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OCO注文は2つの決済注文が同時にできる!実際のやり方とデメリット・おすすめしないケースを解説

OCO注文はOne Cancels the Otherの略で、その名の通り2つの注文を同時に発注して、片方の注文が約定した時にもう片方がキャンセルになる便利な注文方法です。

OCO注文を使いこなせれば、状況に応じた柔軟な対応を自動で実施できるようになります。

ここからは、OCO注文の基本的な仕組みから取引に活用する方法まで詳しく解説していきます。

FX取引はどんな注文方法がある?各注文方法の概要・使い方や注文から決済までの流れを解説

※本ページにはPRが含まれます。

OCO注文の仕組み

OCO注文の仕組み
出典:SBI FXトレード

OCO注文をすることで、新規注文時や、すでにポジションを持っているタイミングで2種類の決済注文をすることが出来ます。

2つの決済注文は、片方が利確の条件、もう片方が損切りの条件になることがほとんどです。

予想の方向に動いたら利確、反対に動いたら損切りという一連の行動を、早い段階で同時に注文できるのが強みです。

逆指値注文にも対応

OCO注文は指値注文・逆指値注文という2種類の方法に対応しています。

  • 指値注文:指定した価格以下で買い/指定した価格以上で売り
  • 逆指値注文:指定した価格以下で売り/指定した価格以上で買い

逆指値注文はリスクを最小に抑えることと、一定以上の条件でしか利確しないことを定められる注文方法です。

特にトレンド相場では、相場は大きく伸びていき、伸び切ったところで転換されます。

逆指値注文は転換までついていきつつ、転換点を逃さず損切りすることが出来ます。

FXの指値注文・逆指値注文とは?違いと取引に活用する方法・利用時の注意点を解説

IFD注文・IFO注文との違い

事前に決済注文が出来るという共通点から、OCO注文と混同されがちなのがIFD注文とIFO注文です。

3つの注文方法を整理すると、以下の通りとなります。

  • OCO注文:指定された値で自動的に決済される
  • IFD注文:指定された値で自動的に注文される
  • IFO注文:指定された値で自動的に注文・決済される

IFD注文は、新規注文のタイミングを設定して、注文が成立した時のみに発動する決済注文もセットで発注できます。

例えば、1ドル100円の時に新規で買い、1ドル110円で決済するという注文を同時に出せます。

この際、利確か損切りの一方しか出来ないのが難点です。

IFD注文は注文・決済が1度でできる!メリット・デメリットと具体的な活用方法を紹介

一方、OCO注文は、以下のような2種類の決済注文を出すことができます。

  • 1ドル110円で決済(利確)
  • 1ドル105円になったら決済(損切り)

2種類の注文のうち、相場に適した片方の注文のみが適用されます。

失敗時と成功時の注文を2パターン用意することで、リスクを効率よく回避できます。

IFO注文は、新規注文と決済のタイミングが自動で設定できる、IFD注文とOCO注文のいい所どりの注文方法です。

IFO注文なら、「1ドル107円で新規注文し、110円になったら利確、105円になったら損切り」という一連の内容を指定することが出来ます。

OCO注文のメリット

OCO注文のメリット

OCO注文の最大のメリットは、利益と損失を最初に計算できる点でしょう。

事前に2つの注文をすることで、特に初心者は成り行き任せのトレードを減らすことが出来ます。

ここからは、OCO注文のメリットを具体的に解説します。

有効なリスクコントロールになる

OCO注文は、感情に惑わされないリスクコントロールの方法として、初心者にも上級者にも有効な手段です。

利益確定と損失確定のポイントを事前に決めておくことで、利益を深追いせず、かつ塩漬け状態にならない状況を作り出すことができます。

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裁量トレードではいくらトレードルールを徹底していても、どこかのタイミングで焦りや欲からルールを逸脱して失敗する可能性があります。

