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給与ファクタリングは違法?詳しい特徴と給与前払いサービスを合わせて紹介

「給与ファクタリング」という、給与を早めに受けとることができるシステムを知っていますか?

どうしてもお金が足りない時に給料を早めにもらうことができるなら使いたい人もいるでしょう。

ですが、実は給与ファクタリングは違法行為とみなされることがあります。

この記事では給与ファクタリングの具体的な解説と違法行為に当たる理由、さらに似たシステムの給与前払いサービスについて紹介していきます。

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※本ページにはPRが含まれます。

給与ファクタリングとは?

給与ファクタリングとは?

給与ファクタリングとは、給与を対象にするファクタリングサービスのことを指します。

ファクタリングサービスとは、企業が取引先に対して持つ売掛金債権を買い取るサービスです。

手数料はかかりますが、売掛金の支払期日よりも早く現金を手にすることができるので広く使われています。

給与ファクタリングは、売掛債権ではなく給与債権を売却することで現金化するファクタリングのことを指します。

ファクタリングは本来、法人間の資金繰りのために作られているサービスなので、個人と企業の間で行われる給与ファクタリングは珍しいです。

給与ファクタリングの仕組み

給与ファクタリングは、次のような仕組みで行われます。

  • 利用者が自身の企業に勤務し、給与が発生する
  • 利用者が給与債権(給与をもらえる権利)を給与ファクタリング会社に譲渡
  • 給与ファクタリング会社が利用者に対して代金を支払う
  • 利用者の勤務先の企業が利用者に給与を支払う
  • 利用者が給与ファクタリング会社に給与を受け渡す

簡単に言えば、給与ファクタリング会社から先に手数料を引かれた給料をもらって、本来の給料がはいったタイミングで返却するというシステムになります。

手数料を取られる分金額面では多少損をしますが、それでも数週間早めに給与を受け取ることができるのでお金に困っている人は利用するでしょう。

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給与ファクタリングは違法行為

給与ファクタリングは違法行為

結論から言えば、給与ファクタリングは違法行為です。

後程紹介もしますが、実際に摘発されて賠償金を支払っているケースもあります。

給与ファクタリングを受け取る側からすれば、手数料がひかれるだけで給与を早めに受け取ることができるので便利だと思うかもしれませんが、実際には犯罪なので利用してはいけません。

給与ファクタリングは貸金業に当たる

給与ファクタリングが違法行為になる理由は、給与ファクタリングが貸金業に当たるからです。

貸金業自体が違法というわけではありませんが、貸金業に当てはまるならば次の貸金業法にのっとって行動しなければいけなくなります。

貸金業法の一部
  • 貸金業登録をしなければならない
  • 定められた上限金利内で金利を抑えなければならない

給与ファクタリング会社は以上の貸金業法に違反しているので、違法とみなされました。

給与債権を扱うことが違法行為

一般的なファクタリングが売掛金債権を扱うのに対し、給与ファクタリングは給与債権を取り扱います。

給与債権には、他の債権とは違って次のような原則があります。

給与債権の原則
  • 直接払いの原則
  • 通貨払いの原則
  • 全額払いの原則
  • 毎月一回以上の定期払いの原則

中でも、問題視されたのは直接払いの原則です。

直接払いの原則を簡単に言えば、「労働者の賃金は労働者にしか支払えない」という原則になります。

給与ファクタリングでは給与債権をファクタリング会社に譲渡しているので、給与債権の直接払いの原則に背いています。

つまり本来給与の支払いを督促できるのは会社に帰属する利用者だけなのに、給与ファクタリング会社が給与債権を持っているという矛盾が生じています。

給与ファクタリングを行う場合はどうしても給与債権を映す必要があるので、この原則が守れず、みなされることになります。

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給与ファクタリングの危険性

給与ファクタリングはそもそも、かなり危険をはらんでいます。

「給与ファクタリングは違法だからしてはいけない」というだけではなく、次のような危険性があるので利用すべきではありません。

給与ファクタリングの危険性
  • 手数料が高い
  • 依存性が高い

以下にそれぞれ解説していきます。

手数料が高い

給与ファクタリングでは、給与ファクタリング会社に手数料を支払って事前に給与をもらうと説明しましたが、実はこの手数料が相当高いです。

給与ファクタリング会社の手数料は約10~30%とされているので、20万円の給料であれば約2~6万円の手数料がかかります。

貸金業法で定められている利息制限法は年率の利息が10~15%の範囲なので、年利換算すれば120~360%になる給与ファクタリング会社の手数料は大きく逸脱しています。

