ドル価格が下落していることや新型コロナウイルスによる世界経済の混乱で金相場が注目を集めています。
金相場は世界通貨の基準になるため、市場に多大なる影響を与えます。
ロンドンフィキシングで金の取引価格で決まり、為替相場も大きく変動することから、金相場は投資家にとっても注目される内容でしょう。
今回は金相場の今後の見通しと相場が変動する理由についてわかりやすく解説します。
金融緩和はFXにどう影響する?為替相場の動きとポイント・注意点
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金相場のリアルタイムチャート
金CFDのリアルタイムチャートは下記の通りです。
過去の金相場のチャート推移
2000以降バブルの崩壊や世界同時多発テロなど、経済や政治に対して不安が大きくなったことが原因で金相場が上昇トレンドに変わりました。
2007年のサブプライムローン問題をきっかけにさらに金価格は上昇し、3,000円台を突破しました。
2013年以降の「アベノミクス」により金融緩和が促進されて円安が進んだ結果、4,000円台、5,000円台へと金相場は上がっていきます。
2020年の新型コロナウイルスの影響により、コロナショックや経済不安などが深刻化され、現金や資産を金に交換する人が増えました。
結果、2020年8月7日には過去最高となる7,769円を記録しています。
2000年を超えて以来、世界情勢とともに金相場は高値を更新し続けているのです。
金相場が上昇してきた理由
金相場の変動にあたって考えたいのは、モノの価値と通貨の価値です。
需要と供給の釣り合いが壊れてしまっては、当然価格が上がることも下がることもあります。
経済変化、感情の面によって、金の需要と供給は変動するのです。
金相場が上昇する際の原因を3つご紹介します。
- 世界的な経済の成長
- ドル価値の減少
- インフレの懸念
世界的な経済の成長
金はこれまで資産として保有するケースがほとんどでしたが、PCやスマートフォン、機械の素材として金を用いることが多くなりました。
世界成長にともなって金を使用する用途が多くなり、需要が高まりました。
金は有資源のため、需要と供給の関係が合わなくなって、需要が高くなることが金相場上昇の原因です。
ドル価値の減少
世界同時多発テロ、コロナショックのように世界を脅かす出来事が起きた際、経済を少しでもよくするために中央銀行は通貨を発行します。
特に米ドルは世界で一番主要通貨であるので多くの通貨が供給されることになります。
通貨を発行すればするほど通貨の価値が減少するので、有限物である金の価値が自然と高くなるのです。
モノの価値と通貨の価値のバランスがずれた際に価格は変動されます。
インフレの懸念
金を保有しておくことで、自分の資産を守ることに繋がります。
たとえば、コロナショックのような急激な変化が起きたとしても自分の資産が減らないようにリスクヘッジで保有するケースです。
ドル価値のような通貨の価値が下がったパターンではなく、資産保有のため金の需要が高くなった際に高騰します。
インフレになりそうな状況では、多くの人が金を求めるため自然と価格が上昇するのです。
金相場が下落する原因
価格が上昇するときは経済を回復させるため、自信の保身のためなどの理由が上がりました。
では金相場が下落する際は、経済状況や需要と供給の関係はどのような状態なのでしょうか。
金相場が下落する際の原因を2つまとめました。
- 金の供給量の増加(需要の減少)
- 経済安定・世界の平和
金の供給量の増加(需要の減少)
金に対する需要の減少し、モノの価値が上がった際に金相場は下落します。
金の鉱山生産量などの金生産での上昇により供給量が上がるパターンです。
ただ人間によって供給量はコントロールができるため、可能な限り秩序を保つようにしています。
各国の経済成長から、金を素材とした機械や媒体が急増しているため、今後しばらくは金の需要が減ることはないでしょう。
今後金相場が下落するとすれば別の要因が強いと考えられます。
経済安定・世界の平和
世界の経済が安定していれば安定志向よりも資産運用の焦点が強くなり、金を手放す人が多くなります。
安定していれば株式や為替などの金融商品の変動のリスクが少なくなるからです。
