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【2021年最新】ポンド円の今後の見通しはやばい?EU離脱からの上昇理由や下がる見通し・売り時と買い時を解説

ポンド円はボラティリティの高い通貨ペアとして有名で、国内では2番目に取引されています。

ポンド円は国内で別名「殺人通貨ペア」とも呼ばれており、リーマンショックで大失敗した人達がニュースで取り上げられていた時期もありました。

今回は、人気の高いポンド円の見通しを解説します。

コロナショック後、急上昇しているポンド円ですが2021年中盤に入ってから上昇の勢いが途絶えている状態です。

過去のチャート推移やイギリス経済状況などを分析して今後のレート変動を予想するので必見です。

ポンド円でトレードしているトレーダーや、これからポンド円で取引する予定の人は参考にしてください。

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ポンド円のリアルタイムチャート

ポンド円のリアルタイムチャートは下記の通りです。

ポンド円の過去のチャート推移

ポンド円のチャート推移

ポンドは主にイギリスで流通している通貨で、他にもスコットランドやアイルランドでも利用されています。

ポンドドルは為替市場全体でみると4番目の取引量のある通貨でポンド円は、主に日本で取引されています。

しかしポンド円自体は取引量が全体的に見るとそこまで多い訳ではありません。

よって取引量の多いドル円と比べてボラティリティが高く、大きな利益を期待できる一方リスクの高い取引になります。

これからポンド円の過去のチャート推移を紹介します。

過去の変動から今後の見通しを分析していくので、把握していきましょう。

2008年高金利・投資マネーの流入からリーマンショックでの暴落

2008年ポンド円チャート推移

ポンド円は高金利政策や投機マネーの流入によって一時期250円まで上昇していました。

当時の日本ではポンド円によって億以上稼いでいるトレーダーが有名になっており、ポンド円は国内投資界でお祭り騒ぎになっていました。

しかしリーマンショックによって為替市場が全体的に暴落した際に、ポンド円も暴落しています。

2008年7月ごろに210円だったポンド円は2009年1月には120円になっています。

イングランド銀行も経済刺激を与える為に政策金利を5.0%から0.5%に利下げしており、この利下げは2021年まで維持されています。

2009年~2010年緊縮財政と欧州債務問題による暴落

2010年ポンド円チャート推移

リーマンショックを受けたあと、徐々に回復し2009年半ばごろには150円台で推移しています。

しかし欧州各地で財政破綻が発生し、ポンド円もそれに巻き込まれる形で暴落しています。

欧州債務問題発覚後、2010年に就任したキャメロン首相は債務問題解決に向けて緊縮財政政策を取りました。

緊縮財政政策は、既に高い失業率・公務員の削減・年金の加給年齢引き上げなどを含み社会不安を増大させるものとなります。

結果ポンド円は再び強い下落トレンドになり、120円台まで下がる形になります。

2012年アベノミクスによる回復

2012年ポンド円チャート推移

2012年日本で政権交代が行われ、安倍内閣が発足すると日銀の金融緩和「アベノミクス」によってポンド円が右肩上がりなります。

同時にイギリスでも住宅市場の見直しや賃金の回復があった為、金利上げ期待もあり2015年半ばに190円台まで上昇しています。

結局イングランド銀行(BOE)による金利上げは実施されませんでしたが、120円台で低迷していたポンド円を大きく回復する流れを作りました。

2015年イギリスのEU離脱(BREXIT)による懸念で下落

2015年ポンド円チャート推移

アベノミクスで回復し、安定すると思われた矢先イギリスのEU離脱に対する懸念で再度下落が始まります。

190円台で推移していたポンド円も2016年5月には150円台まで下落しています。

EU離脱は通称ブレグジット(BREXIT)と呼ばれ、2020年1月31日にEU正式離脱するまでポンド円に大きな影響を与えます

2015年イギリスのEU離脱決定後の混乱で乱高下

2015年~2019年のポンド円チャート推移

EU離脱が決定してから、2016年7月にテリーザ・メイ政権が発足し、国民が決定したBREXITを進める方針で進み離脱協定の交渉を決定します。

2017年3月末にEU諸国に対して離脱を完全に宣言し、離脱協定の交渉期間2年間が始まります。

当初は2019年3月末までに終わると期待されていましたが、EUとイギリスの交渉は上手く進まず交渉期間を延期することになります。

更に、メイ首相がEU側とまとめた協定内容が英国会議で否決されてしまいいメイ首相は辞任を発表しています。

EU離脱に関する問題でポンド円は乱高下を繰り広げ、合意できない離脱の懸念と合意ありの離脱ができる期待値で相場は混乱していました

2019年~2020年ジョンソン首相による強引な離脱協定案合意で高騰

2019年~2020年のポンド円チャート推移
EU離脱の交渉期間が延長された後も交渉が進展しない状況が続き、ポンド円は再び120円まで下落します。

そして2019年7月にジョンソン首相が就任します。

ジョンソン首相は、強力にEU離脱の離脱協定の交渉を続け2019年に離脱協定案に合意がなされました。

ポンド円は、大きな問題の1つが解決した事が評価されて140円台まで回復します。

そして2019年の選挙では与党の保守党が単独過半数の議席を獲得します。

2020年1月末には、ついにイギリスはEUから離脱することになります

2020年コロナショックによる暴落

2020年ポンド円チャート推移

EU離脱を完全に解決したイギリスは、コロナが流行りはじめた当初「自分たちには関係ない」というスタンスでいました。

しかし2月下旬から世界的にコロナ感染拡大が始まり3月にイギリスはロックダウンを決意します。

コロナショックは為替市場でも発生し、一時期140円台で推移していたレートが一気に130円台まで下落します。

コロナ感染拡大により、EU離脱の次はコロナによるロックダウンでポンド円の乱高下が左右されるようになります。

しかしワクチンの開発によって接種が始まり、景気回復の期待が高まります。

結果ポンド円は回復し2021年6月頃には155円まで順調に上昇しています。

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【2021年】ポンド円の変動傾向を見る際にチェックすべきポイント

