FXで取引しているとピボットポイントやピボットラインなどの言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
ピボットポイントは市場の動向を把握するために使用されている手法で、エントリーするタイミングや価格が大きく動くタイミングを見極めたいときに活用されています。
では具体的にどのような活用方法するのでしょうか。
このページではピボットポイントの使い方や取引で活用する方法、使用する際の注意ポイントについて解説していきます。
FXのテクニカル分析とは?2つの種類と初心者におすすめの手法・分析時の注意点を徹底解説
※本ページにはPRが含まれます。
このページのもくじ
FXのピボットポイントとは
ピボットポイントとは市場の動きを示す可能性がある価格レベルを表す指標です。
前日の終値と高値、安値を基に算出されたピボットポイントを中心に、上下にレジスタンスラインとサポートラインを引き、そのラインを相場が動く目安として活用します。
FXではトレーダーの心理状況に応じて市場が動く性質があり、トレーダーの心理が働くポイントを分析する手法として様々なテクニカル分析ツールがあります。
ピボットポイントもテクニカル分析の手法の一つで、実際にピボットポイントを活用したテクニカル分析に結果に基づき算出されたポイントで取引が行われていることから、信頼性の高い分析手法です。
FXのピボットポイントの使い方
先ほど解説したとおりピボットポイントは価格が動く目安となるポイントを占めるインジゲーターです。
先日の市場の状況からピボットポイントを算出し、レジスタンスラインやサポートラインを引いて、今後は価格がどのように変動するか分析するために活用します。
では実際にどのように各種ラインを引くのでしょうか。
ここからは具体的なピボットポイントの使い方について紹介していきます。
ピボットポイントは以下の3つの流れに沿って各種ラインを引いて使用します。
- ピボットラインを引く
- レジスタンスラインを引く
- サポートラインを引く
ピボットラインを引く
ピポットラインとは先日の終値と高値・安値の平均値であるピポットポイントの値で引いた線です。
計算式は以下のとおりです。
ピボットポイント[PP] = (中央値[C] + 高値[H] + 安値[L])÷3
ピポットラインは先日の相場の中央値として捉えることができるため、ラインより上に価格がある場合は上昇サイン、下回っている場合は下降サインとして見ます。
今日の価格がピポットラインの近辺に停滞している場合は、停滞期に入った目安として捉えることができます。
レジスタンスラインを引く
ピポットラインが引けたら、次にレジスタンスラインを引きます。
レジスタンスラインは日本語で「上値抵抗線」と呼ばれ高値を抑えているポイントの目安に引く線です。
実際に市場では価格がレジスタンスラインに近づくと一気に上昇している勢いにブレーキがかかる可能があり、レジスタンスラインを突破すると勢いを増して上昇する可能性が高くなります。
ピボットではレジスタンスラインを以下の手順で3本引きます。
- レジスタンスライン1[R1] = PP+(PP-L)
- レジスタンスライン2[R2] = PP+(H-L)
- レジスタンスライン3[R3] = R1+(H-L)
サポートラインを引く
レジスタンスラインを引いたらサポートラインを引きます。
サポートラインは日本語で「下値抵抗線」と呼ばれ安値を抑えているポイントの目安に引く線です。
レジスタンスライン同様に価格がサポートラインに近づくと下降している勢いが停止する可能性が高く、突破した際は勢いを増す可能性があります。
サポートラインは以下の手順で3本の線を引きます。
- サポートライン1[S1] = PP-(H-PP)
- サポートライン2[S2] = PP-(H-L)
- サポートライン3[S3] = S1-(H-L)
FXのピポットラインの活用方法
ピポットラインが引けたら取引で活用してみましょう。
先述したとおりピボットポイントは市場の動向を分析しエントリーするタイミングや価格が変動するタイミングを推測するために活用するツールです。
具体的な活用については以下の項目のとおりです。
- トレンドが終了する目安にする
- 深い調整に入る目安にする
- 順張り・逆張りの使うタイミングを探る
- 他のテクニカル手法と組み合わせる
一つずつ詳しく解説していきますので、確認しましょう。
トレンドが終了する目安にする