金を持っていることは資産を守ることにつながりますが、少しでも資産を増やすために金を手放した資金で利益を求めるのです。
コロナショックで経済が大きく変動したため、資産を守る動きが特に目立ちました。
今後の金相場の見通し
今後の金相場の見通しについて、短期的未来と長期的未来に分けて分析しました。
これだけ大きな変動が起きているということは金に対する需要と供給が成り立っていないことが原因です。
過去の事例と現在の経済状況を照らし合わせて考察しました。
金相場が気になる人は、ぜひ参考にしてみてください。
短期的には急落の可能性がある
数年間は金相場が急落する可能性が高いです。
2020年のコロナショックによって金価格が急上昇しており、過去最高値を記録するなど世界規模で経済が混乱しました。
2021年は先進国のアメリカを筆頭に、中国やインドなど経済が回復している傾向があります。
ワクチンの摂取の普及により、少しずつですがコロナ前の日常に戻ってきている兆しがあり、今後も摂取量が増えるにつれて経済は急速に回復します。
今後中国やインド、ASEAN諸国は大きな経済成長が見込まれています。
コロナウイルスから開放されてもとの暮らしや経済に戻ることも時間の問題です。
活気がある国はコロナ前よりも成長してさらに景気を良くしていくでしょう。
そうして再び経済が安定していくことにより、通貨自体の価値が安定すると予想されます。
コロナ前に比べて金相場は大きく上昇したため、価格が急落する可能性が高いです。
ただ経済成長の観点から需要が高まっていることも事実なので、数十年前の相場までは戻らないでしょう。
長期的には上昇維持の可能性が高い
数年ベースで考えると金相場は急落することが考えられますが、10年ほど先の将来を予想すると価格は上昇するでしょう。
過去の事例を参考にすると、リーマンショックが起きた際も同様に直後は金価格が上昇しました。
リーマンショックから経済が少しずつ回復したことで、数年で金価格は急落しています。
その後ゆるやかに金価格は上昇してきたという事例があるため、今回のコロナショックでも同じことが考えられます。
コロナウイルスの影響で保身の意識は間違いなく高くなっているため、今後好景気が続いたとしても、金を保有し続ける人は多くなるでしょう。
中央銀行を中心として金融緩和が実施されているため、低金利の状態は今後も続きます。
経済が成長する上で金の需要が世界的に高くなっている点と今後起こりうる経済不況の懸念から金への需要は高まるでしょう。
金投資なら不景気でも安定した投資が可能
金投資の場合は有資源であり、金融資産などは実態がない投資という点が一番大きな違いです。
株式や債券は信用のリスクにあり企業の経営状態で価値は大きく変動し、経営が破綻した際は株式や債券になんの価値もなくなります。
金は有資源であり企業や国の発行物ではないため、経済によって左右されることがあまりありません。
コロナショック化においては、国や企業の信用が下がっている状態であり、金利もどんどん低下しています。
自然と景気に左右されない金が注目を集め、価値が上昇するのです。
信用リスクがないことで金投資は安心して運用することができ、信頼性の高い資産運用が可能なのです。
資産運用をしたいけど株式や為替が怖いという人は、金投資をすることで信用リスクをカットできるためぜひ活用してみましょう。
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直近なら金相場は下落するが今度も上昇トレンドは変わらない
ここまで金相場が変動する理由と、今後の見通しについて紹介してきました。
過去の実績からコロナショック後の数年間は下落する可能性が高いです。
過去と現在の違いは経済の成長度合いであり、当然現代のほうが進化し続けています。
数年前までインフラが進んでいなかった国々が急速に成長を遂げており、アジアを中心にIT関連に力を入れている国が多くなっています。
先進国でもアメリカを筆頭に成長し続けていることから、金を素材として活用する時代は今後も続いて、需要は高くなる一方でしょう。
2000年以降にはバブルの崩壊やリーマンショック、コロナショックなど世界をゆるがす事象が続きました。
リスクヘッジの観点から保身で金を保有する人は、コロナ前に比べて必ず多くなります。
金相場が下落しても、その後ゆるやかに上昇する未来は避けられないでしょう。