KOSPIは韓国総合株価指数といって、韓国株式市場を代表する株価指数です。
今回は2021年のKOSPIの推移を元に、今後どうなるか解説していきます。
韓国経済がやばいと投資家達から噂されていますが、KOSPIはコロナショック後から右肩上がりを続けています。
しかし国民生活規模でみると、景気が回復しているようには見られずまだまだ課題が残っている状態です。
2022年以降のKOSPIの株価がどのように変動するのか、現在の経済状況や世界情勢を元に分析していくので、参考にしてください。
【2021年】日経平均株価の今後の見通しはやばい?想定レンジやアナリストの予想を解説
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このページのもくじ
KOSPI(韓国総合株価指数)とは
KOSPI指数は韓国総合株価指数ともよばれており、韓国取引所の全上場銘柄からなる時価総額加重平均指数を表しています。
韓国のソウル株式市場の代表的な株価指数であり、日本で言う日経平均株価のような存在です。
1980年1月4日にKOSPI指数は基準日に設定し、その日の時価総額を100として算出されています。
KOSPI指数は、アジア市場の中でも注目度のあるソウル株式市場の全体動向を把握できる株価指数になっており、韓国株式で投資している人は必ずチェックしておく必要があります。
KOSPI(韓国総合株価指数)の過去チャートの推移
KOSPIの過去のチャート推移を紹介します。
2020年のコロナショックからどのように推移していったのか解説するので、過去の動向から将来の変動を分析する為にも参考にしてください。
2020年3月コロナショックでの暴落
2020年のコロナ感染拡大は、韓国にも大きな影響をもたらしました。
2月下旬には2200辺りに推移していたKOSPIですが、3月中旬には1500台まで暴落しています。
韓国は3月初旬に1日辺り600人以上の感染者が発生し、2020年12月には再び感染者人数が600人越えて第三波を経験しています。
第三波到来と共に、1200以上の公共施設が終日運営休止を決定したり飲食店の午後9時以降の店内飲食禁止を決定したりして、行動を制限しました。
行動の制限によって経済への影響が懸念されていますがKOSPIは1500台に暴落してからは、回復傾向にあります。
2020年3月以降から急上昇
韓国は新型コロナウィルス感染拡大による経済打撃によって、金利を2020年4月から0.75%に引き下げています。
世界的に金融緩和政策が行われおり、金融緩和とコロナショック後の経済回復期待によって世界の市場は右肩上がりになっています。
韓国市場も同じく、KOSPIは金利引下げが決定した4月以降、順調にV字回復しています。
2020年5月には金利を0.75%から0.5%まで引き下げて2021年7月まで金融緩和を継続的におこなっています。
KOSPI(韓国総合株価指数)は今後も上昇を続けるのか?
KOSPI指数は右肩上がりの状態を継続していますが、2021年1月に更新した3262の高値を起点として、上昇がストップしています。
2021年8月現在は、2021年1月の高値を上抜けして再び最高値を更新していますが、2021年のチャート推移を見ると上昇の勢いが衰えていることがわかります。
また韓国銀行は金融緩和の縮小を8月以降からはじめる示唆を出しており、金利が再び引き上がったあとにKOSPIが再び右肩上がりになる可能性は低いでしょう。
韓国銀行は2021年の経済見通しで個人消費の回復が遅れる予想
韓国銀行は2021年の経済見通しで、個人消費の回復が遅れる予想をしています。
新型コロナウィルスの感染拡大によって、非対面活動の増加が著しく、パソコン・サーバー向けの需要は拡大すると予想しています。
しかし個人商品は新型コロナの再流行や所得改善の遅れによって、回復が遅れる見通しになっており、個人消費の回復で景気が好調になるにはコロナを抑え込む必要があります。
金融緩和によって上昇しているKOSPI指数ですが、個人消費の減少からの業績低下で株価に影響する可能性があります。
新型コロナウィルス感染者が1725人突破で経済打撃の懸念
現在韓国では、新型コロナウィルスの感染者が急激に増加しており、再び国民の生活を制限する処置を取る可能性があります。
国民の行動が制限されると、経済打撃が懸念されさらに業績回復が遅れる可能性があります。
新型コロナウィルスによって需要が高まった企業と、逆に需要が低下した企業との差がより激しくなり、雇用問題などに発展していくケースも見込まれます。
韓国市場を牽引してきたサムスンが崩壊直前って本当?
