FXトレーダーなら一度は「ウォルフ波動」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ウォルフ波動はウェッジやフラッグのパターンをより明確に定義づけたもので、ニュートンの物理法則を基に導き出された理論で、レートが規則的に動く性質を用いて今後の相場がどのように変動するか推測するために使用されています。
イギリスがEUを脱退する際に行った国民投票時のポン円が大幅に下落した時にも実例のレートでは典型的なウォルフ波動を形成しており、この理論を用いていたトレーダーは暴落することが予想できていたという事例もあるほど信頼度の高い分析手法です。
様々ある分析手法の中でも信頼のあるウォルフ波動について、ラインの引き方やトレードでも活用方法など詳しく解説していきます。
FXのトレード手法とは?初心者でもわかりやすいトレードスタイルや分析方法を解説
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このページのもくじ
FXのウォルフ波動とは
ウォルフ波動とは長年、S&P500トレードをやっているビル・ウォルフとその息子のブライアン・ウォルフが考案した物理学の運動法則に基づいたチャートパターンを見極めるための理論です。
ニュートンの運動法則にある「作用反作用の法則」を基に導き出された方法で、物体を押した際に押し戻され、引っ張ると引き戻される力、つまり同一線上で同じ大きさの力が作用し合っている状態を実際のチャートパターンに応用したものです。
FXの市場で見られるウェッジやフラッグなどの波形でも、規則的に上昇と下降を繰り返す性質があるため、その規則性を用いてエントリーポイントや利確ポイントを決定する目安として使用されています。
ウォルフ波動はトレンドの天井や底を捉えることができ、また、成立した際の利益額が大きいといったメリットがある一方で、初心者には見つけにくいというデメリットもあります。
ウォルフ波動の見極め方
ウォルフ波動では上記の図のように、上昇と下落を繰り返している状態の時に発生し、①~⑤のポイントがウォルフ波動の理論に当てはまっているかによって見極めることができます。
ウォルフ波動の見極め方について上記の図のように上昇トレンドの例を用いて解説すると①は底から始まり②は天井、③は底、④は天井、⑤は底と上昇と下降を繰り返していることを確認します。
この時に③は①より低く、④は①より高く、⑤は①と③で結んだ直線の延長線上に位置していることが必須の条件となりますので、確認しましょう。
⑤の位置は多少上下しても機能します。
上記の条件を確認できたらウォルフ波動の発生が確認できていますので、実施にラインを引いてトレードで活用しましょう。
下降トレンドの場合は上昇トレンドのパターンと反対に、②~⑤までの動きが反転した際にウォルフ波動を確認できます。
ウォルフ波動のラインの引き方
先ほど紹介した方法でウォルフ波動を確認できたら実際にラインを引いてみましょう。
ウォルフ波動のラインを引く際は①を起点として④を通過する線「A」と①を起点として③・⑤通過する線「B」の2本のラインを引きます。
ウォルフ波動では今後の相場がAとBに囲まれた範囲の中で変動すると予測し、⑤の後に価格がAに到達するポイント(⑥)の目安として、①から④までの距離と④と⑥までの距離がある程度同じになると予測して、エントリーポイントや利確のポイントを見極める際に参考にします。
トレードで活用する具体的な方法については、次の項目で説明したますので確認していきましょう。
ウォルフ波動を用いたトレード方法
ウォルフ波動ではニュートンの物理法則のように規則的にレートが変動する性質から、⑥のポイントが線Aのどのポイントに到達するか予測できます。
また、⑥が線Aを超えた場合はそのまま上昇し、①と④を結ぶ線(C)の延長線上で天井に達することが多いです。
上記の性質を活かして、エントリーポイントや利確・損切りポイントの見極めに活用できますので、具体的な方法について確認していきましょう。
エントリーポイントを見極める
ウォルフ波動では⑤が線Bで反発してからエントリーするようにしましょう。
反発の確認について、線Bのギリギリで判断してしまうと万が一、線を引き間違っていた場合に損を誤った判断をしてしまう可能性がありますので、確実に反発を確認できてからエントリーすることをおすすめします。
上記のエントリー方法の他にも⑥が線Aを超えて、一旦戻りを見せて再上昇したタイミングでエントリーする方もいるようです。
利確ポイントを見極める
ウォルフ波動は、⑥の波が線Aに達した時点で反転するパターンと、線Aを超えて線Cまで到達するパターンの大きく分けて2パターンありますので、利確ポイントも2つあります。
線Aと線Bの傾斜が浅い場合は⑥の波が線Aに達した時点で反転することが多く、反対に傾斜が強い場合は線Aを突破することが多いです。
そのため利確ポイントも状況に応じて、線Aまたは線Cの2つを使い分けるとよいでしょう。
損切りポイントを見極める
ウォルフ波動は先ほど紹介した「ウォルフ波動の見極め方」の方法に則って見極めた場合でも、機能しないこともあります。
そのため⑤の波が線Aを突破した場合は、ウォルフ波動が正しく機能していないサインなので、損切りしましょう。
基本的には⑤の波が反発してからエントリーすることをおすすめします。
反転パターンを見極める
ウォルフ波動はニュートンの物理法則のとおり「作用と反作用の関係性」を基に考案された理論であるため、上昇しているトレンドも一定のポイントで反転して下降するといった考えもあり、反転パターンの見極めにも使える手法と言われています。
前述したとおりウォルフ波動は、⑥の波が線Aに達した時点で反転する可能性があり、⑥の波が線Cに達した時点でも反転することが多いです。
上記の2つのパターンを抑えておくと、反転するタイミングを見極めることができるでしょう。
ウォルフ波動を有効活用する際のポイント
世の中の様々なものが需要と供給のバランスによって価値が変動するように、各通貨の価値もニーズによって変動するためにFXの相場も変動します。
FXの相場が変動する背景には金融政策や各国の経済状況など社会情勢の変化やトレーダーの心理に基づき需要が変化することがあり、多くの分析手法ではトレーダーの心理変化に基づき考案されています。
ウォルフ波動もトレーダーの心理状況の変化によって変動する相場に規則性を見出し考案された理論であるため、全ての状況に当てはまるわけではありません。
そのため他の手法と組み合わせて活用することが必要で、ここからはウォルフ波動をさらに有効的に活用する方法について紹介していきます。
他のインジケーターと併用する
ウォルフ波動の元となっているニュートン理論では同一直線状で2つの力が反対方向に働く作用と反作用の理論があり、ある一転を中心に円弧上に左右に動く「振り子」もニュートン理論に該当します。
振り子の現象を基に考案されたオシレーター系指標は、相場の変化の大きさによって「買われすぎている」「売られすぎている」の状態を判断する指標として活用されていることもあり、ウォルフ波動に近い考え方があります。
そのためウォルフ波動と併用して活用すると両方の分析結果の信頼度を高められますので、複数のインジケーターを併用して分析しましょう。
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ウォルフ波動を活用して勝率を上げよう
ウォルフ波動はニュートンの物理法則を基にウェッジやフラッグのパターンのより定義づけたもので、信頼性が高いため多くのFXトレーダーが活用している理論です。
ウォルフ波動はトレンドの天井や底、反転するタイミングを見極めることができますので、ウォルフ波動を認識した場合は大きな利益が期待できます。
そのため勝率を高めることも可能です。
FXで利益を上げるため、まずは基礎知識を読み戦略的に取引していきましょう。