バイイング・クライマックスが起こると相場が急変して、大きく利益を上げるトレーダーと損失を出すに分かれてしまいます。
多くのトレーダーがトレンドに参加して価格が上昇し、その後の売り注文によって為替相場が急落するからです。
とくにFX初心者の人はトレンドの流れに身を任せて、急な値動きに対応できずに損失を出す人は少なくありません。
損失を回避するにはバイイング・クライマックスの特徴や使い方を知るべきです。
この記事は初心者向けに損失のリスクを回避する方法について解説します。
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このページのもくじ
バイイング・クライマックスとは
バイイング・クライマックスとは、為替相場の価格の上昇が頭打ちになる局面のことです。
上がり続けた価格がピークになり、その後は価格下落に転じる状況になります。
反対に価格上昇の見通しがない場合は一気に価格が下落するため、決済タイミングを間違えると大損する可能性があります。
バイイング・クライマックスで利益を狙う場合は、為替相場の動向や他のトレーダーの動きに注意して売却を行いましょう。
逆張りのチャンスになる局面
バイイング・クライマックスは市場に買い注文が殺到している状態なので、逆張りを仕掛けることで利益を得やすくなります。
理由として多くのトレーダーは価格の上昇に応じて買い注文を入れるので、天井に近づくタイミングを見計らって売りの注文を入れると勝ち逃げができるからです。
上昇トレンドの市場は他のトレーダーが楽観的な判断をしやすく、バイイング・クライマックスを想定せずに買い注文を入れている場合が多いです。
そこで価格の天井を予測して、逆張りの注文を入れて急激な価格の下落する前に売り抜けると、他のトレーダーが売り注文に転じる前に利益を確保できるでしょう。
反対のパターンはセリング・クライマックス
セリング・クライマックスとは売り注文が殺到して底値になる状態を指します。
英語表記の”selling climax”は「売りの最高潮」の意味であり、バイイング・クライマックスとは反対のパターンです。
セリング・クライマックスは、価格が下がり続ける市場で損失を拡大させたくないトレーダーによって売り注文が増えて、さらに価格の下落が加速します。
底値を打つタイミングを見極めるのは難しいですが、下がった相場は必ず上昇するので、セリング・クライマックスは買い注文を入れるチャンスでもあると考えましょう。
バイイング・クライマックスの特徴
トレーダーによる注文が殺到した状態なので価格が伸びにくく、急に下落する可能性があるので注意が必要です。
なぜなら多くのトレーダーが価格上昇の流れに乗るため、値上がりするまでの時間が早く、一斉に売り注文になる危険性が高いからです。
そのためバイイング・クライマックスが起こる前は、いつでも利確できる状態を維持しましょう。
チャートの大天井でレートが伸びない
バイイング・クライマックスは買い注文をするトレーダーが増えすぎている状態なので、チャートが大天井になってレートの伸びが期待できません。
中長期的な上昇相場の最終局面において、参加者が値上がりを予測して強気なトレードを仕掛ける人が増えるため、相場の価格が急騰してしまう状態になります。
その後は価格の上昇によって購入者の数が減っていき、為替相場が売り注文に傾くことで価格の急落を招いてしまいます。
チャートの大天井で価格が上昇しなくなった時は、いつ価格の下落が起こるかはわからないので、レートが伸びなくなった状態には注意が必要です。
大きく下落する可能性がある
バイイング・クライマックスは価格が上昇が限界まで達しているため、急に価格が下落する可能性が高いです。
なぜならチャートが大天井に達すると売り注文を考えるトレーダーが増えて、一度下がり始めたら急落するからです。
ロングポジションを持っている人は利確するベストタイミング
バイイング・クライマックスはチャートが大天井になるため、ロングポジションを持っている人にとって利確するのに最も適したタイミングになります。
さらに価格が急落する前に通貨を売却することで損失を防げるので、利益の確保以外のメリットも大きいです。
ただし価格が最も高いタイミングは掴みにくく、バイイング・クライマックスを予測しながらの取り引きは難しいといえます。
