NYオプションカットは、証券会社や銀行などの機関投資家たちが中心に取引い、ある一定の傾向があります。
今回は初心者向けに、NYオプションカットが起こる理由や活用法を解説します。
また値動きの激しさに巻き込まれないためのコツも紹介しているので、ぜひトレードの参考にしてください。
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NYオプションカットとは
NYオプションカットとは、通貨オプションの権利行使の締め切り時間を指します。
「カットオフタイム」とも呼ばれ、締め切りの時間を過ぎると取引ができなくなります。
通貨オプションとは、指定された期間の中で権利の価格を決め、買う権利や売る権利を売買する取引のことです。
2つの権利はそれぞれ呼び方があり、買う権利は「コール・オプション」、売る権利は「プット・オプション」です。
NYオプションカットはNY市場夏時間が日本時間で23:00、冬時間は日本時間24:00まで取引が可能なので、事前に時間を確認して取引を行いましょう。
通貨オプションの権利行使の締め切り時間
NYオプションカットは買う権利と売る権利を行使する締め切り時間です。
日本時間の23~24時あたりは値動きが活性化する特徴があります。
権利を売買は、買う権利の取引と売る権利の取引の合計4つです。
通貨オプションは、4つの権利は行使するか破棄するどちらかを選択して取引を行います。
主に輸出入企業や証券会社などが大量に資金を投入するため、為替レートが大きく変動します。
ニューヨーク市場は他の市場のオプションカットより取引量が多いことで、値動きが激しくなる特徴があります。
大手企業や証券会社の動きによって変動幅が広くなる
NYオプションカットは、大手企業や証券会社などの機関投資家が大量に取引を行うため、変動幅が大きくなってしまうことは避けられません。
また投資ファンドや銀行なども締め切り時間に取引を行うため、為替相場の動きを大きくする原因になっています。
経済指標の発表や投資のプロの予測が当たる保証もなく、すべての動きは巨額な資金を持った方が影響を持つトレードになる場合がほとんどです。
NYオプションカットに近づくにつれて、巨額な資金をもった企業たちがそれぞれのポジションを守りに入るので、個人のトレーダーは市場に流されやすくなるでしょう。
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通貨オプションで設定された価格に近づく傾向にある
NYオプションカットは通貨オプションで設定した価格に近づきやすいです。
なぜなら権利を買った側と売った側の両方から注文が入り、お互いが有利な方向に動かそうとするためです。
オプションがコールもしくはプットがレートから離れているほど、ロング又はショートでトレードが頻繁に起こるため、設定された価格に近づきやすくなる傾向にあります。
NYオプションカットが発生する理由
買う側は利益のために、売る側は損失を抑えるために為替相場で売買が行われます。
市場の値動きが激しくなりやすく、それぞれが思惑がトレードに反映されます。
しかしオプションは一定の条件が満たされた場合、オプションが消滅する価格が設定されているので、売買が続くわけではありません。
オプションが消滅する価格は「オプション・バリアー」もしくはオプショントリガーと呼ばれ、条件を満たすまで買う側と売る側の攻防が行われます。
通貨オプションで買っている側は買った価格より高い価格で売りたい
基本的に通貨オプションを買った人は高値での売却を考えています。
価格差が大きいほど利益が増えるので、少しでも高く円を売ろうとするわけです。
またトレードはドル売り(ショートポジション)から入ってリスクヘッジを狙うことも考えられます。
権利行使日までショートポジションから入って、価格が下がった場合に利確を繰り返して利益を積み重ねて利益を狙う人が多いです。
証券会社や銀行は買われた価格より安く売りたい
買う側と反対に、通貨オプションを売る側はなるべく安く売るための取引を行います。
なぜなら権利を行使された側は、損することになるからです。
証券会社や銀行は円安を阻止するために、より高くするために円を買ってチャートを動かそうとします。
どちらもトレンドを自分の有利な方向に持って行くために、売買の攻防を行うことで通貨オプションに設定された価格に近づきやすくなるのです。
このような現象は「防衛売り」と呼ばれ、売る側が安く売るための対策として使われます。