実際に5万円近くの手数料を取られてまで早めに給与をもらうのはわりにあっていません。

依存性が高い

手数料が高いことも原因の一つですが、給与ファクタリングは依存性が高い性質があります。

一度給与を事前にもらうと、元の給与が入るタイミングに戻すのは非常に困難です。

手数料も高いためお金を貯めることも難しく、損をしているとわかっていながらもずるずると続けることになってしまいます。

そうならないために、給与ファクタリングはやらないと心に決めておく必要があります。

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給与ファクタリングの違法事例

給与ファクタリングが違法だと摘発されたのは2020年と比較的最近のことです。

以下に給与ファクタリングの摘発事例を紹介していくので、確認してみましょう。

全国初の給与ファクタリング摘発をした大阪府警

令和2年7月に大阪府警によって、初めて違法な給与ファクタリング業者が摘発されました。

貸金業登録を済ませていなかったため、給与ファクタリング会社で働く従業員4人が貸金業法違反で捕まりました。

この事例は金利が年利630~1,620%と法定金利を大幅に上回っており、貸金業法に違反しています。

またわかっているだけでも4ヶ月間で2,800人もこの業者を利用しており、1億1800万円もの手数料が徴収されていたことが判明しています。

ここまで大きくなってようやく、給与ファクタリング会社の違法性が注目されました。

北海道で摘発された東京都内の業者の事例

令和3年2月には、北海道内の人が利用した東京都内の給与ファクタリング業者が北海道警に摘発されました。

この業者も先ほどと同じように貸金業登録を行なっていないので、出資法違反の疑いがあります。

摘発時点で判明している利用者(被害者)は北海道内外の5人でしたが、後から実際に被害に遭っている人数も数えると1,200人以上にのぼりました。

それに伴い、貸付額も摘発時点では合計163万円とされていましたが、総額1億円以上が貸付されています。

インターネット広告を通じて利用者を募っていたため、被害に遭っている人が分かりづらくなっていました。

福岡県での摘発事例

令和3年1月には福岡県で貸金業登録を済ませていない業者が、給与の前借りという名目で貸付をして摘発されています。

給与ファクタリングを運営していた社長と社員3人の合計4人が逮捕されました。

手数料も法定金利を上回っており、年利300倍近くが設定されていました。

給与ファクタリング会社は貸付業法に違反して法外な手数料を設定していて摘発されています。

実際に利用している人はお金を借りている立場なので警察に通報することは難しく、発見が遅れるケースが多いです。

給与前払いサービスは合法

給与ファクタリングと似たものに、給与前払いサービスというものがあります。

利用者からすれば給与を事前に受け取れるサービスで給与ファクタリングと変わりませんが、実態はかなり違いがあります。

給与前払いサービスは、会社から事務委託料を受け取り給与の支払を受託することで、即日の給与振り込みをしているサービスです。

給与前払いサービスはファクタリングではないので、違法になりません。

利用者から直接給与債権を買い取ったり、資金を回収したりする給与ファクタリングとは異なります。

給与前払いサービスは合法証明済み

給与前払いサービス会社である株式会社ペイミーが金融庁のグレーゾーン解消制度を使った照会書を出しています。

簡潔に説明すると、給与前払いサービスは貸付業に当たらないことを証明する照会書です。

株式会社ベイミーの会社形態が合法であると証明されただけなので、他の会社は同じようにいかないかもしれませんが、基本的には給与前払いサービスも同じように合法です。

サービス自体が整備中で変わる可能性もある

給与ファクタリングが摘発されたのが2020年と比較的最近なことからも、給与ファクタリングや給与前払いサービスはまだ整備しきれていません。

給与前払いサービスもグレーゾーンではあるので、多少取引の仕方が違っていたり、手数料が高いと違法になる可能性があります。

また法整備がされて、すべての前払いサービスが違法とされる可能性もあります。

そのため給与前払いサービスは完全に安全というわけではないことは理解しておきましょう。

明らかに手数料がかかる会社はほとんどありませんが、中には手数料をかけてくる会社もあるので気をつけましょう。

おすすめの給与前払いサービス3選

おすすめの給与前払いサービス3選

では実際に、おすすめの給与前払いサービスを3つ紹介します。

おすすめの給与前払いサービス
  • 先払い
  • OLTAクラウドファクタリング
  • ビートレーディング

手数料もそれほどかからず、信頼できる会社です。

以下にそれぞれの特徴を解説していきます。

先払い

先払い

手数料一律10%
買取金額1万円~10万円(初回)
オンライン完結
債権譲渡登記不要
運営会社yup株式会社

「先払い」はyup株式会社が提供する給与前払いサービスです。

2019年9月にβ版がリリースされ、開始7日で流通金額1500万円を突破した業界でも注目されています。

初回は上限金額が10万円と制限はありますが、早めに少額の現金が欲しい方にとてもおすすめのサービスです。

OLTAクラウドファクタリング

OLTAファクタリング

手数料2〜9%
買取金額上限・下限なし
オンライン完結
債権譲渡登記不要
運営会社OLTA株式会社

OLTAクラウドファクタリングは、OLTA株式会社が運営する給与前払いサービスです。

手数料が2~9%と低いので、非常に使いやすいです。

買取金額も上限がないので、効率よくお金を稼ぐには最適のサービスです。

ビートレーディング

ビートレーディング

手数料2%〜
買取金額100万円〜
オンライン完結
債権譲渡登記不要
運営会社株式会社ビートレーディング

ビートレーディングはファクタリング業界でとても有名な企業で、給与前払いサービスも行っています。

手数料は2%〜と安く、即日での入金もできるため、個人の方が使うには非常に向いています。

ただし、初回はオフラインでの面談が必要なので、店舗が近所にない場合は利用できない可能性があります。

住んでいる地域によっては利用しづらいかもしれないことは理解しておきましょう。

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給与ファクタリングは違法!給与前払いサービスを使おう

給与ファクタリングは事前に給与をもらえるシステムですが違法です。

手数料も高く問題になっているので、もし給与を早めにほしいと思っていても利用しないようにしましょう。

似たようなサービスである給与前払いサービスは合法なので、使いたい人はそちらを使うようにしましょう。

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