。
シンガポールドルの過去チャートの推移
シンガポールドルの過去のチャート推移を紹介します。
過去のチャート推移から変動要因を理解し、今後の為替レート推移を分析できるようにしておきましょう。
2012年アベノミクスの影響で上昇
シンガポールドルは、アベノミクスの影響で2012年に58円から66円まで急上昇しています。
アベノミクス効果は対東南アジア通貨でも影響があり、2012年以降も右肩上がりに成功しています。
長年レンジ相場になっていた値をブレイクして、2013年には75円台にまで推移しています。
2015年中国経済減速でシンガポールドル安が進行
2015年1~3月期の中国の実質GDP成長率は前年同期比+7.0%となり、6年ぶりに低い伸びになりました。
シンガポールは中国経済とも密接な関係にあり、中国経済減速によってシンガポールドルも下落する流れになります。
2015年の高値92円を堺に下落トレンドが発生し、2017年には72円まで暴落しています。
2020年コロナショックで大幅な暴落
2020年はコロナショックによって為替市場全体が大暴落しています。
シンガポールドルは新興国通貨である為、底打ちからの回復が先進国通貨より大幅に遅れています。
しかしシンガポールドルは、12月に入り1米ドル=1.33シンガポールドル台前半と2018年6月依頼の高値を付けています。
新型コロナウィルスのワクチン普及への世界経済の回復が期待され、米国の金融緩和長期化観測で米ドル売りが加速した結果、シンガポールドルが買われれる形になりました。
シンガポールの底打ちからの回復は緩やかでしたが、新型コロナウィルス感染拡大の抑制に成功しており経済指標も改善にむかっています。
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【2021年】シンガポールドルの今後の見通し
シンガポールドルの今後の見通しを詳しく解説していきます。
シンガポールドルはコロナショック後、順調に上昇していきましたが、コロナのデルタ株感染拡大やコモディティの価格調整などで2021年7月現在下落方面に推移しています。
今後シンガポールドルがどの様に変動していくかファンダメンタル面・テクニカル面から分析していくので参考にしてください。
テクニカルポイントを下抜けすると暴落し始める危険性がある
アジアインデックスが2021年初の安値水準で推移しており、東南アジア通貨はテクニカルポイント下抜けすると全体的に暴落する可能性があります。
シンガポールドル円は直近の安値80.737円のサポートレンジを実体でブレイクしており、下落の勢いは加速しています。
2021年7月初旬に到達した83円台は2018年以来の高値更新で、大きな反発を受けている可能性が高いです。
デルタ株の感染拡大を抑制しなければ下落傾向になる
新しく発見されたデルタ株のコロナを抑制できるかによってシンガポール経済の行方が左右される可能性があります。
6月時点でシンガポールでは新規国内感染症例が4件と低水準に推移していることからシンガポールの制限措置は13日後に緩和される見通しをだしていました。
また7月12日から飲食店舗での食事人数上限を引き上げるなど、コロナウィルス感染防止対策を一段と緩和する方針で進んでいます。
シンガポールは為替レートの変動によって景気が左右されることからこの緩和ムードは上昇材料の1つとして捉えることもできます。
シンガポールドルで投資する時の注意点
シンガポールドルは東南アジア通貨の中でも比較的安定している通貨です。
しかし主要国通貨ペアと比べるボラティリィが高く、予想外の相場に直面する可能性もあります。
これからシンガポールドルを投資するにあたって注意刷るポイントを説明するので、資産損失を回避する為にも確認しておきましょう。
シンガポールドルはリスクオフ市場に弱い
シンガポールドルは新興国通貨のジャンルに含まれるので、リスクオフ市場になるとシンガポールドルは資金流出するリスクがあります。
安全資産通貨も併用して運用することをおすすめします。
マイナー通貨ペアでFX会社が取り扱っていないケースがある
シンガポールドル円などのマイナー通貨ペアはFX会社によって取扱の無いFX会社もあります。
シンガポールドルで投資を始めたい人は、FX会社で口座開設する前に、取扱があるか事前に調べておきましょう。
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シンガポールドル上昇はコロナ感染から世界が脱却する必要がある
シンガポールドルがこのまま上昇していくには、世界がコロナ問題から脱却する必要があります。
シンガポールは観光業で稼いでいる企業も多くあることから、世界的に規制が緩和されて観光業を再開していかなければ本格的に経済回復に向かわないと指摘しているアナリストもいます。
シンガポール自体はコロナを抑制できている状況が続いていますが、世界では第2波、3波の発生で再びロックダウンを強化している所もあります。
またシンガポールドル円は長年更新していなかった高値を更新したと共に急落しているので、再び安定したレンジ幅に収まるまで様子見する必要があります。