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【2021年最新】日本の物価推移の今後の見通しはやばい?過去の動きと物価上昇を促す方法を紹介

物価の推移は単に購買活動で参考にできるだけでなく、経済の状況や景気の見通しを占う上でも非常に参考になります。

日本の物価推移は欧米の先進国と異なる動きを見せており、そのことも注目に値するポイントです。

今回は、日本の物価の推移について、詳しく解説していきます。

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日本の物価推移

日本の物価推移(1947年~2019年)

引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構HP

上記は、総務省が毎月発表している消費者物価指数を発表の始まった1947年から2019年までをまとめたグラフです。

調査の開始直後から1995年あたりまでは右肩上がりで上昇していますが、その後の24年間はほぼ横ばいで推移していることが分かります。

1995年から物価に変動がないのは、長い不況の影響などが考えられます。

物価が20年以上変わらない先進国は日本だけ

消費者物価上昇率(2019年)
日本0.48%
中国2.9%
米国1.8%
カナダ1.95%
EU1.5%
英国1.74%
ロシア3.0%

2019年の物価上昇率を他の先進国と比較しても、日本の上昇率は低い結果となります。

日本を除く上記の国の物価は基本的に上昇推移を見せており、物価がここまで上がらないのはむしろ珍しい状況です。

物価が長期間変化しなかった原因として多いのは、長いデフレ不況でしょう。

不況下では商品をいかに安く提供するかが求められるので、物価は上がってきにくいです。

これと付随して、日本は賃金が長い間上がってこなかったので、消費の需要が上がらず、供給を拡大できませんでした。

全労連「実質賃金指数の推移の国際比較」

引用:全労連「実質賃金指数の推移の国際比較」

世界から見た時の特殊性は、上記のように海外と比較すると一目瞭然です。

日本の物価推移が横ばいの理由

世界の先進国は物価が右肩上がりで推移しているのが一般的です。

発展途上国も時間の経過に応じて物価は上昇しており、世界全体だと1991年から2021年の30年間で約6倍もアップしています。

一方で、日本はここ30年で物価はほとんど変わっておらず、横ばい推移を維持しています。

日本だけがこのような推移を見せている理由は何なのでしょうか?

