FXトレードをしている人にとっては、FX会社はトレーダーのために取引を仲介してくれるありがたい存在です。
しかし一部のFX会社では呑み行為という、インターバンク市場を介さずに取引を行っている可能性があります。
呑み行為は利益が欲しいトレーダーにとっては避けておきたい行為ですが、おこなっているかどうかを判別することは非常に難しいです。
そこで本記事ではFX会社が呑み行為を行っているのかどうかを解説していくとともに、トレーダーに与える影響や避けるための方法についても紹介していきます。
FXとは何?知っておきたいFXの基礎を初めての人にもわかりやすく解説
※本ページにはPRが含まれます。
このページのもくじ
呑み行為とは?
呑み行為とはFX会社がインターバンク市場を介さずに取引をおこなうことを表します。
呑み行為自体は法律で規制されていない行為ですが、トレーダーの利益を考えると避けておきたいものです。
ここからは呑み行為について具体的に説明していきます。
インターバンク市場を経由せずに取引を行うこと
呑み行為はインターバンク市場を経由せずに、トレーダーとFX会社間でトレードを完結させる行為ということは説明しました。
実際に呑み行為をおこなわれると、FX会社はトレーダーの注文通りにトレードをおこなわず、預かったお金から利益をむさぼります。
「トレードというのはほとんどの確率で負ける」という前提条件を利用したトレーダーにとっては避けておきたい行為です。
日本のFX会社は呑み行為をおこなっている?
呑み行為についての理解が深まったところで気になるのが、日本国内のFX会社は呑み行為を行っているのかどうかになります。
日本では呑み行為自体は、法律で規制されているわけでもなく合法な行為です。
呑み行為が合法な日本国内では呑み行為が頻繁に行われているのではないかと不安になります。
日本国内ではほとんど呑み行為はおこなわれていない
実際のところ、日本国内ではほとんど呑み行為はおこなわれていません。
呑み行為をおこなっているFX会社がほとんどいないというのは、トレーダーにとっては安心できます。
しかし日本国内のFX会社の少数は、呑み行為をおこなっているということも事実です。
私たちトレーダーは呑み行為の被害にあわないためにも、注意してFX会社を選ばなければなりません。
カバー取引からみる日本国内の呑み行為の状況
日本国内ではほとんど呑み行為がおこなわれていないことを証明するために、金融庁が平成22年におこなった調査を基に説明していきます。
金融庁がおこなった「外国為替証拠金取引業者に対する一斉調査の結果」についてでは、FX会社がおこなっているカバー取引の割合を確認することが可能です。
カバー取引とはトレーダーとおこなった取引と同様の取引をインターバンク市場ともおこなうことを言います。
カバー取引をおこなったということは、トレーダーの取引が正常におこなわれているということです。
カバー取引の実施状況 | |
---|---|
フルカバー | 73% |
一部カバー | 27% |
カバー率 | |
---|---|
100% | 73% |
90%以上100%未満 | 4% |
70%以上90%未満 | 4% |
50%以上70%未満 | 7% |
30%以上50%未満 | 5% |
30%未満 | 7% |
しかし先ほども説明しましたが、呑み行為をおこなっているFX会社が存在していることも事実です。調査結果を見てわかるように、ほとんどのケースでカバー取引がおこなわれており日本国内では呑み行為があまりおこなわれていないことが分かります。
FX会社を選ぶ際には十分に注意しましょう。
呑み行為によるトレーダーへのメリット
ここまでは日本国内で呑み行為がおこなわれているのかどうかについて説明してきました。
呑み行為はトレーダーの利益を中抜きするためトレーダーにとっては避けておきたい行為ですが、実際のところ呑み行為をおこなうことによってトレーダーにメリットが生じることがあります。
メリットを理解しておくことによって、呑み行為をおこなっているFX会社を選んでもいいのかどうかが異なってきますので、しっかりと確認しておきましょう。
スプレッドを狭く提供できる
