FX取引は、1つ2つの手法を使い回せば利益を得られるような簡単なものではありません。
現在の相場に最適な手法を選んだつもりでも、環境認識やチャート認識が間違っていたり、手法を正しく使えていなかったりすることがあります。
理由が分からず取引に失敗してしまったら、検証をして正しく反省し、次の取引に活かすことが求められます。
今回は、FXの検証のやり方を初心者にも分かりやすく解説していきます。
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FXの検証の考え方
FXで検証は基本的に、以下の2つのシーンでおこなわれます。
- 手法が通用するかどうかの確認
- 手法が間違っていた時の修正
2つの検証によって、効率よくFX取引で稼ぐためのトレードルールを持つことが出来ます。
➀手法が通用するかどうかの確認
FXで利益を継続的に得ている専業トレーダーなどは、必ず彼らなりのトレードルールというものを持っています。
これは簡単に言うと「○○の時は××、△△の時は□□をすれば勝てる」という根拠のことです。
FX取引では10個以上の手法を状況に応じて使い分け続けているトレーダーはほとんどいません。
多くのトレーダーは勝利の方程式に応じて取引をこない、その方程式からズレている相場の時は取引をしない選択をとりがちです。
チャートの状況と手法を組み合わせて本当に稼げるかどうかを検証することは、継続的に稼ぐために必要なことです。
②手法が間違っていた時の修正
トレードルールを設定しても、重ねて検証をした結果、ルールの修正が必要なこともあります。
この検証はトレードルール通りにいかなかった時や負けてしまった時に何度も実施します。
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検証を重ねて、精度の高い自分なりのトレードルールを作りましょう。
FXのトレードルールを検証する流れ
FXのトレードルールの検証は、以下のステップで進めます。
- 仮説
- 実行
- 結果分析
- 修正
FX初心者で低リスクの少額取引しかしていない方でも、まずは簡単なトレードルールの検証から実践していき、慣れていくことをおすすめします。
【Step1】仮説
まずは、自分なりにトレードルールを作ってみることから始めましょう。
例えば、「東京時間のトレーダーは順張り傾向が強いので、逆張りトレードで利益を得やすい」といった簡単なアイディアでも最初は構いません。
アイディアが浮かんだら具体的にルール化をしてみましょう。
【Step2】検証の実行
自分なりのトレードルールが出来たら、検証の実行をしましょう。
検証のやり方は、トレードルールを過去のチャートに当てはめて整合性を確認するのが一般的です。
インジケーターなどを使うと分析しやすくておすすめです。
【Step3】結果分析
検証を実施したら、結果を詳細に記録しましょう。
検証結果がすぐに出ないルールなら、日々の経過を細かくメモしておくことがおすすめです。
結果的に上手くいかなかったとしても、検証途中のメモが新しいアイディアに繋がることがあります。
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【Step4】修正
検証の結果、修正が必要な部分を再考します。
例えば、結論が「“長期トレンドでは必ず順張りトレード”というルールを設定したが、上手くいかないケースがあった」という場合は、結果を見直して「長期トレンドかつ短期トレンドの時は必ず順張りトレード」と修正します。
一連の流れで検証結果を出すことで、どこが間違っていたかがすぐ分かるようになります。
FXのトレードルールを検証する時のポイント
FXの検証は初心者にとっては分かりにくい部分も多く、上手く結果分析が出来ないケースも良くあります。
ここからは、FX初心者がトレードルールを検証する時に抑えておきたいポイントを紹介していきます。
決めたトレードルールは必ず守る
FXのトレードルールは大まかな取引の方針ではなく、必ず守らなければいけないルールだと理解しましょう。
エントリーや決済のタイミングなどを決めたら、気の迷いでコロコロ変えてはいけません。
FXは勝率100%というのが難しい取引なので、一度負けてもルールをすぐに変えず、全体的な勝率で評価しなければいけません。
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トレードルールを検証で決定したら、再び検証をして修正すべきという結果が出ない限りはルールを貫くようにしましょう。
本に書かれている内容も検証してみる
FXのトレードルールと聞くと、各トレーダーが独自のルールを思いつく必要があるのではないかと考えてしまいがちです。
しかし、トレードルールや検証は、オリジナルでなければいけないということは一切ありません。
