プロップファームのは欧米で人気を集めており、個人投資家が転身することも多い企業形態です。
投資会社なので個人投資家のように自由さはありませんが、一般の投資ファンドなどと違って利益を稼ぎやすい特徴があります。
ただし誰でも入社できるわけではなく、トレーダーとして一定の水準が求められることは避けられません。
それでもプロップファームは今後も増え続けると予想されます。その人気の理由を知ると、実績のある個人投資家が入社することに納得できるでしょう。
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プロップファームとは
プロップファームとは投資会社の一種です。
顧客から資金を集めて運用するのではなく、会社の自己資金のみ運用して利益を上げます。
特徴としては自己資金で投資を行うため、運用に関しての条件や規約などの制限を受けない点です。
また投資ファンドのように外部への情報開示の義務がほとんどないので、会社の裁量に任せて積極的な運用に取り組むことができます。
反対に、投資ファンドは顧客の資産を集めて運用を行うため、細かく定められた規約を守らなければなりません。
ローリスク・ローリターンの運用になることが増えるでしょう。
その点プロップファームは自分の資金で投資を行うので、ハイリスク・ハイリターンの運用を行うことが可能になります。
投資で利益をあげる投資専門会社
プロップファームは投資の利益で会社を経営している投資専門の会社です。
基本的に、オーナーが出資した資金をトレーダーが運用することで利益を出しています。
自己資金を元に運用するためハイリスク・ハイリターンの投資が特徴で、トレーディングの内容そのものが企業の経営に直結してしまいます。
そのためプロップファームの所属トレーダーは利益に応じて報酬を受け取るシステムが多く、完全歩合制で給与が支払われるケースがほとんどです。
例えば、利益に対して成功報酬が45%だった場合、1ヶ月に1,000万円の売り上げを立てると450万円がトレーダーに支払われます。
トレーダーによっては日本の年間平均所得を1ヶ月で稼ぐことがあるので、歩合給を希望する人にとっては好条件な環境で働けるでしょう。
海外で注目を浴びている
プロップファームは欧米を中心に注目されているビジネスモデルです。
個人で活躍していたトレーダーがヘッドハンティングされ、契約を結ぶことで組織されています。
ヘッジファンドやCTAなどよりも運用リスクは大きいですが、利益を得る額が増えることから海外で急成長を遂げている企業形態です。
実はアメリカの株式取引の30%はプロップファームが占めるとされており、年々取引の割合が増え続けています。
また、運用を行うトレーダーは優秀な人ばかりです。
例えば、元ヘッジファンドのマネージャーや元凄腕ディーラーなど実績を持っている方ばかりを集めています。
なぜなら有能なトレーダーでも金融規制強化などで稼げなくなることがあるため、プロップファームで働くことがメリットになるためです。
プロップファームに入る条件
プロップファームは収益が上がらなければ会社が存続できないので、当然のごとく継続して利益を出す必要があります。
なによりプロップファームは自己資金で運営されているため、自分たちが稼いだ額が企業そのものに影響してしまいます。
また、用意された研修をクリアしなければリアルマネーでトレードを行うことすらできません。
プロップファームで求められる水準をクリアしない限り、会社の資金を使っての取引は難しいといえるでしょう。
ちなみに面接時は過去3か月~1年間のリアルトレードの結果が必要なので、実績を証明するしなければならないため注意が必要です。
継続的に利益を上げる必要がある
プロップファームは自己資金で経営が行われるため、継続して利益を上げなければなりません。
もちろんプロップファームで働く「プロップトレーダー」たちに課される利益目標は大きく、銀行やヘッジファンドよりも求められる利益の額が大きい特徴があります。
経験豊富なプロップトレーダーは、平均3〜6か月以内に収益を上げることが期待されます。
一方の経験が浅いトレーダーは、利益を出すまでに1年近くの猶予期間が設けられる場合が多いです。
投資は長期間にわたって利益を出す仕組みなので、実績重視のプロップファームといえど、トレーダーが成果を出すまでの期間は設けられています。
プロップファームが定めた研修をクリアする
プロップファームで働くためには、企業が定めた研修をクリアする必要があります。
企業の研修はデモトレードで基本的にテクニックの学習や、相場の専門用語の習得やレートの分析など様々です。
また投資の技術だけでなく、イメージトレーニング(瞑想)を行うことがあり、トレードのストレスに対応できる人材になることが求められます。
それだけプロップファームで働くためには責任をもって、利益に対して向き合える姿勢が大切ということです。
ちなみに研修中は報酬が出ない企業が多く、アルバイトとかけもちして生計を立てている人も少なくありません。
そして研修中にデモ口座で収益性が高まったと判断された場合のみ、プロップファームのリアルマネーでトレードすることが認められます。
プロップファームは日本にも存在するのか?日本のプロップファームを紹介
日本のプロップファームは以下の2社が該当します。
- 株式会社フォアライン
- 株式会社ワイ・エム・シー
どちらの会社も株式市場や外国為替市場など、主要な金融取引を中心に運用を行っています。
株式会社フォアラインは投資のスクールなど、投資に関する事業を幅広く展開している企業です。
一方の株式会社ワイ・エム・シーは、プロップファーム部門における運用経験豊富な人材が投資を行っています。
日本におけるプロップファームはほとんど存在しないため、欧米に比べて普及していないのが現状といえます。
