FXを始めると、通貨ペアの見通し分析が必要なります。
「リーマンショック」「逆オイルショック」が発生した時の為替市場を見ると「改めてすごい変動だったな」と感心しますよね。
市場に影響をもたらす出来事は上記以外にも存在し、安倍総理が掲げた「アベノミクス」も為替市場に大きく影響をもたらしています。
今回はアベノミクスは一体なんなのかわかりやすく解説していきます。
アベノミクスは為替市場や株式市場を盛り上げるだけでなく、日本経済回復に効果を与えています。
直近の相場変動を分析する際にアベノミクスの知識は必須になるので「詳しくしらない!」という人は今後の投資運用の為にも知っておきましょう。
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このページのもくじ
アベノミクスとは
アベノミクスは2012年12月に安倍政権発足から始まった政策です。
安倍政権発足後にアベノミクスは早急に行われ、アベノミクスの影響で日本経済の景気はゆっくり上昇していきます。
アベノミクスの語源は、安倍三蔵首相のアベとエコのミスを掛け合わした言葉で、覚えやすい様に作られた造語です。
デフレ脱却と日本の経済成長を目指す施策
アベノミクスは、デフレ脱却と日本経済の成長・拡大を目指す為に掲げられました。
そしてアベノミクスは大きく分けて2段階あり、第1段階にデフレ脱却と景気回復を注視し第2段階に名目GDP600兆円の実現を目指していました。
現在アベノミクスは第2段階に突入していますが、新型コロナウィルスの感染拡大などで思惑どおりに言っていないのが現状です。
アベノミクス第1段階の重要ポイント旧「3本の矢」
アベノミクス第1段階と第2段階には大きな指標を掲げており、指標のことを「3本の矢」と称して分かりやすく説明しています。
この3本の矢はアベノミクスを詳しく把握する為にも必要な情報です。
第1の矢「大胆な金融政策」
大胆な金融政策は、市場に介入してお金を投入することによってデフレを脱却しお金の流れを活性化させる政策です。
上記の施策は金融緩和といって、経済が滞っていたいたり景気が後退してしまっている時に金融緩和は実施されます。
日本でのデフレの原因は、個人活動低下が原因だと考えられています。
国民一人一人がお金を手にすることができれば消費活動も活発化します。
第2の矢「動機的な財政政策」
第2の矢「動機的な財政政策」は、政府が中心になって政治を変えていく施策です。
公共事業を増加させ、それを民間建設会社に依頼することによって、民間の建設会社が儲かるシステムを作りました。
民間建設会社が儲かると、勤めている人達の給料が上がり雇用も増加し、個人消費につながる考えです。
この公共事業は東日本大震災の復興支援や防災対策を行い国土強靭化を目指しています。
第3の矢「民間投資を喚起する成長戦略」
第3の矢「民間投資を喚起する成長戦略」は民間企業の活動を更に自由化して、日本経済成長を活発化させるものです。
アベノミクスが発動した時代は、市場が厳しく新規参入が困難な市場が多数存在していました。
上記のような困難な市場に対して規制緩和を行い新しい企業を増します。
そして企業が増えたことによってサービス商品の競争が生まれ企業が成長する狙いがありました。
アベノミクス第2段階の重要ポイント新「3本の矢」
第1段階は既に終わっており、2021年現在はアベノミクス第2段階に突入しています。
第2段階に移行したアベノミクスは、新「3本の矢」を掲げて理解しやすいようになっています。
最初の施策は企業ベースだったので、アベノミクスによって景気がよくなったと感じる日本人は少い印象がありますが、第2段階は一般人でも違いを感じることが多いです。
第1の矢「希望を生み出す強い経済」
希望を生み出す強い経済は、1段階での金融緩和と同じく、引き続き金融緩和や規制緩和に取り組んでいく姿勢です。
2020年を目処にGDPを600兆円にすることを今回は目標に掲げています。
さらに都市部と地方の格差問題の解消も加えられており、地方活性化の政策もこの第1の矢に当てはまります。
第2の矢「夢を紡ぐ子育て支援」
日本の少子化は深刻な問題になっており、少子高齢化の現代では子ども達の将来が確立されていないと指摘している経済学者もいます。
第2の矢では、子どもたちを育てる環境を支援する政策で、具体的に女性出産前と後の支援をしています。
婚活や不妊治療などの支援や、出産後に子供預けられる保育所を充実させることで女性が子供を産んでも働きやすい環境を作ろうとしています。
第3の矢「安心につながる社会保障」
第3の矢は、今後も問題になっていく高齢者に向けた施策です。
現在日本では介護士の人材不足や介護施設の不足が深刻化しています。
介護職の低賃金問題や少子高齢化が要因にあげられ、この第3の矢では環境や仕組みを見直して新たにつくりだすことが目的です。
介護離職者を0にすることも目標として掲げています。
アベノミクスが抱える課題
上記で紹介した政策がアベノミクスの詳細です。
実際アベノミクスを掲げた事によって為替市場や株式市場は大きく動きましたが、日本国民生活レベルに落とし込むと実現出来ていない政策が多いです。
旧3本の矢が完璧に実現できていない
第2段階に移行している現在ですが、未だに旧3本の矢は完璧に実現していません。
新型コロナウィルスの影響もありますが、コロナショック以前から旧第3本の矢は実現出来ていません。
デフレ脱却を目指していた日本ですが、デフレ傾向は収まっておらず、今後も日本の大きな課題として残ります。
具体的な政策が無い
旧3の矢ではデフレ脱却を大きく掲げて政策に打ち出していましたが、3本の矢の政策が具体的にどのようにデフレ脱却に効果があるのか理解しにくい状態になっています。
関連性もはっきり見いだせていない状態なので、デフレ脱却する為に動けているのか不明瞭です。
現実味の無い目標数値
GDP600兆円や出産率1.8・介護の離職率0%の目標は、現実的に厳しい数値であり、どのように実現できるのか明確に示す必要があります。
2020年現時点でもGDP600兆円は達成しておらず、介護の離職率も0%ではありません。
アベノミクスは効果があった?
課題が残っているアベノミクスですが、効果本当にあったのか解説していきます。
経済効果の観点からみるとGDPの成長や労働人口の増加は数字で現れているので、全く効果が無かった訳ではありませn。
名目GDP66兆円増加
2012年10月~12月期の名目GDPは約493兆円で、2019年時点では約559.2と66兆円も増加しています。
アベノミクスによる経済公開は企業収入ベースで行くと効果があったことが数値にあらわれています。
労働人口の増加
労働人口はアベノミクスの実施後から6年間増加傾向にあり、2020年時点では約6,628万人にのぼりました。
アベノミクス実施により労働人口は約350万人増加しています。
正社員雇用の求人倍率も2012年の0.5倍から1.13倍と、働き口が増えていることがわかります。
失業率も2012年~2020年で約2%程低下しています。
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円安や株価の上昇
アベノミクスによって為替市場は全体的に円安になり、日本の株価は上昇しました。
2012年の日経平均株価は下記の通りです。
アベノミクス実施により日経平均株価が8158辺りから10200まで上昇しています。
また米ドル円も上昇しています。
リーマンショック後、円高が続いた為替市場ですがアベノミクスによって低迷を脱却することに成功しています。
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アベノミクスは日本経済をより良くする政策
アベノミクスは日本経済をより良くする政策です。
労働人口の増加や企業ベースでの収益増加の効果はありましたが、アベノミクスで掲げていた問題が全て解決したかというとそうではありません。
現在もアベノミクスで掲げている目標は達成する為に動いていますが、2020年のコロナショックによって日本政府が正常に動けていない現状です。