過去のチャート推移を分析していきましたが、直近ではコロナ問題によってポンド円は左右されていました。

現在もコロナ感染拡大は収まっておらず、ワクチン接種による効果や今後の経済回復の本格化が為替市場に影響してくると予想されています。

これからポンド円の変動傾向を見る際にチェックすべきポイントを紹介します。

コロナ新種「デルタ株」の対策

イギリスは7月3日時点で一時接種済み86%、二次接種済みが64%となっていますが、ワクチンの一時接種のみでは予防率が33%しかないとされています。

更にイギリスではコロナの新種「デルタ株」が多数発見されており、デルタ株による感染が増加傾向にあります。

今後新種のコロナ感染拡大を抑え込めなくなってくると、規制緩和の延期などが考えられます。

最悪の場合、ロックダウンを再開しなければならない状況になるので市場がポンド売りになってしまう可能性があります。

経済の再開タイミング

イギリスは、このまま感染を抑え込むことができれば規制緩和を実施し経済再開をスタートさせる見込みがあります。

一方で新種のコロナ感染拡大の懸念が高まっており、経済再開のタイミングがいつなのか不明瞭な状態です。

経済の再開タイミングがはっきりすると、ポンドは再び上昇していく期待が見込めますが、現状イギリスはコロナ感染が再び拡大しているので、慎重に判断する必要があります。

イングランド銀行のマイナス金利政策

世界各国は、コロナ感染拡大による経済ストップを受けて、一時的インフレを許容して金融緩和をうちだしています。

一方英国は政策金利を0.1%に設定しし参考入学を8,950億のままにしています。

6月の金融政策会合でも金利は据え置きの結論で終わりました。

イングランド銀行のインフレ目標が2%に対して、イギリスのインフレ率は+2.1%と上回っています。

よってイングランド銀行が利上げ・購入規模の縮小に踏み切る可能性が高いです。

金融引き締めによって金利が高くなると、ポンド円でのスワップも期待が高まり買い姿勢のトレーダーが増加する予想です。

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【2021年】ポンド円の今後の見通し

2021年ポンド円の見通し

ポンド円は、2021年での最高値155.490を付けた後一時下落しサポートラインの152.134台で推移しています。

これからテクニカル分析観点から今後の見通しを紹介します。

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直近の高値155.490円より高くなる可能性は低い

ポンド円は155.490円に到達した後、直近の安値を割って下落方向に推移しています。

上髭を付けているローソク足が並んでいるところから、今後短期間で155.490円を越える可能性は低いと予想できます。

更にヒゲを付けずにローソク足の実体で下落していることから今後も下落方向に推移していく可能性が高いです。

日足のサポートライン152円を下回ると下落する可能性

直近の値動きを見ると152円がサポートラインになっている状態です。

152円を大きく下回る状況がでてくると、一時的に急落の可能性があります。

しかし2021年のポンド円は下値が固く、上下に挟まれて動かない状態もあったのでレンジ相場になる可能性もあります。

【2021年】各金融企業のポンド円の見通し

各金融企業のポンド円の見通しを紹介します。

コロナ感染拡大の懸念とEU離脱問題によって値動きが左右される意見は大体同じでした。

想定レンジを予想している企業もあるので、参考にしてください。

