プロップトレーダーは個人トレーダーよりもリスクを抑える投資が可能になり、かつ高額な報酬が期待できる働き方です。
ただし誰でもプロップファームに入れるわけではなく、一定の水準を突破することでトレーダーとして働くことができます。
また、プロップファームのリスク管理や実績を出すなどの条件を満たさなければなりません。
スキルや参加条件を満たしている人は、プロップファームの恩恵を受けてトレードに取り組みましょう。
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このページのもくじ
プロップトレーダーは2種類ある
プロップトレーダーは以下の2種類が存在します。
- 裁量プロップトレーダー
- システムプロップトレーダー
裁量プロップトレーダーは個人の裁量が大きい投資を行うため、投資に対して自由な運用を行いたい人が向いています。
一方のシステムプロップトレーダーは開発したツールでトレードに取り組むため、システム開発を行いたい人が適任です。
どちらも業務に対する責任が重く、運用の結果を求められることは同じです。しかし業務内容が異なり、適性もハッキリと分かれるでしょう。
ご自身の適性に合わせて投資を行うには、実際に2つの手法を試して確認することをおすすめします。
裁量プロップトレーダー
裁量プロップトレーダーとは、個人で投資の戦略を立ててトレードを行う人を指します。
会社に属しながら、個人の裁量が大きい取引を行うトレーダーです。
裁量トレーダーの特徴は、現在の市場に適応しやすい点です。
市場を分析して、トレンド戦略とレンジ戦略の最適な方法を選択してトレードを行います。
ただし収益性のあるトレンドを見つけるためには高いスキルが求められて、かつ仕事量が増えることは避けられません。
さらに裁量プロップトレーダーは動かす資金が大きいため、メンタルを平常に保つことが求められます。
しかし、業務のプレッシャーが大きさは自由の裏返しです。多額の資金を運用する働き方になるため、責任の重さと同時にやりがいを感じやすい働き方でもあります。
システムプロップトレーダー
システムプロップトレーダーは過去相場からデータを分析して、優位性のあるロジックをシステム化してトレードを行う人たちです。
市場の研究結果からプログラミングを組んでツールを開発し、トレードそのものはシステムに任せて投資を自動化します。
また過去のデータからマーケットに対しての戦略を立てて、取引の結果を参考にツールを改善し続ける必要があります。
レートは過去のデータ通りに動かないので、統計結果から作られたシステムが必ず機能するわけではありません。
そのためシステムプロップトレーダーは変化し続けるマーケットに対して、取引のデータをシステムに反映してブラッシュアップを続ける必要があります。
プロップトレーダーになる為の条件
プロップトレーダーになる為の条件は以下の2つです。
- 長期間利益を上げ続ける
- 研修期間に成果を上げる
基本的にプロップファームは自己資金で会社を運営するため、長期間の利益を出す人材が求められます。
なぜならプロップファームは会社の自己資金を運用を行うため、成果を出せない人は採用しない方針だからです。
また研修期間に成果を上げられない場合は、採用になることはないので注意が必要です。
仮に研修期間に成果を出して業務契約を結んだとしても、長期間の利益を出せない人材は解雇になるでしょう。
プロップトレーダーとして働くためには、厳しい採用条件を満たさなければなりません。日本企業のように、努力の過程を重視されない点に注意が必要です。
長期間利益を上げ続けること
プロップトレーダーは長期間利益を上げ続けることが求められます。
なぜならプロップファームは自己資金で運営されているため、利益が運営資金になるためです。
ただし業務を開始してすぐに利益を求められるわけではありません。
あくまで長期間の取り組みの中で、利益を上げることが求められます。
例えば、運用経験が長いプロップトレーダーは、平均で3〜6か月以内を目安に収益を上げることが求められます。
一方の、経験の浅いプロップトレーダーは半年から1年以内に結果を出すトレーダーにならなければなりません。
またマーケットの変化に順応できる資質も重要です。
長期間にわたって利益を出し続けるには、為替の動きに対応できるトレーダーが必要になります。
研修期間に成果を上げること
プロップファームは研究期間に成果を上げることが入社の条件です。
その理由は、完全歩合制で働くため実力のある人を精査する目的があるからです。
まず研修では決められたルールの範囲内で、会社に定められたノルマを達成しなければいけません。
プロップファームでは約2ヶ月の研修期間が設けられている場合が多く、この期間に運用資金に対して5~10%の利益を出すことを目標に運用を行います。
成果を上げられない場合は不採用になるので、結果を求められるかどうかの適性を判断されます。
プロップファームには、業務を続ける忍耐力や精神的なタフさが求められるので、採用される難易度は高いといえるでしょう。
プロップトレーダーは稼げる?成功している人達の割合
プロップトレーダーは成果報酬型なので、稼げる人と稼げない人の差が激しい仕事です。
多くのプロップファームが成果に対して約50%ほどの報酬が支払われます。
個人トレードに比べると得られる利益は少なくなりますが、プロップファームは企業の資金を運用するため個人の損失がありません。
もちろん成果を上げなければ解雇になる可能性が高くなりますが、リスクが少ない環境で投資を行える点は大きなメリットです。
また企業のデータや運用実績など、個人で取引を行う際には得られないサポートが充実しているところも魅力の一つです。
なによりプロップファームで成果を上げるほど、運用できる資金の量が増えるため、結果を出す人は稼げる業種といえるでしょう。
10~30%のプロップトレーダーは失敗している
