ラッセル2000は米国市場を代表する指標の一つで、米国の小型株に投資する時に利用します。
近年ラッセル2000と連動を目指すETFが投資家達から注目を浴びている為、ラッセル2000の動向が気になるという人も多いです。
今回はラッセル2000の今後の見通しについて解説していきます。
過去のチャート推移から今後の変動を分析していくので、米国小型株の運用を検討している人は参考にしてください。
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ラッセル2000とは
ラッセル2000は、ニューヨーク証券取引所やNASDAQなどに上場している銘柄のうち、時価総額が上位1001~3000位までの銘柄を対象にしている指数です。
ラッセル2000指数は、対象銘柄の浮動株調整後の時価総額加重平均型になっており、米国の小型株ファンドの殆どがベンチマークしている指数です。
1986年12月31日を基準値にして算出しており、年1回ペースで銘柄を入れ替えています。
また時価総額上位3000銘柄を対象にした指数がラッセル3000はラッセル2000を根拠に作成された指数です。
ラッセル2000のチャート推移
ラッセル2000のチャート推移は下記の通りです。
年月 | ラッセル2000指数 |
---|---|
2019/01 | 1493.54 |
2019/02 | 1579.15 |
2019/03 | 1540.78 |
2019/04 | 1593.92 |
2019/05 | 1464.02 |
2019/06 | 1567.35 |
2019/07 | 1570.3 |
2019/08 | 1493.54 |
2019/09 | 1526.02 |
2019/10 | 1561.44 |
2019/11 | 1626.39 |
2019/12 | 1670.67 |
2020/01 | 1611.63 |
2020/02 | 1475.83 |
2020/03 | 1154.05 |
2020/04 | 1310.51 |
2020/05 | 1393.17 |
2020/06 | 1443.36 |
2020/07 | 1481.73 |
2020/08 | 1564.39 |
2020/09 | 1506.47 |
2020/10 | 1538.62 |
2020/11 | 1823.39 |
2020/12 | 1979.55 |
2021/01 | 2071.41 |
2021/02 | 2204.61 |
2021/03 | 2227.58 |
2021/04 | 2273.51 |
2021/05 | 2269.08 |
2021/06 | 2312.73 |
2021/07 | 2225.43 |
2021/08 | 2177.17 |
月別推移のグラフは下記の通りです。
グラフでみると顕著にわかりますが、2020年3月コロナショックでラッセル2000指数は暴落しています。
その後緩やかに上昇していきましたが、2021年になって強気な上昇に変わっています。
コロナショックによって大暴落
2020年は新型コロナウィルス感染拡大により経済活動がストップしてしまった為、ラッセル2000は大暴落しています。
ラッセル2000以外の米国を代表する指数も大暴落しているので、ラッセル2000が対象としている中小企業以外にも大きく影響していました。
米国を代表する企業が対象に入っているS&P500もラッセル2000同様大きく下落している為、株式市場全体が混乱していたことが分かります。
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米国景気回復によって小型成長株が再び強くなる
ラッセル2000は米国の景気回復に連動する形で再び上昇しています。
2021年8月現在はやや軟調な動きを見せているものの、今後も大きく上昇する可能性があります。
米国の個人消費支出とラッセル2000指数を比較すると、個人支出が大幅に下がった2020年にラッセル2000も大きく下がっていることが分かります。
逆に個人消費支出が徐々に回復している2021年はラッセル2000も比例して上昇傾向にあります。
【2021年】ラッセル2000の今後の見通し
ラッセル2000の今後の見通しを解説します。
ラッセル2000は米国小型株を代表している指数なので、米国小型株に投資している人は必ずチェックしておくべき指数です。
今後米国の景気も回復する見通しになっていますが、ラッセル2000も比例して上昇していくのか詳しく解説するので、参考にしてください。
S&P500を上回った動きをするものの直近は軟調気味
米国上位銘柄500を対象としているS&P500は新型コロナウィルス感染拡大によって下落していましたが、下落を早期解消して堅調に上昇しています。
ラッセル2000はS&P500を上回る上昇を達成しています。