投資の原則は「上がった相場は下がり、下がった相場は上がる」なので、チャートの動きはパターンや法則などから判断しましょう。
バイイング・クライマックスで利確するためにはトレードを繰り返す中で特徴を把握し、適切なタイミングでの注文を狙うことが重要です。
バイイング・クライマックスを活用した取引手法
FXは理論やルールを利用することで、トレンドの予測や値動きの把握がしやすくなり、バイイング・クライマックスを活用したトレードが可能になるでしょう。
とくにトレンドの始まりと終わりを分析できるようになれば、エントリーや損切りのタイミングを間違えにくくなるので、トレンドの転換だけでなく市場の分析などに有効に活用できます。
ダウ理論を元にトレンド転換を読み取る
ダウ理論を元にトレードの戦略を立てると、トレンドの転換からバイイング・クライマックスのポイントを読み取りやすくなるでしょう。
なぜならトレンドは「転換シグナルが出るまで継続する」ことが原則だからです。
トレンドの転換を読み取るには、ダウ理論を元に為替相場の分析を行うことが適しています。
他にはダウ理論の基本原則の一つである「トレンドは短期・中期・長期の3つに分けられる」の原則は、トレンド転換の分析に応用可能です。
エリオット波動からバイイング・クライマックスを読み取る
エリオット波動はトレンド動きをパターン化し、値動きの上昇と下降するタイミングをルールに落とし込んだ理論のことです。
エリオット波動の基本は「上昇5波・下降3波」といった、5つの値上がりと3つの値下がりから構成されるルールになります。
ルール化することで値動きのパターンを掴みやすくなり、バイイング・クライマックスのタイミングを読み取りやすくなります。
エリオット波動は「相場はN字で動く」というN波動を原則としており、全ての時間軸でチャートの分析に有効に活用できる方法です。
とくにテクニカル分析を行う際の基板にすることをおすすめします。トレードの局面を把握することで、値動きを予測が立てやすくなります。
バイイング・クライマックスに関する注意事項
値上がりに影響された大衆心理によって急激に相場が変動し、値下がりするタイミングが読みにくくなるため、相場の流れを把握しなければなりません。
また値下がりするタイミングを予想しても、確実に値下がりする保証はないので、市場の動向を分析して臨機応変に対応する必要があります。
バイイング・クライマックスが始まってから市場に参加するのではなく、事前に相場が動くことを予測してエントリーすることを意識しましょう。
大衆心理を無視すると真逆の方向にエントリーしてしまうので注意
FXにおいて大衆心理を知ってトレードを行うことは重要です。
なぜなら多くの人は相場の変動に流されやすく、レートが動き出してから慌てて注文を入れるためです。
反対方向にエントリーする時は、事前にトレンドの方向が予測できている時であれば、大きく利益を出す可能性が高まります。
トレンドを後追している大衆心理と真逆の方向に注文を入れてしまうと、トレンドの流れと真逆にエントリーすることになります。
常に大勢が動く方向を把握して取り引きを行うことを意識しましょう。
バイイング・クライマックスと判断しても下落しない場合がある
バイイングクライマックスの予測が外れて注文を入れてしまうと、本来得られたはずの利益を取り逃してしまう可能性があります。
価格が下落しないと損切りのタイミングを間違えてしまい、他のトレーダーが価格上昇の恩恵を受けることになるでしょう。
基本的に相場に絶対はないので、ダウ理論やエリオット波動などで分析できても予想通りに動く保証はありません。
投資の原則や市場分析は仮説を立てるために利用し、勝つ確率が高いレートを選択してトレードを行いましょう。
バイイング・クライマックスは上昇の最終局面なので損失リスクに注意して取引しよう
バイイング・クライマックスは価格の上昇の天井なので、利確することで大きく利益を得られる可能性がありますが、同時に急な値下がりで損失を出す危険性もあります。
少しでも注文のタイミングを間違えると、他のトレーダーの売り注文に巻き込まれて損失を拡大させてしまうでしょう。
損失を出さないためには、市場分析によりトレンドの流れを把握し、為替相場の動向を観察し続けなければなりません。
リスクを完全に避けて取引を行うことはできないので、過去のデータを分析して勝率を高める意識が必要です。