外貨預金は、大手銀行などがおすすめしている資産運用で「手軽に始められる資産運用」と宣伝しています。
資産運用初心者にとって「手軽さ」は重要であり、始めている人もいますが、外貨預金はデメリットも存在します。
今回は外貨預金をおすすめできない理由を詳しく解説していきます。
外貨預金は手軽に始められる代わりに、様々なリスクがある為知らないまま運用していると大失敗してしまいます。
これから外貨預金をはじめようか迷っている人は、参考にしてください。
【2021年】外貨預金におすすめの銀行を紹介!預金におすすめの通貨やメリット・デメリットも解説
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このページのもくじ
外貨預金をおすすめしない理由5選
外貨預金は銀行がおすすめする資産運用の一つで、幅広い層の人たちが始めている金融商品です。
しかし外貨預金にはおすすめできない理由がいくつか存在し、しっかり把握していないと資産を失ってしまう可能性があります。
これから外貨預金をおすすめできない理由を5選紹介するので、資産運用初心者は確認しておきましょう。
手数料が高い
外貨預金は、預けた外貨を引き出す時に円に換えます。
為替手数料は銀行によって様々ですが、大手銀行の場合110万円の引き出しに対して約4000円発生します。
勿論円から外貨に換えるタイミングでも為替手数料は発生するので約8,000円必要になります。
FXなどの場合は基本取引手数料が無料で、円から外貨に換える必要も無くスプレッドがコストになります。
スプレッドも0.2銭~1銭に設定されているので、銀行と比べてコストを抑えられます。
上記の様に銀行の為替手数料は非常に高く設定されているので、利益が出たとしても高いコストを支払う必要があります。
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元本割れのリスクがある
銀行側は外貨預金を安心できる資産運用と宣伝している所が多いです。
しかし外貨預金も資産を失うリスクを持っています。
FXのようにレバレッジがかからない状態なので、資産をゼロになることはありませんが、預けている外貨が新興国通貨であれば強力な円高によって数十円以上価値が下がってしまう可能性があります。
例えば、1南アフリカランド100円の状態で100万円分投資したとします。
10,000通貨分持っている状態で、為替市場が強力な円高になり1南アフリカランド80円になったとします。
上記の場合、10,000通貨分もっていた南アフリカランドの価値は80万円となり20万円の損失になります。
初心者はお金の価値が変動する感覚が分からず、損しない気分になりやすく、知らない所で損失している可能性があります。
外貨預金にも充分元本割れのリスクはあるので注意しましょう。
高金利の外貨預金はインフレに弱い
外貨預金の1つのメリットとして、円預金より高い金利を受けられる所がありますが、高金利の新興国通貨はインフレになりやすく円高になってしまうケースが多いです。
インフレによって物価が上昇していまうとお金を大量に流出する必要が出てくる為、お金の価値が下がってしまいます。
また新興国はテロ・紛争といった地政学的リスクも抱えているので、高金利より多くのデメリットをかかえています。
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補償制度が無い
外貨預金は信託保全などの制度がありません。
銀行が破綻した場合、円預金だと1,000万円まで国が補償してくれる制度があります。
しかし外貨預金は補償の範囲外になる為、銀行が破綻しても補償されません。
「銀行が破綻するなんてありえない」と考えている人もいますが、20年前に大手銀行や証券会社が破綻している実例があります。
また近年、日本の低金利によって銀行の業績は悪化してきています。
今後大手銀行の「みずほ銀行」「東京三菱UFJ銀行」なども破綻する可能性はゼロではありません。
上記のことから外貨預金は安全な資産とは言い難い金融商品です。
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20万円以上の利益がでた場合確定申告が必要
外貨預金での利益は雑所得扱いになり、20万円以上利益が発生した場合は確定申告が必要になります。
株式投資などで利用できる特定口座の場合、源泉徴収されていれば確定申告の必要がないので、初心者でも手間取ることがありません。
またまとまった資金で株式に投資する場合は、配当利回りだけで資金を増やすことが可能で、外貨預金より手間がかかりません。
外貨預金を始める時は手軽に始められますが、利益が実際にでてくると面倒な手続きが必要になるので注意しましょう。
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外貨預金のメリット
外貨預金をおすすめしない理由を紹介しましたが、メリットも当然存在します。
