トルコリラは新興国通貨の1つで、金利が高いことからスワップ運用として高い人気がありました。
しかし2015年頃から大きな下落が始まり、2021年現在も下落が続いています。
下落の原因は金利下げもありますが、政治面での安定性や治安問題も絡んでいる為下落を止めるには多くの原因を解決する必要があります。
今回はトルコリラ円がどこまで下がりつづけるのか解説していきます。
2021年はどのような動きをするのか相場予想もしているので、トルコリラ円の動きが気になる人や、スワップ運用をしようか悩んでいる人は参考にしてください。
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このページのもくじ
トルコリラ円は長期的に下落相場になっている
トルコリラ円は長期的に下落相場になっている通貨ペアで、下落は約5年以上続いています。
2015年前までは金利も高く、金利差を狙った運用方法「スワップ取引」で資産運用していたトレーダーもいましたが、2021年現在はスワップ取引で利益を出すのが厳しい状況になっています。
2020年にトルコは金融政策を大きく転換し、金利上げを実施した時は値上がりが期待されていましたが上昇は一時的なもので、2021年3月現時点では最安値の一歩手前の値を上下しています。
スワップポイント取引で稼ぐ時代は終わった
トルコリラ円はスワップポイント取引で高い人気を得ており、現在もFX会社側がスワップ取引におすすめの通貨として宣伝しています。
しかしチャートを見ると2015年から始まった下落の勢いは止まらず、2015年53.969から2021年は13.264を記録しています。
約6年間で40円も下がり続けているのは珍しく、最悪の場合トルコリラ円は為替市場から撤退するのではないかと噂されています。
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トルコリラ円は2021年どこまで下がる?相場予想を解説
トルコリラ円の下落を左右するのは、金利政策だけではありません。
トルコは元々問題の多い国で、戦争問題や経済面をクリアにしていかないと今後も下がり続けると予想されています。
更に2020年のコロナショックも加わり、経済不況が国を圧迫しているので上昇の目処が立っていません。
これから2021年の相場予想を詳しく説明していくので参考にしてください。
2020年のコロナショックによる金利低下で下落が更に加速
2020年コロナショックによって世界各国で緊急事態が宣言され、「ロックダウン」が多くの国で実施された為、株式市場が大暴落し為替市場も急落しました。
上記の動きによってトルコリラ円も暴落し、一時期14円半ばまで下落しました。
2020年3月後半には経済対策として1000億リラが発表されていましたが、トルコ中銀の利下げスタンスを継続していた為トルコリラ円を上昇転換するには材料不足となってしまいました。
新型コロナウィルスによる市場への影響は現在緩和され、除々に新興国通貨も安定してきていますがトルコリラ円は下落を続けています。
既にトルコでは235万人以上のコロナ感染者を記録しており、中国製のワクチンを投与していますが効果は未知数です。
しかし、トルコの医療水準は高く他の新興国と比べるとコロナ面で心配する必要はあまりありません。
医療水準観点でみると深刻に見る必要はありませんが、他の要因で下落が止まっていないので楽観視することはできません。
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アーバル総裁の新体制によって下落傾向を緩和する可能性がある
トルコリラはインフレ率が安定していない状況を懸念し、エルドアン大統領はチェィンカヤ中銀総裁を校正し新しく中銀総裁と財務相を交代しています。
新しくなった中銀総裁アーバル総裁は、インフレリスクを排除する為に大幅な政策金利引き上げを開始し、トルコリラ円相場は5%以上一時期上昇しました。
今後インフレ率はトルコ相場次第できまりますが、エルバン新財務相も透明度のある政策をしていくと宣言しており金融政策はある程度期待することができます。
今後エルドアン大統領が中銀の動きをどこまで受け入れられるかによって、トルコリラ相場は変化していくと予想できます。
しかし、いくら金利上げをおこなうといってもインフレ率を食い止めることができない限り下落は続くと予想されています。
トルコ経済の指標で為替変動を読むことが困難な状況
トルコの1018年GDPを見ると世界で18位に位置しています。
トルコのメイン産業は工業が中心で衣類分野の輸出が多くおこなわれています。
大手自動車メーカーがトルコの財閥と合併しており、国内に向上があることから有力な外貨の獲得源になっています。
トルコは鉱物資源にも恵まれていますが、石油や天然ガスがまかなえておらず経常赤字国となっており外貨準備不足が現状です。
トルコ中銀はトルコ安を食い止める為にドル売りに介入していることから、外貨準備不足は加速しています。
しかし、原因を紐解くとトルコリラ中銀の政策次第では問題解決することが多くトルコリラ円の下落も中銀の動き次第で変わることがわかります。
トルコリラ円は下落が続くから取引は危険?
