ハーモニックパターンとは、相場の反転が起こりやすいチャートパターンのことを指します。
ハーモニックパターンはフィボナッチ比率の調和した美しい形が特徴的なことから付けられた名前で、ほとんどがW型やM型をしています。
日本ではそこまで馴染みがない手法ですが、欧米では多くの方が支持しています。
今回は、ハーモニックパターンの基本的な仕組みと、実際に取引で活用する方法を解説していきます。
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ハーモニックパターンの特徴
ハーモニックパターンで分析できる内容の原則は、以下の通りです。
重要なのは、ハーモニックパターンができた後は高確率で強く反発するという点です。
大きく反発することが分かれば、その後の取引の方向性がわかります。
その他にも、ハーモニックパターンには特徴があります。
フィボナッチ数列を使って分析する
ハーモニックパターンはフィボナッチ数列を利用してパターンを認識します。
フィボナッチ数列は一言でいうと、2つ前の項と1つ前の項を足し合わせていくことでできる数列です。
実際の数式では、以下の数列で表されます。
- F0 = 0,
- F1 = 1,
- Fn+2 = Fn + Fn+1 (n ≥ 0)
ハーモニックパターンはこちらの数列を応用して、チャートを分析していきます。
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綺麗な形だからこそ的中率が高い
ハーモニックパターンはその美しさがよく注目されるチャートパターンですが、美しいパターンはその分、成功の確率が高い手法ということが出来ます。
綺麗な形で複雑なパターンであるほど、異なるパターンを当てはめてしまうミスが少なくなるので、分析率は高くなります。
特にハーモニックパターンは以下のパターンの要素も組み込んだテクニカル分析なので、様々な要素を分析することができます。
- ダブルトップ・ボトム
- リプルトップ・ボトム
- ヘッドアンドショルダー(三尊・逆三尊)
出現頻度は低め
ハーモニックパターンがチャート上に出現するタイミングは、そう多い訳ではありません。
頻発して利用できる手法ではないので、メインの手法として活用していくのは難しいと認識しておきましょう。
欧米ではメジャーな手法ではありますが、彼らもこのパターンをメインに取引をしている訳ではありません。
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ハーモニックパターンの種類
ハーモニックパターンは、以下の4つの形が代表的です。
- バット
- ガートレー
- バタフライ
- クラブ
ただ、その他にも特殊ハーモニック、新種ハーモニックなどと呼ばれる派生の形があります。
- 5-0パターン
- スリードライブ
- サイファー
- ネンスター
- シャーク
- ブラックスワン
- ホワイトスワン
これらの形については、他のチャートパターンでも応用が利くため、無理に覚えておく必要はありません。
まずは基本的な4つの形を頭に入れておきましょう。
ハーモニックパターンのメリット
ハーモニックパターンを使ったトレードのメリットは、大きく2種類に分かれます。
ここからは、魅力をそれぞれ見ていきます。
逆張りで高い勝率を狙える
ハーモニックパターンは高確率でトレンド転換が見込めるため、逆張りトレードに利用することができます。
逆張りは高利益が狙える割に勝率が低いですが、ハーモニックパターンを利用すれば8、9割の高確率で利益を得ることが出来ます。
逆張り手法は大衆の裏をかく必要がある手法なので、様々な情報を収集しなければいけません。
ただしハーモニックパターンを利用すれば、他の要因が少なめでも収益を狙えます。
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リスクが低い
ハーモニックパターンはリスクリワードで見た時に損失が小さな手法です。
リスクリワードは、1回の取引に対する損失と利益の比率のことです。
一つの手法の損失が10円、利益が2円なら、リスクリワードは5:1となります。
ハーモニックパターンの場合は反発するポイントを絞ったエントリーができるので、予想と逆行する心配がありません。
意外とシンプルに活用できる
ハーモニックパターンは基本の型を抑えておけば、当てはめるだけでトレードに活用することができます。
一見複雑な形や名前に見えますが、実際のトレードへの活用はそこまで難しくありません。
ハーモニックパターンの基本を知りさえすれば、FX初心者でも利用することができます。
ハーモニックパターンの注意点
ハーモニックパターンの分析手法を利用する際は、いくつかの注意点を抑えておく必要があります。
ここからは、取引時にチェックしておきたいポイントを解説していきます。
パターンを見つけるのが難しい
初心者のうちは、ハーモニックパターンがチャートに表れているか発見するのが難しいです。
ハーモニックパターンと聞くと書籍に載っているような綺麗な形を想像しますが、実際はハーモニックパターンらしきチャートを見つけて、特徴が当てはまっているか分析をしなければいけません。
出現頻度もそこまで高くないので、ハーモニックパターンを活用しようと思ったトレーダーが途中で諦めてしまうケースも少なくありません。
派生のパターンが把握できない
ハーモニックパターンは複数の種類が存在するため、パターンに当てはまるか確認するのが難しいです。
特定のパターンが数種類あるだけでなく、最新のハーモニックパターンもどんどん見つかっているため、分析するのがより困難になっていきます。
ハーモニックパターンを活用する場合は、派生のパターンをどれくらい頭に入れられるかが重要です。
ダマシに注意が必要
ハーモニックパターンで最も注意したいのが、パターンが現れた後に形が崩れてしまうケースです。
ハーモニックパターンができそうだと思ったら、最終的に形が崩れてしまうことも少なくありません。
ハーモニックパターンを利用する差は、ダマシに警戒する必要があります。
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ハーモニックパターンは活用に工夫が必要
ハーモニックパターンは上手く活用することができれば、勝率の高い逆張り手法を見つけることができます。
ただし、パターンの数の多さや見つけにくさ、ダマシの起こりやすさなどに注意をする必要があり、初心者がいきなり扱うのは難しい部分もあります。
使いこなすには経験が必要で、知識の習得も進めていく必要があります。