ダウ理論はFXだけでなく、投資全般のテクニカル分析に使える理論です。
世界中のトレーダーがテクニカル分析の基本として把握しているので、FXをはじめる人は必ず知っておくべき理論です。
ダウ理論に基づいてチャートを分析すると、トレンド継続・転換を捉えることができます。
今回は、「ダウ理論でテクニカル分析をしたい」、「ダウ理論でトレンドを理解できる?」と思っている人にダウ理論を使ってトレンドを読み取る方法を詳しく解説します。
これからFXをはじめようと考えている人も、知っておくべき情報なので参考にしてください。
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このページのもくじ
ダウ理論とは6つの法則で成り立っている
ダウ理論は大きく分けて6つの法則で成り立っています。
FX専用の理論ではないのでFX取引に少々関連していない法則もありますが、すべて把握しておくことで投資の視野が広がります。
- 価格変動はすべての事象を織り込む
- トレンドは短期・中期・長期の3つに分類できる
- 主要なトレンドは3つの段階から形成される
- 価格は相互に確認される必要がある
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確な転換シグナルがでるまで継続する
ダウ理論に基づいて取引すると、トレンドが継続するか転換するか分析することが可能です。
ダウ理論を知らない場合、トレンドの発生や転換をうまく理解できないので感覚的に取引してしまいます。
根拠をもって取引すると取引の質が向上します。
これから6つの法則を一つずつ解説します。
【法則1】価格変動はすべての事象を織り込む
為替市場での値動きは、重要経済指標や災害、戦争・テロといった事象をすべて織り込んでいるということです。
当たり前のことですが、チャート上で変動している価格がすべてという意味です。
テクニカル分析で価格変動を予想しても、世界規模の変動が起きると予想は外れてしまいます。
ファンダメンタル分析もしっかりおこなう必要があります。
【法則2】トレンドは短期・中期・長期の3つに分類できる
ダウ理論はトレンドを3種類にわけています。
- 主要トレンド
- 二次トレンド
- 小トレンド
主要トレンドは長期的に発生し1年から数年継続するトレンドです。
二次トレンドは数か月間継続するトレンドのことを言います。
小トレンドは名前の通り短期間で発生しているトレンドで1ヶ月以内に終了します。
マルチタイムフレーム分析はこのダウ理論の法則に類似しています。
【法則3】主要なトレンドは3つの段階から形成される
ダウ理論はトレンド発生から終了まで3段階にわけています。
- 先行期
- 追随期
- 利食い期
先行期はトレンドが発生する段階で、積極的な投資家が売買を開始します。
先行期の段階ではトレンドの発生がチャート上に現れていないので、エントリーする人はごくわずかです。
追随期は強いトレンドが発生し上昇・降下していきます。
追随期はトレンド発生を読み取ったトレーダー達が参入するので値動きも活発化していきます。
多くのトレーダーは追随期にエントリーし利益を狙います。
利食い期はトレンドが終了する前の段階で、先行期にエントリーしていたトレーダー達が利確していきます。
その後、追随期にエントリーしていたトレーダー達も連なって利確していくとトレンド転換が発生します。
【法則4】価格は相互に確認される必要がある
複数の平均的な指標を見て、相互に同じトレンドを捉えられなければ正確なトレンドを把握することができないという意味です。
この法則はFXというよりも株式に当てはまる考え方になっています。
FXに置き換えると通貨ペアの相関関係を考え、相関している通貨ペアでもトレンドが発生した場合、正確なトレンドと認識するということになります。
FXには通貨ペアの相関関係で利益を狙う手法もあります。
通貨ペアの相関関係とは?各通貨ペアの相関性・逆相関性と相関係数を用いた為替レートの予想方法
【法則5】トレンドは出来高でも確認されなければならない
FXではトレンドを出来高で確認することは難しく、この法則も上記の法則と同じで株式市場に当てはまります。
FX会社によってはトレーダーの売買状況を公表しているところもありますが、世界中のトレーダーの売買状況を把握することは不可能です。
有名なトレーダーのコメントやSNSで発信されている売買状況を参考程度に出来高を把握しましょう。
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【法則6】トレンドは明確な転換シグナルがでるまで継続する
明確なトレンドが発生すると、高値・安値を更新していく限り継続するということです。
この法則はFX取引に最も重要なポイントで、トレンド継続とトレンド転換を読み取る一つの指標になります。
トレンドをフォローするかしないか根拠をもって取引できるので、覚えておきましょう。
ダウ理論でトレンド転換を捉える方法
ダウ理論を把握すると、トレンド転換を捉えることが可能です。
ダウ理論のトレンド定義では、トレンドが続く限りトレンド転換はしないと言われています。
当たり前のことですが、トレンドが発生し続けているとトレンド転換は訪れません。
ダウ理論の法則だけでは、どのようにトレンド転換を捉えるのかわからないので、ダウ理論のトレンド定義を詳しく理解していきましょう。
ダウ理論でのトレンド定義を理解する
ダウ理論のトレンド定義は以下の通りです。
- 高値と安値が上がっている状態は上昇トレンド
- 高値と安値が下がり続けている状態は下降トレンド
つまり、トレンド発生時は高値・安値を更新し続けている状態になります。
為替の値動きはトレンドが発生しても上がり続ける・下がり続ける訳ではありません。
上下運動しながら上昇・下落していくので、トレンド発生時は高値・安値だけでなく両方見ていく必要があります。
高値・安値の更新が続かない状態はトレンド転換のサイン
高値・安値の更新が続かない状態はトレンド転換のサインとなります。
上昇トレンドの場合ローソク足が高値の更新をやめて、安値が更新された段階でトレンドの転換になります。