OCO注文を使いこなすことで、こうしたヒューマンエラーによる失敗を回避できます。

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コツコツ利益を積み上げられる

OCO注文は工夫次第で大きな利益も狙えますが、上下の売買タイミングが指定されるので、基本的にはコツコツ利益を積み上げたい人に向いています。

決済ポイントを指定することで1回あたりの利益は減りますが、損失で証拠金がなくなるリスクも少ないので、片手間に資産運用したい方などに向いています。

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エントリー中でも注文を出せる

前述した3つの注文方法のうち、新規以外でも注文を出せるのはOCO注文のみです。

エントリー中に相場に応じて注文を出すことが出来るので、利便性が高く柔軟に数値を決めることができます。

IFD注文・IFO注文は新規注文の条件を設定する必要があるので、いつまで経っても取引が開始しないという状況に陥りがちです。

OCO注文のデメリット

OCO注文は便利な注文方法ですが、一方で相場状況によってはデメリットも存在します。

どんな場面でもOCO注文を連発するのではなく、リスクを把握した上で適切なタイミングで使っていきましょう。

トレンド中にも決済される

事前に「105円になったら利確」などの決済注文を出すと、その後に大きなトレンド相場が起こっても、利益を追えず早めのタイミングで利確されてしまいます。

トレンドが継続したことを知って自動決済された後に新規注文をしても、その後に停滞して利益が伸び切らないというケースは多々あります。

OCO注文では利確のポイントをどこに取るかが利益を伸ばす重要なポイントになります。

予想外の相場下では修正が必要

事前にOCO注文をした後に相場が反対に動いたり、トレンドが伸びていったりする際は、途中で注文の修正が必要になります。

OCO注文は決済注文を自動でやってくれるのが強みですが、自動売買とは違って事前に置いた決済ポイントはトレーダーの修正がないと動きません。

OCO注文を入れた後も相場のチェックがある程度は必要になってしまいます。

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レートとかけ離れた値を設定すると注文が削除される

初心者がOCO注文をする際に、利確のポイントを現在のレートより遥か上に設定してしまうことが多いです。

利益を追い求めたい気持ちは分かりますが、相場が設定した値まで到達しないと注文は不成立となり、無かったことになってしまいます。

この状況を何度も続けると、いつまで経っても利益は増えません。

OCO注文をする場合は、設定する価格の幅は今のレートを基準に決める必要があります。

逆指値注文でスリッページのリスクがある

OCO注文で逆指値注文をする場合、注意して欲しいのがスリッページのリスクです。

スリッページとは、注文地点と約定地点の価格にズレが生じる現象のことで、相場の急変時にスリッページが起こると、ロスカットなどのリスクが大幅に増えてしまいます。

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指値注文に比べて逆指値注文のほうがスリッページしやすいのは、注文フローが逆指値注文の方が多いからです。

  • 指値注文:指値に達したタイミングで約定
  • 逆指値注文に達したタイミングで成行注文→約定

OCO注文を使う際は、スリッページには十分注意しなければいけません。

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OCO注文とIFD注文・IFO注文は結局どれがおすすめ?

OCO注文・IFD注文・IFO注文の比較

多くの方が、注文方法はIFD注文<OCO注文<IFO注文の順に便利という認識を持っています。

IFD注文が1つの注文しかできないのに対してOCO注文は2つの注文が出来ますし、IFO注文は2つの注文方法を組み合わせているため、利便性はより高いイメージがあります。

しかし、実際は戦略によっては、IFD注文が最も適しているケースも少なくありません。

高利益を狙うならIFD注文がおすすめ

IFD注文は利確と損切りの片方しか注文できませんが、裏を返せば「利確と損切りを同時注文しなくて良い」というメリットもあります。

IFD注文はロスカットレートの上に損切り注文を入れておき、利確に関してはトレーダーが手動でおこなうという戦略を取ることが出来ます。

これによって損失のリスクを抑えつつ、トレンドはどこまでも追っていくことが出来ます。

OCO注文・IFO注文は注文時のレートからそう離れてない所に利確ポイントを置くので、IFD注文と違って1回あたりの利益を伸ばすことが難しいです。

IFD注文を使えば、損失を抑えながらFXの醍醐味である利益の大きなトレードを体感することが出来ます。

この方法はトレーダーの相場分析や利確注文の手間はかかりますが、初心者の成長にも繋がる良い活用法だと言えます。

利確が下手な人はOCO注文・IFO注文がおすすめ

FX取引では損切りが重要と言われますが、反対に利確が苦手な人も一定数存在します。

損切りは損失が出そうなところを機械的に切っていけばいいけど、利確は今後伸びるかどうかの判断が必要なので難しいというのが、こうした人の理由です。

IFD注文は利確ポイントのみ設定して損切りを手動でおこなうこともできますが、間に合わない時のリスクを考えるとOCO注文・IFO
注文で両方とも指定しておくことをおすすめします。

OCO注文は万能な注文方法ではないので注意

OCO注文は利確と損切りの同時注文が出来るという意味で、万能な注文方法と認識しているトレーダーが多いです。

実際、OCO注文は成り行きでの判断力に不安がある方や、ヒューマンエラーのリスクを最小限にしたい方はかなり重宝できます。

しかし、実際にはトレンド中にも利確してしまったり、相場がポイントに到達できず不成立になったりと、注意しなければいけない点も多数存在します。

OCO注文を使いこなせるかどうかは、トレーダー自身がタイミングや値幅をいかに決めるかが重要になります。

失敗をしたら振り返りをしながら、徐々にOCO注文の使いこなし方を確立していきましょう。

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