上記の予想を踏まえて、トルコリラ円の取引参入の危険性を解説します。
現時点ではトルコ中銀の動きも読めていないので、上昇する材料が無い状態です。
ショートエントリーで戦略立てするとしても、下落の激しさからFX会社が配信をストップする可能性もあります。
FX初心者にはおすすめできない相場状況となっているので、取引を考えている人はエントリーに慎重になるべき状況です。
長期的スワップ運用は控えよう
スワップ運用にはかなり適していない状況なので、スワップ運用を考えている人は他の新興国通貨ペアでスワップ運用することをおすすめします。
トルコリラの金利上げにより一時期上昇したトルコリラ円も、上昇はストップし現在最安値に戻りつつあります。
スワップポイントを獲得できても、変動幅によるマイナスが多くなるので、取引はおすすめできません。
どうしてもトルコリラ円のスワップ運用をしたいという人は、両建てトレードで純スワップ利益を積立てていくことをおすすめします。
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ショートポジションでのエントリーも危険
長期下落をしているのであれば、ショートポジションでエントリーすれば利益がでると思う人もいますが、ショートポジションでのエントリーもおすすめできる状況ではあります。
まずトルコリラ円のショートポジションは、スワップポイントがマイナスになっている為、長期保有すればするほど取引コストが加算される状況になります。
更に下落が続いている為スプレッドが広く、大きく下落した際にFX会社がレート配信を停止する恐れもあります。
トルコリラ円は下がり続けているのでスワップ運用はおすすめできない
トルコリラ円は2021年も下落する可能性が高く、インフレ率や治安面の問題をクリアにするまでは回復する可能性は低いです。
スワップ運用は長期的に投資するからこそ利益をだせるので、トルコリラ円のような下落が続いている通貨ペアでの長期トレードはリスクが高くおすすめできません。
比較的に安定している南アフリカランド円やメキシコペソ円がおすすめ
トルコリラは新興国通貨で金利も高いのでスワップポイントも高く設定されていますが、トルコリラ以外にも新興国通貨はあります。
比較的に安定している南アフリカランドやメキシコペソといった通貨ペアでスワップ運用することをおすすめします。
ただしコロナショックによって新興国通貨の動きが読みにくい状況になっているので、取引する際には損失リスクを徹底できる環境を整えておきましょう。
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下落を止める根本的な問題を解決しない限りスワップ運用は控えよう
トルコリラ円は下落を止める為に根本的な問題を解決する必要があります。
中銀総裁を交代したり財務相を新しくしたり対策はしていますが、根本的な解決につながっていません。
また治安問題も軽視できない状態にあり、何時戦争が起きてもおかしくない状況になっているためしばらくはトルコリラ円での取引を控えることを推奨します。
トルコリラ円は2021年も下がり続ける可能性が高い
トルコリラ円は2021年も下がり続ける可能性が高いことがわかりました。
2020年の年末に起きた一時的な上昇は既に終わり、再び下落の道を進んでいます。
中銀がいくら金利上げをおこなってもインフレ率を解消しないことには下落ストップにはつながりません。
今年も中銀の重要経済指標はいくつかありますが、決定的な発表があるまで様子見することをおすすめします。
新型コロナウィルス感染拡大により相場が不安定になっている
トルコリラ円はコロナショックになる前から下落相場でした。
しかしコロナショックによって更にレートが不安定になり、レート配信を停止された期間もあります。
更にコロナショックによって経済指標を見ても、セオリー通りに相場が動かない状況が続いています。
ファンダメンタル分析の観点からみても相場状況を明確に分析することが難しくなっているので、取引は一旦停止して他の通貨ペアでの利益を狙いましょう。