降下トレンドの場合も上昇トレンドと同じパターンで、安値更新がストップし、高値が更新された段階でトレンド転換になります。
高値のみ更新されていない状態だからトレンド転換という訳ではなく、ボトムラインも見ていく必要があります。
ダウ理論をもとにチャート形状からトレンド転換を理解する
チャートの形状によってトレンド転換を読み取ることができます。
100%トレンド転換が行われる形状というわけではないので、トレンド転換する可能性が高い程度に捉えておきましょう。
通貨ペアによってトレンド転換するチャート形状パターンが異なることもあります。
ダブルトップ
ダブルトップは上昇トレンド中に高値の更新がストップし、前回更新した高値まで1度回復して下落する形状のことを言います。
前回切り替えした安値ラインを抜けると下降トレンドの始まりと言われており、前回切り替えした安値ラインのことをネックラインと言います。
ダブルトップの見分け方として重要なポイントは、前回更新した高値と同じ位置までしか回復していないところとネックラインを抜けているかの2つです。
ネックラインを抜けても予想外の状況で再び上昇することもあるので、マルチタイムフレーム分析しながら見極めていきましょう。
ヘッドアンドショルダー
ヘッドアンドショルダーは上昇トレンド中、高値は更新されていないが安値も更新されていない状態のことを言います。
何回か同じレート帯を行き来した後にネックラインを抜けて行く傾向があるので、トレンド転換をサインするチャート形状となっています。
ヘッドアンドショルダーはネックラインを抜けることがポイントで、安値を更新していかない場合はトレンドの一時休止している可能性もあります。
トレンド転換を理解するには押し安値・戻り高値の更新が重要
トレンド転換を理解するには押し安値・戻り高値を理解することが重要です。
- 押し安値:上昇トレンド中に高値を更新していく起点になった安値
- 戻り高値:下降トレンド中に安値を更新していく起点になった高値
為替の値動きは上昇・降下といっても上下に動きながら進んで行くので、押し安値・戻り高値を把握することが重要です。
上昇トレンド中は高値を更新していくと共に押し安値も更新されていきます。
値動きが単純に上昇しているだけでトレンドを安易に捉えると間違ったポジションを保有してしまうので注意しましょう。
押し高値・戻り安値の更新でトレンドが形成されている
押し高値・戻り安値の更新でトレンドは形成されています。
上昇トレンドの場合高値と戻り安値が更新されていき、下降トレンドの場合安値と押し高値が更新されて行きます。
高値と安値が更新されない場合はレンジ相場といって、トレンド形成されていない状態です。
押し安値・戻り高値の更新が続く限りトレンドは継続する
押し安値・戻り高値の更新が続く限りトレンドは継続します。
ダウ理論の法則にもありますが、トレンドが転換する時は高値・安値の更新が終わりネックラインを抜けた時に発生します。
トレード手法によって見極めるネックラインは異なります。
押し安値・戻り高値を分析するときは自分のトレード手法にあった時間足チャートで分析しましょう。
ダウ理論をローソク足レベルに当てはめてトレンド転換を分析する方法
ダウ理論のトレンド定義をローソク足レベルに当てはめることも可能です。
ローソク足は実体とヒゲで形成されていて、ローソク足の形状からトレンドを読み取ることも可能です。
特にスキャルピングをしている人は、ローソク足の形状を分析してトレードしています。
直近の動きを読むことができるので、スキャルピングトレーダーは参考にしてください。
実体で高値・安値を更新しているか把握する
ローソク足でトレンドを読むにはローソク足の実体をみる必要があります。
ローソク足が高値を更新し、次のローソク足が更新した高値の位置から下ヒゲを延ばさず実体が形成された場合強いトレンドの示唆になります。
実体でなくヒゲで高値を更新し続けてもトレンド発生となります。
ローソク足のヒゲで高値を更新している場合は、売りの圧力も多少あるの状態なのでトレンドの強弱を読み取りながらエントリーチャンスを狙いましょう。
FXチャートでのローソク足の見方を初心者でも分かるようにやさしく解説
ダウ理論のトレンド定義と併用して利用できるテクニカル指標
ダウ理論のトレンド定義を把握した上で、有効活用できるテクニカル指標を紹介します。
トレンドを可視化してエントリーポイントを探るテクニカル指標があるので、初心者でも手軽に利用できます。
高値・安値の更新を確認しながらテクニカル指標を使うと、根拠のないエントリーが減るのでおすすめです。
MACD
MACDは短期の平均移動線と長期の平均移動線で形成されています。
短期線と長期線がクロスしたポイントをゴールデンクロス・デットクロスと言います。
ゴールデンクロスとデットクロスが形成されるとトレンド発生・転換のサインになるのでトレンドをわかりやすく捉えられます。
一目均衡表
一目均衡表は国産テクニカル指標で、売りと買いの均衡を分析し均衡が崩れた方向へ動き相場の行方を表します。
値動きの方向性を可視化して理解できるので、大損失してしまうトレードを防げます。
一目均衡表は一目見ただけで値動きの方向性を捉えられるので、初心者におすすめです。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは6つの線で形成されています。
一定期間の値動きを計測して統計学的な観点から値動きの変動範囲を予想してチャート上に表示されます。
ボリンジャーバンドはトレンドが発生すると大きくふくらみ、レンジ相場の場合締まっている状態になります。
強いトレンド程大きなふくらみが発生するので、初心者でもトレンドをわかりやすく理解できます。
トレンド転換を捉えるにはダウ理論が重要
トレンド転換を捉えるには、ダウ理論を知ることが重要です。
ダウ理論はテクニカル分析の基本となっています。
トレンド転換を正確に読み取ることが可能になれば、損傷利大トレードが実現します。
トレンド転換を捉えることは勝率アップにもつながるので、ダウ理論を理解してトレードに取り入れてみましょう。