インヴァスト証券は想定レンジを130~150円と予想

インヴァスト証券は、ポンド円の想定レンジを130~150円にしています。

基本的にお締め該戦略ですが、5月~6月にかけてスコットランド独立ムードによる影響や夏場のもみ合い展開に注意する必要があると記述しています。

早期は135円方向への下落を買って、ストップを133円割れなどとするか、130円まで買い下がるなら、129.00割れなどがストップとなります。ターゲットは、142.72や147.97が抑えると利食いです。あくまでこういった位置を超えて、サイコロジカルな150円前後が、良い利食い場となりそうです。また、156.62の戻り高値を前に、ここからは売り戦略も検討されます。ただ、その場合は、147.97-142.72ゾーンのそれ以前の高値が下支えするなら相場は強く利食い。割れてもこういった上昇後であれば、135-140円ゾーンは、底堅いかもしれまません。

(引用:インヴァスト証券)

また8月中旬にアノマリー的な観点から円高傾向になるケースが示唆されており、油断は危険と懸念しています。

みんなのFXはEU離脱問題・コロナ問題によって下落予想

トレーダーズ証券が運営するみんなのFXは、コロナウィルス第二波やEUの合意なき離脱といったリスクが再度高まれば中銀の追加緩和実施の期待が高ままると記述しています。

更にベイリー英中銀総裁はマイナス金利導入に含みをもたせていることがポンドの上値を抑える要因になっているとコメントしています。

「コロナウイルス第二波」や「合意なき離脱」といったリスクが強まれば、中銀の追加緩和実施の期待感が高まりそうで、ポンド円は下値を広げる展開が予想されます。年末にかけてポンド円を積極的には買いづらい地合いが続きそうで、上述の2つの材料の期待感が先行してポンド円は動く可能性が高そうです。

(引用:みんなのFX)

総合的に意見をまとめるとポンド円は下落傾向になる予想がされており、一度上がり切るまで上がったあとに勝負することをおすすめしています。

三菱UFJ銀行は目先上値の重い展開と予想

三菱UFJは目先の上値の重い展開と予想しています。

7 月のポンド相場は底堅さを維持も、上値の重い展開を予想している。景気回復期待は引き続き英国経済及びポンド相場の支援材料ながら、一段の上昇を後押しする新たな材料はポンド側には見当たらず、上値余地は乏しそうだ。

(引用元:三菱UFJ銀行)

ポンド円上昇の判断材料と下落材料が見当たらず、底堅い動きをしながら上値が重たくなる状態になる可能性が高いと示唆しています。

ポンド円に影響を与える経済指標一覧

今後ポンド円を取引していく上で、チェックしておくべき経済指標を紹介します。

ポンド円に影響を与える経済指標一覧
名称日次
イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表次回 2021年8月5日 20:00発表予定
失業保険申請件数次回2021年8月17日発表予定
失業率次回2021年8月17日発表予定
月次国内総生産(GDP)
ベイリー英中銀(BOE)総裁、発言

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ポンド円はEU離脱問題と経済回復によって方向性が決まる

ポンド円は今後、デルタ株のコロナを抑えられるかによって、ポンド円の方向性が決まって行きそうです

上昇する判断材料が少なく、底堅い動きで推移している為、大きな政策や感染拡大の抑制が出来ない限り大きく動かない可能性があります。

 

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