サムスンは韓国経済を牽引してきた存在で、サムスン電子半導体事業によって韓国全体の経済が支えられているレベルにまで発展しています。
2020年4月~6月のサムスン電子の営業利益は23%増加しており、増益した大きな要因が半導体事業です。
コロナ感染拡大によって、巣篭もりやリモートワークが増加し半導体メモリ需要を押し上げています。
しかし韓国企業の業況を見るとサムスン以外かなり厳しい状態になっています。
更にサムスンも業績を脅かす課題がいくつか発生しており、今後崩壊してもおかしくないと予想している投資家もいます。
新型コロナウィルス感染拡大によって貿易取引が減少
新型コロナウィルス感染拡大によって、韓国全体の貿易取引が減少しています。
世界的に有名な自動車企業ヒュンダイやLD電子の生産台数がかなり落ち込んでおり、LD電子の4月期~6月期の営業利益が24%まで減少しています。
サムスンの商品自体の需要が変わらなかったとしても、韓国経済が縮小していると悲観的な見方をしているアナリストもいます。
サムスンの反動事業の収益が増加・減少するかによって韓国経済の行方が左右される状況にある為、サムスンの業績が伸び悩んでしまうと韓国経済全体が低迷してサムスンも共倒れになってしまう可能性があります。
米中対立によって中国への半導体輸出が厳しくなっている
米国はIT先端分野を中心とした覇権国の争いを中国と繰り広げており、米国は中国のIT覇権を阻止する為にファーウェイの禁輸措置を強化しています。
台湾は米国に安全保障を依存している為、半導体受託製造大手のTSMCはファーウェイからの新規受注を停止しています。
韓国は台湾同様に安全保障に依存しており、冷静に判断すると台湾のような行動を取り同盟関係を維持または強化していく必要があります。
実際米国は韓国にも中国への半導体供給を絶たせたいと考えていますが、サムスンが中国への半導体供給を絶つのは難しい現状があります。
米国に対するサムスンの対応によっては、最悪サムスン商品を米国で販売できなくなる可能性もあります。
KOSPI(韓国総合株価指数)はコロナの影響を受ける?
KOSPIはコロナショックによって一度暴落しましたが、韓国政府の金融緩和や経済回復の期待から右肩上がりを続けています。
コロナの感染拡大と逆方向にむかっているKOSPIの乖離は激しく、景気状況と株価変動の乖離を調整する為にも一度大きな下落が発生すると予想されています。
コロナの感染状況と反比例して上昇している
コロナの影響をストレートに受けたのは2020年3月の暴落です。
暴落した後は快調に右肩上がりを見せており、世界のコロナ感染状況と反比例して上昇しています。
8月下旬の会合でアジア初の金融緩和の巻き戻しによって株価が下落する
韓国は2021年8月の会合で、アジア初となる金融緩和の巻き戻しを考えています。
コロナの影響で金融緩和を開始した韓国ですが、バブルが発生する前に対策しておく考えで縮小を検討しています。
しかし国民生活ベースで落とし込むとコロナ感染による影響で失業した人や生活困難に陥っている人が多数存在しているので、個人消費の回復が更に遅れてしまう懸念があります。
金融緩和縮小によってKOSPI指数も一度下落する可能性があります。
KOSPI(韓国総合株価指数)は2021年も右肩上がりの状況が続く
KOSPIは2021年も右肩上がりの状態が続く可能性がありますが、韓国銀行の金融緩和縮小を打ち出すことによって大きく下落する可能性もあります。
韓国経済は全体的にサムスンが支えている状態で、今後の米中対立にうまく対応出来るかによって韓国経済を左右します。
KOSPIの株価上昇はコロナショック後の回復を見込んで投資している人もいますが、一時的バブルのように盛り上げて利益をあげようとしている投資家もいます。
金融緩和縮小後にどのような動きを見せるかによって、2021年後半の動きが決まりそうです。