NYオプションカットを活用して利益を得る方法
日本時間の23:00~24:00は売買比率などで市場を見極め、その後はトレンドの方向性を見計らって注文を行うと利益を得やすくなります。
FX会社から配信されるマーケット情報からNYオプションカットの価格情報を確認し、トレンドの動きの観察を忘れずにトレードを行ことを意識しましょう。
NYオプションの攻防戦を見ながらトレーダー達の売買比率を見てエントリー
NYオプションは防衛売りなどでチャートの値動きが激しくなるため、他のトレーダーの取引から売買比率を計算し、タイミングを見計らってエントリーを行います。
売買比率はポジションの買いと売りの割合がわかるので、他のトレーダーたちの考えを予想しながら市場の分析が可能になります。
市場の値動きが激しくなるときは、証券会社や銀行などの機関投資家による多額の資金投入で相場が大きく動く時になるので、トレンドの流れを読んで取引を行いましょう。
またFX会社によっては顧客の注文状況がわかります。
機関投資家たちの注文量を把握しやすくなり、市場の分析がしやすくなるのでおすすめです。
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NYオプションカットで方向性が決まった場合トレンドに乗る
NYオプションカットが終わった後のトレンドに乗ると、利益を出しやすくなります。
なぜならオプションの注文が消滅した後に、買い戻しが発生するためです。
買い戻しによって相場が動き出すと、他のトレーダーが参入してトレンドの方向性が明確になり始めるので、タイミングを見計らってエントリーを行いましょう。
NYオプションカットの直後はオプション調整のために相場が動きやすく、トレンド転換が起こった後にトレンドの方向性に勢いがついて利益を狙いやすくなります。
ただしNYオプションカット前後は相場が動きやすい状態になりやすいので、市場分析やマーケットの情報の収集を欠かさずに行い、市場を注意深く観察しなければなりません。
NYオプションカットに関する注意点
相場に絶対の正解はないので、NYオプションカットも同様に値動きを読めない前提で考えなければなりません。
また特定の価格に近づかない時や、方向性が定まらない相場になることも珍しくありません。
個人のトレーダーは証券会社や銀行などの機関投資家たちの動向に左右されてしまいます。
NYオプションカットは相場の変動そのものが激しいので、あらゆる状況を想定してトレードに取り組むことで、損失を出しにくくなるでしょう。
必ずしも特定の価格に近づく訳ではない
NYオプションカットは特定の価格に近づくわけではないので、注文した後に価格が変動する可能性を考慮しなければなりません。
経済指標の発表やトレンドの転換など、相場の値動きが急に変動することは珍しくないので、取引価格は変わる前提で取引を行いましょう。
他には特定価格帯のレートの厚みを示す「オプション・バリア」なども、市場の値動きに影響して特定の価格に近づかない原因になります。
オプショントレードは買いと売りの権利を取引なので、市場に様々なの思惑がトレードの値動きに影響することは避けられません。
特定の価格に近づくことは可能性の一つとして考え、相場の状況に応じてトレードを行うことを意識しましょう。
方向性が定まらないまま終わる可能性もある
NYオプションカットは方向性が定まらないまま取引が終了し、不安定なレンジ相場のような値動きになる可能性があります。
基本的には為替相場が多くのトレーダーの思惑によって動きやすいですが、その後に必ず方向性が決まるわけではありません。
また証券会社や銀行などの機関投資家たちが多額な資金を投じても、NYオプションカットが終わった後はトレンドを作らない場合があります。
方向性が定まらないとエントリーのタイミングを計ることができないので、相場の動きが不明確な場合は様子見で注文しない戦略を取ることをおすすめします。
NYオプションカットは日本時間0時におこなわれる!攻防戦の状況をみてトレードしよう
NYオプションカットは日本時間の23~24時の間に行われる取引です。
機関投資家や大口のトレーダーたちが攻防戦を繰り広げて、チャートの動きを操作するために取引を行っているので、個人トレーダーは状況の判断に対して観察し続けなければなりません。
利益を出すコツはトレンドの大きな流れには逆らわないことです。
エントリーのタイミングを調整とトレンドの流れを利用すると利益が得やすくなるでしょう。