理由①国内需要の低下

最も大きな要因としては、少子高齢化による需要の低下があります。

特にここ20~30年だと、微増傾向だった人口が±0になり、マイナスに転じるという流れなので、トータルで見ると需要の変化はほぼ見られません。

購入したいという需要が減れば、供給の価値は下がっていきます。

飲食製品などは、人口減少の影響をダイレクトに受けて物価が上がっていません。

理由②消費トレンドの変化

需要の拡大によって物価が上がるかどうかは、人口の他に国民性や社会の風潮も大きく関係しています。

例えば2013年~2019年の間は金融緩和政策などの影響によって景気は高騰し、都心の一部ではバブル期を超えるほどの地価高騰が見られました。

しかし一方で、国内消費は大きな伸びを見せなかったという声もあります。これはバブル崩壊の経験や将来の不安から家計の緊縮が起きたことが影響しています。

バブル期以降の日本では、「景気が良い時ほど稼ぎを貯蓄に回す」という考え方が浸透しており、大きな物価上昇に繋がらなかったことが考えられます。

理由③若者世代の減少に伴う消費欲の低下

少子高齢化の影響で、2021年の日本は人口のおよそ4分の1が年金受給者だと言われています。

年金受給者は決まった支給額で生活しなければいけないので、自然と節約志向になります。

一方で本来は消費欲が旺盛なはずの若者・学生の経済力が低下しており、生来の物欲の無さなども問題視されています。

収入の低い高齢者が増えたことと、生活の中でお金をかけることに魅力を感じなくなった若者の増加も要因の一つです。

理由④サービス業の価値の相対的低下

近年、日本は外食サービスや接客業への従事を希望する若者が減少しています。

欧米諸国ではこうしたビジネスはまだまだ人気である上、チップの文化のように質の高いサービスへ適切な対価を払うという文化が根付いています。

一方、日本人の多くは「質の高いサービスを安く提供するのは当たり前」という価値観が本能的にあります。

この“お客様は神様”文化が、経済の底上げを逃している要因でもあります。

物価が上昇しないデメリット

物価が上昇しないデメリット

物価が上昇しないというのは、一般消費者からすると有難い話のようにも聞こえます。

しかし実際は、物価の上昇がみられないことは経済的に大きなリスクでもあります。

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リスク➀景気が全体的に低迷している

商品が安くてお得ということと、物価が低いということは根本的に異なる問題です。

良い商品を安く提供するのは供給側の意思によるもので、消費者からするとメリットしかありません。

一方、物価が全体的に低い場合は国民の年収も合わせて低くなっている可能性が高いです。

自分の収入も減っているので、特にお得感を享受できる訳ではありません。

リスク②企業が国際競争に負けてしまう

経済的な要因だけでなく物価が上昇しないとしたら、国内企業が製造する製品に対して需要が集まらず、商品価値が低くなってしまうことも考えられます。

本来であれば上記のような社会の状態でも競争に勝とうとする企業が技術革新をおこない、価値を高めていくものです。

ただ、現在のグローバル社会では海外企業との競争も活発化しており、国の方針が丸ごと駄目だから、海外企業に勝てないというケースもあり得ます。

物価の推移が横ばいでも高収益を得るために企業は質の高い商品を開発していかなければいけません。そうした動きがみられない場合、国内の競争力が落ちていると考えられます。

リスク③物価主導の経済活性化ができない

国の景気が悪くても、需要の高い商品を製造して提供すれば、需要が拡大して物価は上がっていきます。

このような商品が市場に出回ると「何とかして買いたい!」という人が増えて、労働ニーズの向上から経済のベースアップにまで繋がります。

例えば、1950~1960年代は庭付き・自家用車付き一戸建てを30~40代で買うのがステータスという考え方が浸透し、そこを目的にして働くサラリーマンが多くいました。

物価が全体的に低迷し、需要を集める商品もない場合は、このような消費主導の景気回復が難しい状況でもあります。

物価上昇を促す方法

物価上昇を促す方法

物価を政治判断で上昇させる場合、どのような施策をおこなうのが一般的なのでしょうか?

ここからは、物価上昇を促す基本的な考え方を紹介します。

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金利を下げる

最も一般的なのが、貨幣の価値を下げるやり方です。

1円の価値が10年前の2分の1まで下がった場合、以前は100円で買えた商品は200円を出さなければ購入することができません。

デフレ不況に陥った時に金利をコントロールして物価を上げる手法は、日本を含めて広く使われています。

アベノミクスや0金利政策なども、この考え方を元にしています。

IT・デジタルとの連動を促す

商品に他の要素を持ってくることで価値を高めて、物価の上昇を目指す方法も良くとられます。

特に近年ではIT・デジタル技術との連動によって、商品の利便性を大きく向上させるケースが良く見られます。

技術革新は生産性向上などのメリットにも繋がるため、政府も積極的に推奨している国が多いです。

市場の柔軟性を向上させる

産業や企業がマンネリ化すると需要は下がり、物価は減少していきます。

こうした状況を避けるために、政府は独占禁止法などの法律で限られた企業の独占・寡占を制限しています。

その他にも、国によっては上場銘柄の評価を頻繁におこない、入れ替えを実施するところがあります。

柔軟なマーケットを構築し、権威性ではなく本当に成長している企業を評価する体制が、物価上昇をもたらします。

物価上昇は必ずしも良い訳ではない

上記の通り、物価上昇は経済に活力があると判断できる一方で、需要を無視した強制的な物価上昇は逆効果の可能性もあります。

インフラ政策で消費者の需要が拡大してきたタイミングでは、もう既にバブルのリスクも発生しているため、金利の引き締めに移行するケースも多くあります。

物価上昇が適切な状況下でおこなわれることは少なく、リスクと隣り合わせである点にも注意が必要です。

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