プロップトレーダーはほとんどの人が運用に失敗しており、トレーダーの70〜90%が成果を出せていません。
そもそもプロップファームは企業から投資のアドバイスをもらって運用ができ、利益を出しやすい環境が用意されています。
またリスク管理が徹底された上で投資を行うため、損失を出す確率を抑えてトレードを行うことができます。
しかし、実際は結果を出せないトレーダーが多いです。平均すると10人中3人程度しかプロップトレーダーとして活躍できないのが現状です。
プロップファームは個人トレーダーよりも投資の成功確率を高めやすい環境が用意されていますが、それでもトレーダーとして働ける人はほとんどいません。
プロップトレーダーになる為に必要なスキル
プロップトレーダーになる為に必要なスキルは以下の3つです。
- 強い精神力を持つ
- マーケット分析を徹底する
プロップファームはリスク管理の重要性が高く、利益を得る前に損をしないトレードを行わなければなりません。
損失を出しにくい取引によりプロップファームは長期的に運用ができ、利益を出すことが会社運営が可能になります。
そのためプロップトレーダーは損をした時に感情的にならない精神的な強さや、冷静な判断を下すためにマーケット分析を徹底することが重要です。
個人トレーダーとは異なり、プロップトレーダーになるためには企業の運営に対する視点を持つ必要があります。
リスク管理を徹底する能力
プロップファームで投資を行う上では、リスク管理を徹底する能力が必要になります。
なぜなら、投資の損失がそのまま経営に影響してしまうためです。
基本的にプロップファームは、リスク管理のためにマネージャーを配置して常に管理された上で投資を行います。
毎日のストップロス制限を設定しており、もしルールを破って運用を行った際は解雇になることは避けられません。
プロップトレーダーは短期的な利益を優先するのではなく、長期的に利益を出すためにリスクを抑える姿勢が求められます。
マネージャーの意図を理解して投資を行い、長期的に利益を出せるトレーダーがプロップトレーダーとして適任です。
強い精神力を持つ
トレードはメンタル面の強さが欠かせません。値動きに感情を揺さぶられることが多くなるため、精神的にタフな人がトレーダーに向いています。
誰しも感情的になって取引の失敗してしまいますが、それでもプロのトレーダーは為替の変動に対して冷静な判断を下す必要があります。
プロップトレーダーは会社の資金を使って運用を行うため、トレードのミスを取り返すことや損切りのタイミングなどの判断は責任が大きいです。
そのため、少しの失敗で感情的にならない精神的な強さを持つと、トレードでミスをした場合でも挽回しやすくなるでしょう。
マーケット分析を徹底する
トレードの勝率を上げるためには、マーケットを分析を徹底する必要があります。
長期的に利益を出すためには、運や勘に頼るトレードでは不可能です。
マーケットを分析することで市場全体を把握し、業界や周辺知識まで知ることが勝率を上げるコツです。
例えば、ニュースによる価格の影響や値動きが激しい時間や季節など、業界全体の知識を知ることで投資の成功確率を上げられるでしょう。
マーケットの専門家と呼ばれるほどの知識や経験などがあると、他のトレーダーとの差別化できて利益を生みやすくなります。
またプロップトレーダーは個人で行うマーケット分析だけでなく、会社に蓄積されたデータを利用し分析することをおすすめします。
プロップトレーダーの年収
プロップトレーダーの年収は稼いだ額によって個人差があります。
稼いだ額が大きくなるほど、支給される額が増える仕組みです。
会社員のように月額制ではなく、稼いだ額を分配して成功報酬として支払われます。
会社ごとによって報酬制度が異なる
トレーダーに支払われる額はプロップファームによって報酬制度は異なります。
トレーディングの収益から50~80%が支給額です。
支給額はトレーディングで使われる取引プラットフォームのコストや、売買手数料等を差し引かれます。
利益が報酬に直結するため、プロップトレーダーの中にはサラリーマンの平均年収を1ヶ月で稼ぐ人も少なくありません。
安定した給料は出ない
プロップトレーダーは会社員ではないため、固定給が支払われるわけではありません。
そのため安定した給料は期待できないと考えましょう。
収益を上げられるトレーダーのみ報酬が支払われるので、成果を上げていないトレーダーの給料が0になることは珍しくありません。
プロップトレーダーとファンドトレーダーの違い
プロップトレーダーとファンドトレーダーの違いは、運用する資金が異なる点です。
プロップトレーダーに比べて、ファンドトレーダーは責任が重いため注意しましょう。
トレード資本の出所が異なる
プロップトレーダーはプロップファームの資金を運用して利益を上げるのに対し、ファンドトレーダーは投資家から託されたファンドの資金の運用です。
つまり自己資金で行う投資か、もしくは他人から集めたお金で投資をするかの違いがあります。
かかるプレッシャーが異なる
ファンドトレーダーは資本金を集めて運用するため、プロップトレーダーに比べてプレッシャーの重さが違います。
なぜなら運用実績が悪いと投資家は資金を引きあげるので、ファンドトレーダーは常に成績が求められるためです。
もちろんプロップトレーダーも成績が求められますが、比較的プレッシャーが強くない環境でトレードに取り組むことが可能です。
プロップトレーダーになるには損失抑えられるトレーダーになる必要がある
プロップトレーダーは会社の資金を運用するため、損失を抑えて利益を上げなければなりません。
個人トレーダーのように利益を狙って多額の投資を行えないため、プロップトレーダーになりたい人は長期目線の投資が求められます。
とくにリスク管理を徹底することが重要なので、プロップファームで投資を行うためには会社の資金を運用している意識が必要不可欠です。