しかしデメリットと見比べた時に、メリットの良さが半減してしまう為、おすすめできない結果になっています。
これから外貨預金のメリットを紹介するので、どのような得があるのか把握していきましょう。
手軽に始められる
外貨預金は円預金を外貨に換えるだけで始めることができるので、初心者でも手軽に始められます。
株式投資の場合、証券口座の開設が必要で購入する銘柄も厳選する必要があります。
しかし外貨預金は、銀行側がおすすめする外貨を選んで円と交換するだけで始められるので手間がかかりません。
利益が発生した後の確定申告は面倒ですが、外貨預金を始める工程は簡単です。
円貯金より金利が高い
円で貯金していると金利が0.01%と低く、数百万円貯金していても1万円程度しか貯まりません。
しかし金利の高い外貨で預金した場合、4~5%金利が貰える為100万円貯金で40万円程の利益が発生します。
円預金より金利を得られるので、資産を口座に入れておくだけという人は外貨預金のほうが利益を得られる可能性があります。
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円安になった時儲かる
世界的に経済状況が上向きになった場合、円安傾向になり外貨の価値が上がります。
金利だけでなく、為替の価格変動による利益を得ることができます。
例えば1米ドル100円で100万円分投資したとします。
1ドル120円に上昇した場合、20万円の利益を得ることができます。
更に金利で得る利益もある為、ある程度資金を利用できる人は数十万円程儲けられます。
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外貨預金のデメリット
外貨預金はメリットもありますが、当然デメリットもあります。
外貨預金のデメリットは、メリットと相対的に考えるとメリットが殆ど無くなってしまい、外貨預金で得られる利益が薄いということがわかります。
これから紹介するデメリットを理解して、外貨預金を始めるか慎重に判断してください。
リターンが少ない
外貨預金はリスクを抑えられると言われていますが、ある程度まとまった資金で始めないとリターンが少ないです。
為替は1円変動するだけでも6ヶ月以上かかるケースが存在し、10~20円も変動する通貨は稀です。
よって10万円程度の資金を入れても、為替変動で得られる利益は少量で金利も同じく利益が少ないです。
100万円以上口座に入れるという人は、まだ利益を得る可能性がありますが10万円単位だと厳しいのが現状です。
安心出来る資産運用では無い
銀行がおすすめする金融商品だからリスクが低いと勘違いしている人が多いです。
外貨預金はレバレッジの無いFXと同じような仕組みです。
外貨預金に入れている資産の価値がゼロになることはほぼありませんが、資産を失うリスクは存在します。
また、リスクの高い通貨と交換すると強力な円高が発生した時に大損失する可能性があります。
金利が高いといっても為替の価値そのものが低下すると結果的に損失してしまうので注意しましょう。
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投資知識が無いと確実に損する
投資知識が無くても、外貨に交換するだけで増えると説明している所もありますが、外貨預金は投資知識が必要です。
交換する外貨を発行している国の情勢や、市場全体の流れを知らずに交換すると、為替変動で損失したり金融緩和によって予想していた金利を得られないケースが出てきます。
特に2021年は、コロナショックによって市場の動きが読めない状況になってきている為、ある程度投資知識を持って始めなければ資産を失ってしまいます。
手軽に資産運用を始めたい人は投資信託やETFがおすすめ
ローリスク・ローリターンで手軽に資産運用をはじめたいという人は、株価指数と連動を目指す投資信託・ETFがおすすめです。
投資信託やETFも元本割れのリスクを持っていますが、投資のプロが自分の代わりに資金を運用してくれるので、安心して預けることができます。
また投資信託・ETFの商品を購入することによって様々な株を保有することになるので、分散投資でリスクヘッジすることも可能です。
特定口座で運用をはじめると、確定申告も必要ないので手軽に資産運用をはじめたい初心者におすすめです。
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外貨預金は初心者でもおすすめできない資産運用
外貨預金は手軽に始められる点が大きなメリットです。
しかし、手数料の高さや元本割れのリスクを考慮するとおすすめできない資産運用です。
資産運用でお金を着実に増やしたいという人は、投資の知識も必要になるので、まずは手軽さを見る前に投資の基礎知識を身に着けましょう。
また様々な金融商品と掛け合わせて運用することによって、市場が大きく変動しても損失を抑えることが可能です。
外貨預金をどうしてもはじめたいという人は、為替商品以外の金融商品への投資も検討してみてください。