「相場が上昇推移なら買いでエントリー(順張りトレード)をする」といった基本的なトレードルールでも、自分で実施をして成功すれば確信に変えることが出来ます。
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検証は上位足でもおこなう
FXを検証する時に初心者が失敗する原因で多いのが、環境認識を疎かにするケースです。
環境認識とは、FXチャート全体の環境への認識を指します。例えば、1分足で相場が下落基調でも、1時間足や日足で見ればチャート全体がトレンド傾向であることも少なくありません。
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この場合、1分足だけ見て検証をしても結果を見誤ります。必ず上位足もチェックをして検証しましょう。
検証は必ず1つずつ実施する
FXの検証は、複数の内容を同時におこなわないようにしましょう。
2つの施策を同時におこなうと、何が原因で結果を左右したのかの見極めが出来なくなってしまいます。
- 仮説A:効果が見込めない
- 仮説B:効果的な手法
上記が結論の場合、AとBを一つずつ検証せずにA・Bを同時に実施したら、以下のような間違った結論に至るリスクがあります。
- 仮説A・Bともに効果がある
- 仮説Bは効果がある・仮説Aは効果がない
検証をして結果が出ない限りは、他の施策を織り交ぜたトレードは控えましょう。
まず基本的なテクニカル分析を学ぶ
FXの検証はテクニカル指標を使って実施するようになります。
基本的なテクニカル指標を知らない状態で検証を始めても結果が上手くいくことはありません。
まずはテクニカル分析について学ぶところから始めましょう。
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FXの検証で注意すべきポイント
FXの検証は、明確なトレードルールを設定するために必要な作業です。
上手くいけば早く利益を得られますが、誤ったトレードルールを守り続けた場合、気づいたら大失敗に終わる恐れがあります。
ここからは、FXの検証で注意すべき点を紹介していきます。
決めたルールは文字で書き起こして側におく
トレードルールを決定したら、紙に文字で書いて側においておきましょう。
トレードルールはFXトレーダーにとって守らなければいけない法律というイメージなので、堅めの内容の書類に似せて作成するのがおすすめです。
なぜ文字にしておく必要があるかというと、頭の中に留めるだけだと絶対にすべきことと、しなくても良いことの違いが曖昧になるからです。
例えば「毎日12時にエントリーする」というエントリールールを定めたら、チャートの状態などにこだわる必要はなく、決めたルールだけ必ず守る必要があります。
ルール以外の部分は柔軟に判断できるようになることも、トレーダーの成長には重要なポイントです。
必ずデータ収集の時間を取る
FX初心者は、「次のトレードで負けたらどうしよう…」という不安を抱いたまま取引しているケースが多いです。
しかし、FXは取引の度に必ず結果を出す必要がある訳ではありません。トレードルールの検証をするためには、利益ではなく検証を目的としたトレードが必要になります。
初心者は感覚的に理解しにくい部分ですが、目先の利益を得られなくても、しっかりしたトレードルールを決められたほうが長期的な利益に繋がります。
何回も検証しすぎない
FXのトレードルールというのは、「このルール通りにトレードすれば勝率が上がる」という大まかな考え方です。
ただ、FXの勝率は1年間に機会的なエントリーをした場合、1割程度にしかなりません。
また、原則として検証結果は数多く実施するほど成功率が下がり、中央値に収束していきます。
この傾向を理解しておかなければ、検証が予想から外れる度に検証を繰り返し続け、無駄に時間を消費してしまいます。
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100%の検証結果を求めない
為替レートの動きを100%正確に予測するのは、ノーベル賞受賞の経済学者でも不可能だと言われています。
検証の結果、10回中7回成功したなら、それはかなり効果的なトレードルールと判断できます。
特にトレードルールを修正するための検証は、今のトレードルールより良いかどうかを判断基準にしておくことをおすすめします。
FXの検証ルールも常に見直しが必要
FXのトレードルールが正解かどうか見極めるために検証が必要ですが、正しい検証方法というものがある訳ではありません。
検証のやり方も試行錯誤が必要で、正しい検証方法が見つかるまで時間がかかることを想定しておかなければいけません。
FXの手法は数を打てば当たるものではありませんが、検証は何度も失敗を繰り返してアップデートしていく必要があります。