呑み行為によるトレーダーへのメリットとして、まずスプレッドを狭くしてトレーダーに提供できるということが挙げられます。
呑み行為を実際におこなうとなれば、FX会社はインターバンク市場と取引をしなくなり、手数料を支払う必要が無くなります。
FX会社がインターバンク市場への手数料を削減することにより、トレーダーにはスプレッドを狭くして提供することが可能です。
スプレッドが狭いことによって、トレーダーは取引コストを削減することができます。
キャンペーンを実施している場合が多い
呑み行為をおこなっているFX会社は、おこなっていない会社に比べ得られる利益が多いです。
利益をしっかりと取っているFX会社は、呑み行為をおこなっていない会社に比べ、キャンペーンを実施するなどの資金的余裕があります。
キャンペーンを利用して呑み行為で取った利益をトレーダーに還元しているパターンがあるため、しっかりと確認しておきましょう。
呑み行為によるトレーダーへのデメリット
呑み行為にはメリットもありますが、もちろんデメリットもあります。
利益がFX会社に取られる以外のデメリットを把握しておくことによって、自分が呑み行為をおこなっている会社を本当に使わない方がいいのかを判断することができるため注意が必要です。
それでは呑み行為がトレーダーにもたらすデメリットについて詳しく見ていきましょう。
スプレッドを広げるように操作される
FXトレードでは自然災害や金融危機などによって、スプレッドが広がることがあります。
スプレッドが広がるということ自体は普通のFX会社でも起こり得ることですが、呑み行為をおこなっている会社であれば意図的に広げているかもしれません。
通常のスプレッドの反応よりもより広くスプレッドを取ることで、FX会社はトレーダーから手数料として利益を得ることが可能です。
スプレッドが極端に広がっていないかは注意しておきましょう。
注文した条件で約定されないことがある
呑み行為をおこなっているFX会社を介してトレードをおこなうと、注文した条件で約定されないことがあります。
FX会社からするとトレーダーに利益を出してもらうことより、損失を被ってもらった方が利益になります。
トレーダーに勝たせないように、わざと注文された条件とは異なる条件で約定するというケースが頻繁に起こっているのも事実です。
トレードをおこなう際にはくれぐれも注意しておきましょう。
呑み行為を避けるための方法
ここまで読み進めてきて、「やっぱり呑み行為は避けておきたい」という人は呑み行為を避けるための方法をしておく必要があります。
呑み行為を避けるための方法を知っておかないと、いざFX会社を選ぶ際に手間取ってしまいます。
それでは呑み行為を避けるための方法について解説していきましょう。
取引所取引をおこなう
取引所取引とはトレーダーがFX会社を通じて取引所と取引をおこなうことを表します。
取引所取引をおこなうことによって取引の透明性が増すため、トレーダーは安心してトレーをおこなうことが可能です。
しかし今現在、日本国内では東京金融取引所がおこなっているくりっく365というトレードでしか取引所取引をおこなうことができません。
取引所取引ではあくまでFX会社を通じて取引をおこなうだけなので、呑み行為が発生する心配はないです。
NDD方式を採用しているFX会社を選ぶ
取引にNDD方式を採用しているFX会社を選ぶことによって、呑み行為をさけることが可能です。
取引の方法はDD方式とNDD方式の2種類に分かれます。
DD方式とNDD方式の違いはトレードにFX会社を介するかどうかです。
NDD方式ではFX会社を介さず、トレーダーとインターバンク市場が直接取引をおこなう方式のことをいいます。
呑み行為は仲介するFX会社がおこなうため、NDD方式であれば呑み行為を避けることが可能です。
呑み行為を避けFXトレードにおいて利益を得よう
呑み行為はFXトレードで利益を出すためには避けておきたいものです。
日本国内の会社のほとんどは呑み行為をおこなっていませんが、一定数は呑み行為をおこなっている会社もあります。
呑み行為を避けるための方法を知っておくことにより、利益を多く稼ぐことが可能です。
呑み行為を避けて、FXトレードで利益を得られるようにしましょう。