RCIは時間と価格に注目して、期間内の変動を指数で表すテクニカル指標です。
RCIの使い方が分かると単なる相場の上昇・下落傾向だけでなく、相場の勢い・加熱度が理解できるようになり、適切な戦略を立てられるようになります。
今回はRCIの基本的な見方や使い方と、FX取引に応用するポイントを解説していきます。
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RCIの基本的な見方
RCIはRank Correlation Indexの略語で、日本語では順位相関指数と略すことが出来ます。
時間と価格に順位をつけて相関性を指数にしたオシレーター系の指標で、買われ過ぎ・売られ過ぎという2通りの行き過ぎ水準を表すパロメータとなります。
チャート下部に表示されるのがRCIで、ローソク足の動きに合わせて3本のラインが上下動しています。
3本のラインは-100~+100の間で推移しており、価格に合わせて変動します。0よりラインが上なら上昇トレンドで、0より下なら下降トレンドと判断できます。
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3本のラインの意味合い
RCIに利用される3本のラインは、それぞれ意味合いが異なります。
- 短期線(9日):直近の値動きや売買タイミングを表す
- 中期線(26日)
- 長期線(52日):トレンド方向を表す
それぞれの線には期間が設定されており、長期間であるほど動きは緩やかになります。※期間はそれぞれ変更可能です。
3本ラインが同じ動きをした時は、強い根拠を持って取引に活用することが可能です。
RCIでは必ず3本ラインを表示しなければ良い訳ではなく、本数の表示を変えることも可能です。
RCIを使った指数の計算方法
RCIは前述の通り、時間・価格に順位を付けて相関性を指数にするための指標です。では、指数を算出するにはどうすれば良いのでしょうか?
まず、足の長さに応じて時間の順位を設定します。
上昇トレンドの場合、時間と価格の順位は以下のように設定されます。
- 1日前:1位
- 2日前:2位
- 3日前:3位
- 4日前:4位
※時間軸が日足・RCIの期間が4日間の場合
下降トレンドの場合、順位は逆転します。(4時間前:1位、3時間前:3位…)
RCIの構造として、期間中に陽線が連続した場合は必ず+100に、陰線が連続した場合は必ず-100になります。
RCIをFX取引に活用するコツ
RCIをFX取引に活用するには、より具体的な動きのパターンを知る必要があります。
ここからは、RCIをFX取引に活用する4つのコツを紹介します。
山と谷から売りか買いか見極める
RCIは全体的な推移を俯瞰するのではなく、高値と底値に注目します。
下のラインに着目すると、最高値を更新した後は下落に転じ、再底値を更新した後は上昇に転じています。
上のチャートを見ても、高値と底値の動きは比例して反発しています。
つまり、RCIが+100に近づくタイミングで売り、-100に近づくタイミングで買い戦略を取ることで勝率がアップします。
ただし、±100%になるのを待ってから考えるのは危険なので、実際は±80%に差し掛かったタイミングで判断するのがおすすめです。
デットクロス・ゴールデンクロス
3本ラインの状況から、デットクロス(下抜け交差)とゴールデンクロス(上抜け交差)を見極めてポジションを持つ戦略もおすすめです。
上記のチャートでは、赤い丸の地点で短期・中期チャートが長期チャートを上抜けしています。
このゴールデンクロスで買いポジションを持つと勝率が高いです。
長期線から売り・買いを判断
長期線が0のラインを上抜けするか、下抜けするかでポジション取りを決める手法です。
0ラインを上抜けする時は買い方向、下抜けする時は売り方向でポジションを取ります。
RCIはオシレーター系手法ですが、こちらは特にロング取引の判断に活用します。
押し目買い・戻り売りの判断に使う
順張りトレードでは、押し目買い・戻り売りという2つの手法は初心者でも必ず抑えておかなければいけません。
- 押し目買い:一時的に下がった地点で買う
- 戻り売り:一時的に上がった地点で売る
RCIは±100で反発するので、押し目買い・戻り売りの判断に重宝します。
ただし、RCIを判断に利用する際は、時間足・日足・週足を見て方向性が誤っていないか判断する環境認識が必要です。
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環境認識を実施しないと大きな下降トレンドの中で時間足の動きに捉われて順張りトレードをしてしまう恐れもあります。
FX取引にRCIを使う時の注意点
RCIは便利なテクニカル指標ですが、参考にすることで100%取引に勝てる訳ではありません。
これは指標の精度の問題もありますが、RCIを100%正確に表示するインジケーターが存在しないということも頭に入れておく必要があります。
ここからは、RCIを使う際の注意点を紹介していきます。
トレンドが強いとラインは反発しない
RCIではラインが+100に到達したら反転することを想定していますが、トレンドが強いと反発せずに+100付近を横ばいに推移することがあります。
下降トレンドの場合も同じで、-100付近を横ばい推移することも多いです。
RCIだけを使って取引をすると反発するか横ばい推移するか分からないので、他のテクニカル指標とも組み合わせる必要があります。
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長い時間足で利用する
RCIは日足など、比較的長い時間軸で利用するのがセオリーです。
短い時間足だとRCIの推移は激しくなるため、何度も最高値と再底値を更新します。
反転のサインにある程度活かすことはできますが、あまりに頻繁に取引をするとスプレッドがかかって赤字になってしまうので注意が必要です。
RCIに限らず、あまりにも売買シグナルが頻繁に表れる場合は、シグナルとしての信ぴょう性を疑ったほうが良いです。
RCI は他のテクニカル指標と併用するのがベスト
RCIはトレンドの転換を見極められる便利な指標ですが、必ずしも思い通りに分析できる訳ではありません。
最高値/最底値へ向かう時に正しい判断が出来るかどうかは、他のテクニカル指標とも組み合わせて考えるようにしましょう。