FXの自動売買は、各FX会社が提供する仕組みを利用することで、自動的に取引を進めることができる方法です。
最初から一定以上のレベルで取引をすることができる。一日中チャートにかじりつく必要がない点が大きなメリットです。
ただし自動売買にはリスクもあり、初心者がいきなり実施するのは難しい部分があります。
リスクを避けるには、投資金を少額に設定するのが一番です。
今回は、FX自動売買を少額から始めるにはどうすれば良いのか、大体いくらから始めるのがベストなのかを解説していきます。
FX自動売買システム(システムトレード)の仕組みとメリット・デメリットを徹底解説
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このページのもくじ
FX自動売買は5万円から始めるのがおすすめ!1000通貨単位でも資金1万円以下はNG
自動売買という言葉とは裏腹に、何もかもシステムに任せられる訳ではありません。
裁量トレードにはないリスクも多く、いきなり高額資金で取引をするのはNGです。
初心者は必ず少額で自動売買を始めるようにしましょう。
資金1万円以下で自動売買をしても意味がない?
自動売買は最低4000円から始められるという情報をよく見ます。
4000円というのは、最低1000通貨単位のドル円取引でレバレッジなしの状態を想定したものです。
確かに少額から始められて安心ですが、これでは大した利益が出ないのでおすすめしません。
今後レバレッジをかける前段階として、練習をするつもりかもしれませんが、レバレッジを全くかけないと「失敗するかも知れない」という緊張感を全く感じず、土壇場の経験を積むことができません。
1万円以下の取引ならデモトレードと同じ
緊張感のない取引にお金をかけても意味がありません。
かといって少額資金に高レバレッジをかけるのも、初心者にはリスクが多すぎます。
1万円以下で取引を始めるなら、無料のデモトレードを利用して勉強するのと同じです。
ただ、デモトレードから10000万通貨以上の本格的なFX取引へ移行する前に少額トレードを挟みたいという方もいるでしょう。
こうした方は、3か月スパンで小刻みに資金を上げていくのがおすすめです。
高額資金でFX自動売買を始めるリスク・注意点
初心者が高額資金でFXの自動売買をはじめるのは、あまりおすすめできません。
自動売買のリスクは、以下の2点が代表的です。
- 予想外の金利変動イベントに弱い
- 将来的に必ず通用しなくなる
自動売買は過去のチャート変動を元にシステムを組んでいるので、以下のような予想外のイベントに対応できません。
- 紛争
- 経済摩擦
- ばら撒き政策
- 疫病
- 地震・災害
上記のような事態が起こった場合、裁量トレードよりも損失が高まることが多いです。
また、チャートの傾向は数年で必ず変わるので、売上が出たシステムは将来的に必ず利益が出なくなります。
自動売買をしてもトレーダーとして成長しない?
初心者にとってもう一つの懸念が、はじめから自動売買をすることでチャートを見分けるスキルや、土壇場でも冷静に取引できる強いメンタルが養われないという点です。
FXはチャートを分析するスキルに加えて、国際情勢への知見があり、事前にリスクを回避する必要もあります。
また、チャートが大きく変動した時に冷静でいられる強いメンタルもFXを成功させるには不可欠です。
最初から自動売買を使うと、システム任せになりトレーダーとしての成長が遅れてしまいます。
初心者はどの自動売買ツールが良いか判断できない
自動売買ツールは自動で取引をしてくれますが、タイプによってどんな戦略を用いるかが違ってきます。
自動売買は、大きく分けて以下の5種類に分かれます。
- リピート注文型:値幅を設定するだけで取引が可能
- ストラテジー選択型:複数のストラテジーを選択できる
- ストラテジー選択型(オリジナル):FX会社独自のストラテジーを選択できる
- ストラテジー設定型:トレーダー自身がプログラムを設定・運用
- ストラテジー開発型:トレーダーが1からシステムを開発
複数のシステムから選んで売買をするものもあり、初めてだとどれを選べば良いか迷ってしまいます。
利用の際は、それぞれのツールの特徴も知っておかなければいけません。
ただしツールの特徴を知るには、本を読むだけではダメです。実際にそれぞれのツールを使ってみた上で経験から自分にあった方法を見つけるのが理想的です。
失敗しながらスキルを上げていくには、コストを少額にして何度も失敗できる状況にする必要があります。
FX自動売買で注目すべきは少額資金ではなく少額コスト
初心者とはいえ、自動売買の資金を超少額ではじめても本番さながらの緊張感を得ることはありません。
しかし資金を高額にするとその分リスクも高まってしまいますよね。
FX自動売買で初心者が優先すべきは、資金を低く抑えることではなく、手数料などのコストやロスカットのリスクを減らすことです。
これによって、失敗の余裕が出来る上、成功のあかつきにはしっかり利益を出すことができます。
ここからは、具体的にコストを抑えるにはどうすれば良いのか解説していきます。
初心者はスプレッドの狭さを優先して選ぶ
FX取引をするたびにスプレッド(通貨ペアの政策金利差)に応じたコストが発生します。
自動売買は裁量トレードよりも取引回数が多いため、わずかなスプレッドの差でもトータルのコスト差は大きなものになります。
最初のうちは、スプレッドの狭い会社を優先的に選ぶようにしましょう。
証拠金維持率1,000%で取引を始める
手数料よりも大きなリスクが強制ロスカットです。
強制ロスカットの対象になれば損失が確定し、FXが続けられなくなります。レバレッジをかけている場合は大損する可能性もあります。
ロスカットは、証拠金(資金)に対する損失額が一定以上の割合を上回った時に実行されます。つまり、資金を少額に設定するほどロスカットのリスクは増えてしまうのです。
ロスカットを避けるには、初心者でも一定額以上の証拠金(資金)を出す必要があります。
初心者におすすめの1000通貨から取引できるFX会社のドル円取引なら、約4万円の資金で証拠金維持率1,000%をキープできます。
【証拠金維持率】
時価評価総額÷必要証拠金×100で計算する割合。
個人の場合、証拠金維持率が50%を割り込んだ時にロスカット執行
FX自動売買を始める際は失敗できる環境作りが必要
FX自動売買はチャートの変動に合わせて損益が決まります。
簡単に言えば失敗することもあれば成功することもあるのがFXです。絶対に失敗したくないからと資金を超少額に抑えていたら、いつまでも成長できません。
また、超少額で自動売買を始めるとロスカットの確率が高まるので、逆にリスクが増加します。
事前に1回あたりの取引コストを抑える、証拠金維持率を高めるといった、失敗しても大損しない環境作りが重要です。