コロナ感染拡大による下落の後の回復は、S&P500を上回り高騰率がS&P500の約1.9倍になっています。
全体的にラッセル2000は強気の姿勢で上昇していますが、2021年初旬あたりから株式市場の流れが変動したことにより軟調気味になっています。
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米国景気が好調になるとラッセル2000も強気な上昇をみせる
ラッセル2000の対象になっている米国小型株は、米国経済が好調になると強くなる特徴を持っています。
米国の景況感を示すISM製造業景況感指数と比較するとラッセル2000と方向性がほぼ同じということがわかります。
年月 | ラッセル2000(×0.001) | ISM製造業景況感指数 |
---|---|---|
2019/01 | 14.93 | 56.6 |
2019/02 | 15.79 | 54.2 |
2019/03 | 15.4 | 55.3 |
2019/04 | 15.93 | 52.8 |
2019/05 | 14.64 | 52.1 |
2019/06 | 15.67 | 51.7 |
2019/07 | 15.7 | 51.2 |
2019/08 | 14.93 | 49.1 |
2019/09 | 15.26 | 47.8 |
2019/10 | 15.61 | 48.3 |
2019/11 | 16.26 | 48.1 |
2019/12 | 16.7 | 47.2 |
2020/01 | 16.11 | 50.9 |
2020/02 | 14.75 | 50.1 |
2020/03 | 11.54 | 49.1 |
2020/04 | 13.1 | 41.5 |
2020/05 | 13.93 | 43.1 |
2020/06 | 14.43 | 52.6 |
2020/07 | 14.81 | 54.2 |
2020/08 | 15.64 | 56.00 |
2020/09 | 15.06 | 55.4 |
2020/10 | 15.38 | 59.3 |
2020/11 | 18.23 | 57.5 |
2020/12 | 19.79 | 60.7 |
2021/01 | 20.71 | 58.7 |
2021/02 | 22.04 | 60.8 |
2021/03 | 22.27 | 64.7 |
2021/04 | 22.73 | 60.7 |
2021/05 | 22.69 | 61.2 |
2021/06 | 23.12 | 60.6 |
ラッセン2000の対象になっている米国小型株は、米国内の事業比率が高い為、米国景気動向の影響を比較的受けやすいです。
景気見通しが楽観的になっている時に評価されやすいので、ISM製造業景況感指数を見て米国の景気状況をチェックして分析することをおすすめします。
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ラッセル2000は利上げ局面に強い
株式市場は一般的に利上げした後の局面で序盤は、利上げされるほど景気が良くなると解釈しますが、終盤で景気悪化の懸念で下がる可能性があります。
ラッセル2000は米国の景気と連動している特徴がある為、利上げで景気がよくなると解釈されている状況のほうが強気の姿勢になります。
過去の相場を見ても、利上げした直後から中盤まではラッセル2000は上昇傾向にあります。
2021年6月のFOMC後、米国市場は利上げが前倒しされるのではないか警戒している投資家が多いです。
利上げした直後は金融政策の方向転換ということも有り市場が不安定になりますが、中長期的にみると景気の良さが評価されてラッセル2000も上昇しやすくなります。
ラッセル2000は投資できる?
ラッセル2000は銘柄ではないので、ラッセル2000自体に投資することはできません。
ラッセル2000指数と連動を目指すETFに投資することによって運用できます。
またラッセル2000の対象になっている個別銘柄を投資する戦略もあるので、ご自身の投資方針に合った方法で運用しましょう。
ラッセル2000の上昇は米国の景気次第
ラッセル2000はS&P500と違い米国内を基盤にしている企業が多く、米国の景気によって左右される特徴があります。
よって米国の景気が好調になればラッセル2000も上昇していく見通しです。
直近での動きは軟調に推移していますが、これは経済活動再開の期待が高まった結果でもあります。
ワクチン接種が発展して、小型成長株より経済活動再開の恩恵を直接受けられる銘柄に資金流入したと分析できます。
現在米国のワクチンの摂取比率は5割を超えており、経済活動再開の期待も株式市場では既に考えられた動きになっています。
今後は景気拡大が継続的に行われることによって小型成長株が再注目される可能性があるので、長期的にみると上昇していくでしょう。