市場の価格がレジスタンスラインやサポートラインに近づくと価格が停滞する可能性が高いです。
FXでは実際にレジスタンスラインやサポートラインを目安に取引している方が多いため、価格が停滞または反発する可能性が高く、停滞した際にはレンジ相場になる傾向あります。
レジスタンスラインとサポートラインの間隔が狭いときはレンジ相場になった場合でも、価格の振り幅が大きくなることが多いので注意しましょう。
上記の特性を理解しておくと今後の取引の方向性が見えてくるでしょう。
深い調整に入る目安にする
トレンドが発生しているときはR1・S1の差し掛かるタイミングで深い調整に入りやすいです。
実際にR1・S1に差し掛かる手前で深い調整に入りフラッグパターンを形成して、ブレイクアウトしていることが多いです。
また、長期トレンドが発生している相場では、S2やR2のラインを大きく超える場合でも、最初にR2・S2に到達するタイミングでトライアングルやレンジの継続パターンが現れ、トレンドが一時的に停止することがあります。
順張り・逆張りの使うタイミングを探る
R3やS3を超える相場では、かなり上昇・下降する勢いが強いため、その後もトレンドの方向性は変わらず伸び続ける可能性が高いです。
そのため、R3やS3を超えた場合は順張りをする方が多くトレーダー心理が働いて、今後も上昇・下降することに期待できるでしょう。
逆張りをする場合は各種ラインに価格が反応して明確に反転したことが確認できてから逆張りしましょう。
先ほど紹介したとおり深い調整に入ったことを確認してから逆張りする方がリスクは少ないです。
他のテクニカル手法と組み合わせる
ピボットポイントも他の分析手法と同様にどの相場にも適用できるわけではありませんので、他の手法と組み合わせて使用しましょう。
例えば移動平均線はピボットポイントとりも長期のトレンドの方向性を見極めるのに適しているため、同時に活用することでピボットポイントの弱点である長期トレンドの分析も行えます。
また、ピボットポイントと同じくレジスタンスラインやサポートラインを形成するフィボナッチと組み合わせて活用することで、レジスタンスラインやサポートラインの信頼性をチェックでき、ふたつの方法で引いたレジスタンスラインやサポートラインが重なったときは信頼度が高いです。
フィボナッチを使ったFX取引とは?フィボナッチ比率の応用とフィボナッチリトレースメントの使い方
FXのピボットポイントを使う際の注意点
FXには万能の分析手法がないといわれているとおり、ピボットポイントも活用できない場合がありますので、注意しましょう。
実際の取引では、以下の2点について注意が必要です。
- 時間によっては有効に働かない
- 長期的なトレンドには向いてない
一つずつ詳しく解説していきますので、取引後に後悔にしないようしっかりと確認しましょう。
時間によっては有効に働かない
価格の変動が少ない午前中やニューヨーク市場の閑散とする週の後半では、ピボットポイントでブレイクアウトする可能性が低くなり、反対に週の前半では値動きが活発化するため、ブレイクアウトしやすいです。
また、週の前半でブレイクアウトに失敗した際は大きく反転しトレンドが発生するケースも多くみられますので、参考程度に覚えておくとよいでしょう。
上記のとおり時間帯によっては、これまで紹介したピボットポイントの特性が発揮されないことがあります。
FXの取引時間の基本知識|世界のマーケットの特徴と時間帯・曜日ごとの取引傾向
長期的なトレンドには向いてない
ピボットポイントは前日の終値・高値・安値を参考に算定している数字ですので、ラインは当日のみ有効です。
次の日には新たにラインを引く必要がありますので、毎日引き直しが必要です。
そのため長い期間の分析は向いていませんので長期トレンドを分析する際は、他の手法と組み合わせるとよいでしょう。
特に移動平均線との相性が良いため、同時に活用することをおすすめします。
市場の動向に合わせて使用する分析手法を使い分けるとベストです。
FXのピボットポイントは短期の分析に有効
ピボットポイントは価格が変動するタイミングを分析する手法です。
適正に活用できるとエントリーするタイミングや相場の動向を推測できるため有効に取引できます。
しかし、ピボットポイントも長期のトレンドや時間帯によっては従来の機能を発揮しない場合がありあますので、注意しましょう。
ピボットポイントは短期の市場分析に向いているため短期のトレンドでは積極的に活用し、長期では他の手法と組み合わせて、有利に取引を進めましょう。