株式会社フォアライン
株式会社フォアラインは外国為替証拠金取引・日経225・商品先物・株式への投機事業を行っているプロップファームです。
さらに投資のスクールを運営しており、初心者に対して投資を教えるノウハウを有しています。
スクールの評判や口コミの評価は高く、無料のWebセミナーなども開催している点が特徴です。
また投資に関する情報をブログで公開しており、トレーダーに必要な知識を提供しています。
ちなみに株式会社フォアラインは業務委託で勤務する人を募集しているため、興味のある人は過去1年間のトラックコードを用意して面接を受けましょう。
株式会社ワイ・エム・シー
株式会社ワイ・エム・シーのプロップファーム部門では、株式市場・外国為替市場・商品先物市場を中心に運用を行っている企業です。
ディーラーが投資で勝ち抜いていくために、取引環境を充実させるサポートを行っており、プロのトレーダーが国内外の金融市場で活躍できる環境が用意されています。
ただし、現在はプロップトレーダーの募集は行っていないため勤務することはできません。
プロップファームのトレーダーになるメリット
プロップファームのトレーダーになるメリットは以下の3つです。
- 情報共有できる
- 損失管理を徹底できる
- 充実したサポート体制で取引できる
為替相場や世界情勢などの情報共有は、トレーダーにとってメリットが大きいです。
なぜなら投資は分析や比較の情報がない限り、資金を投じるリスクを負うことになるからです。
また損失管理による投資リスクの軽減や、経験者の指摘や改善策など充実したサポートもプロップファームの魅力です。
個人トレーダーは、情報を自分で調べてサポートがない状態でトレードに望まなければならないので、総合的に損失のリスクが高くなりがちです。
プロップファームはリスクを抑えて利益を出しやすい環境を得られるので、トレーダーにとってメリットが大きいといえます。
情報共有できる
プロップファームは個人とは違って、情報を共有できる環境でトレードに取り組むことができます。
さらに情報の共有だけでなく、アイデアの交換やお互いが切磋琢磨して成長できる環境も魅力の一つです。
他にも、自分より経験豊富で成果を出しているトレーダーからアドバイスをもらえる点も、個人トレーダーにはないメリットといえます。
プロップファームでトレードに取り組む方が、独学で継続するよりも成長が速いことは間違いないでしょう。
損失管理を徹底できる
プロップファームは取引のリスクを厳重に管理されており、損失を出すことを事前に防ぐことが可能です。
さらにマネージャーによるリスク管理の恩恵は大きいです。
例えば、投資のルール違反による警告や自動的に過度な取引を防止する仕組みが構築されています。
安全性の高い環境で運用を行うことで、損失を出して感情的になる心配は少なくなるでしょう。
多大な損失を負う前に、プロップファームのリスク対策法を学びながら損失管理を行うことが可能になります。
充実したサポート体制で取引できる
プロップファームは充実したサポート体制の中で、取引を行うことができます。
客観的な指摘や改善により、トレードの質を高めることが可能です。
すでに失敗してきた事例や失敗に対するノウハウを共有できるため、損失を出す前にリスクを避けて運用を行えます。
なにより投資の方向性がわからないまま運用を続けると、多大な資金を失いかねません。
また個人トレーダーは比較や検証する事例が少なくなるため、プロップファームで働く先人たちの知恵を借りるメリットは大きいといえます。
プロップファームのトレーダーになるデメリット
プロップファームのトレーダーになるデメリットは以下の2つです。
- ルールを厳守する必要がある
- 結果を残せない場合は脱退しなければならない
リスク管理のため、企業のルールを守ることは徹底しなければなりません。
たとえ利益を上げたい場合でも、個人の判断は優先されないと考えましょう。
また、利益を上げられないトレーダーは解雇されることがあるので注意が必要です。
プロップファームは自己資金によって経営が成り立つため、成果主義を求められることは避けられません。
そのため投資額を増やして短期間に利益を上げたい人は、プロップファームでの勤務は不向きといえます。
ルールを厳守する必要がある
プロップファームはルールが厳重に管理されており、厳守しなければなりません。
企業は資金を失うリスクを抑えるため、徹底的にルールで管理されています。
そもそも投資はリスク管理をした上で利益を出さなければならないので、ルールを作ることで損失を出す可能性を極限まで抑えることが可能です。
仮にトレーダーがルールを破った場合は即解雇になるでしょう。利益を出すために投資額を増やしたい人は、プロップファームには向いていません。
結果を残せない場合は脱退しなければならない
プロップファームは自己資金によって成り立つ企業なので、結果を残せないトレーダーは解雇になる可能性があります。
解雇にならない場合でも、無報酬で勤務になるなどペナルティを課されることがあるので注意が必要です。
また、原則として個人に損失額を請求されることはありませんが、損失額が大きい場合は契約を解除されることも少なくありません。
プロップファームは日本でも主流になる可能性があるビジネスモデル
プロップファームは個人トレーダーのリスクを抑えて、利益を狙うことが可能な企業形態です。
情報共有やアドバイスを受けられる環境が用意されているため、個人トレーダーより利益が出しやすくなることは間違いないでしょう。
現在の投資信託などのファンドより利益率が高いなど魅力が多いので、今後の日本で投資企業として普遍的になる可能性があります。
今はまだ企業の数も多くはありませんが、欧米で人気になっていることから今後の日本でも設立数が増えることになるでしょう。