ユーロインデックス(ユーロ指数)とは複数の通貨の比較ではなく、ユーロ自体の現在の力が強いのか、弱いのかを表した指数です。
ユーロ指数が上昇している時はユーロが強く、下落時はユーロが弱まっていることが分かります。
今回は、ユーロインデックス(ユーロ指数)の見方の解説と、投資にどう活用するかについて分かりやすく解説していきます。
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ユーロインデックス(ユーロ指数)とは?
ユーロはEUの単一通貨で、EUにおける経済通貨同盟で用いられています。
ヨーロッパの25か国でユーロは利用されており、準備通貨として米ドルに次ぐ力を持っています。
対米ドルの取引量が外国為替市場で最も多い通貨ペアということもあり、世界の経済に大きな影響力のある通貨となります。
ユーロインデックスはユーロの総合的な価値を指数化したもので、指数の状況をチェックすればユーロの現在の価値を知ることが出来ます。
為替相場はユーロ円とユーロドルのように、通貨ペアごとに比較をして力関係を見ます。
一方、ユーロインデックスはユーロ対日本円、米ドル…というように、通貨そのものの力を表します。
ユーロインデックスの構成通貨
ユーロインデックスは、ユーロと他の42通貨を比較して算出します。
ただ、ユーロと他の通貨を比較する場合は、ユーロ100%に対して他の通貨100%を比較します。また、他の通貨の構成比率は平等ではありません。
ユーロインデックスを算出している機関には欧州中央銀行(ECB)や国際決済銀行(BIS)などがありますが、国際決済銀行の場合は米ドル、英ポンド、中国人民元が全体の43%を占めています。
- 中国人民元:18%
- 米ドル:15%
- 英ポンド:10%
- スイスフラン:6%
- ポーランドズロチ:6%
- 日本円:4%
- チェココルナ:4%
- その他(35通貨):37%
ユーロインデックスは世界におけるユーロの力関係を表す指数ですが、実際は米ドル、英ポンド、中国人民元に大きな影響を受けています。
ユーロインデックスの見方
ユーロインデックスは上記のように、チャート上で下落と変動を繰り返しています。
チャートが上昇している時はユーロ高のサインです。これは、他国の通貨に対してユーロが多く購入されて価値が上がっていることを指します。
一方でチャートが下落している時はユーロ安のサインになります。保有しているユーロが売られているため、価値が下落しているという解釈が出来ます。
ユーロインデックスを見れば、市場でのユーロの状況が分かります。
ユーロ高の要因
ユーロインデックスが上昇推移を見せている時は、ユーロ圏の政治・経済が安定している傾向にあります。
特に政策金利が魅力的な場合、ユーロ圏以外の投資家からも買われて価値は高まっていきます。
ユーロ安の要因
ユーロインデックスが下落している場合、ユーロ高とは逆に欧州の政治・経済に何らかの不安定要素がある可能性が高いです。
欧州の主要株価指数の下落などと連動するケースも多く、投資家が運用リスクの高まりを感じると売り出される傾向にあります。
構成通貨に影響されるケースに注意
2020年12月~2021年3月のユーロインデックスは上昇傾向を見せていますが、これは新型コロナウィルスによるドル安・ポンド安が大きく関係しています。
米ドル・英ポンドはユーロインデックスの構成比率が大きいため、相対的にユーロの動きへ影響を与えやすいです。
ユーロ安なのにユーロインデックスが上昇する場合、誤った判断をしないように他の指標も利用するようにしましょう。
ユーロインデックスをFX取引に活用する方法
ユーロインデックスを賢く活用すれば、FX取引で高利益を生むことが出来ます。
利益を生む活用方法をここからは紹介していきます。
ユーロインデックスとユーロ円を比較する
ユーロ円でFX取引をおこなっている場合、ユーロインデックスとユーロ円チャートの動きを比較して、為替の関係性を深く分析することができます。
ユーロ円チャートは円が強い時は円の動き、ユーロが強い時はユーロの動きに引っ張られて推移します。
ユーロインデックスと同じ方向に動いているならユーロが強い証拠なので、ユーロ円取引のチャンスです。
2つのチャートが逆の動きをする場合は、円の力が強い状況だと考えられます。
円の力が強い時は米ドルが更に強まっているタイミングでもあるので、米ドル円取引に切り替えるのも一つの手です。
上昇・下落の強さで長中期的な計画を立てる
ユーロインデックスの動きをチェックすることでユーロ円取引のタイミングをある程度予測することが出来ます。
ユーロ円チャートとユーロインデックスが同じ動きをしており、更にユーロインデックスがハッキリとした動きを見せている場合、現在のトレンドが今後も中長期的に続く可能性が高いです。
ユーロインデックスを活用して、トレンドがどれくらい続くか予測することが可能です。
ニュースの影響を確認する
ユーロ円が欧州で起こった出来事の後に変動した場合、直感的に欧州のニュースが原因だと判断してしまう方がほとんどでしょう。
しかし、実際には他の理由が関係しているケースもあり、単純に判断すると失敗するリスクがあります。
同時に日本円が変動していれば、円に引っ張られて為替が動いただけということも十分考えられます。
ユーロ円の動きが気になる時はユーロインデックスをチェックして、ユーロへの影響の有無をチェックしましょう。
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ユーロインデックスは米ドル以外の指標としても活用できる
ユーロインデックスはユーロ円などの分析にも用いられますが、ドル・円とは異なる経済指標としても重宝します。
米ドル・日本円・ユーロは外国為替の決済高で上位3つを独占していますが、米ドルと日本円は基本的に似た動きを見せるため、異なる指標として活用しにくい点があります。
ユーロインデックスが弱まった時は米ドル円に乗り換えるなど、相対関係を利用した活用方法などもあるので、ぜひ利用してみましょう。