2020年~2021年はコロナウィルスの感染拡大やアメリカとの対立、コロナショックからの早い立ち直りなど、良くも悪くも中国が注目を集めるタイミングでした。
2020年以降は様々な賛否を受けている中国ですが、2020年の下半期以降は急速な経済の立て直しがおこなわれ、感染拡大前よりも経済状況は活発化しています。
今後期待が高まる中国株のこれまでの見通しから今後の推移まで、気になるポイントを解説していきます。
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中国株の推移と今後の動向
上記は、1995年から2021年までの上海総合指数の推移です。
これを見ると、2008年前後と2015年に大きな上昇のポイントがあるのが分かります。
2008年の経済上昇は、中国政府が打ち出した2つの施策が影響しています。
- 2007年後半:株式の売却解禁。あわせて取引情報の透明化や大口取引システムの導入を実施
- 2008年前半:貸出基準金利の引き下げ、株式購入者への印紙税免除、国有企業の自社株買い奨励
中国の株式市場が広く開かれたタイミングで、過去にないほどの上昇がみられました。
2015年は中国株式のバブルが引き金となり、高騰から大暴落しています。
この1月で上海証券取引所のA株は時価総額の3分の1を失っており、チャイナショックと呼ばれることも多いです。
コロナ禍でも底堅いが成長は鈍化
2020年前半に欧米諸国で新型コロナの感染が拡大してから、多くの国は一時急落の動きを見せました。
中国の場合も下落はしていますが、他国と比較して大きな下がり幅ではありません。
その後は上昇推移に転じていますが、以前ほどの大きな成長がみられる訳ではありません。
ただ、これは人口減少や産業方針の転換などもあり、新型コロナが大きな原因という訳ではありません。
中国株の分析では新型コロナだけでなく、様々なファクターがあるのが手堅さの理由であり、リスクでもあります。
中国株投資の前に抑えたいポイント
中国株へ投資を進める前に、まずは中国株の特徴や利点を抑えておきましょう。
ここからは、中国株投資を検討している方が抑えておきたいポイントを紹介します。
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長期的な成長の可能性は高い
2015年に起こったチャイナ・ショックなど、中国株には突発的な下落のリスクも存在しています。
ただ、長期的に見ると中国は1980年代の改革開放から、継続的に成長を見せています。
2021年現在の中国もまだまだ発展完了段階とはいえず、成長の余地は十分にあります。
短期的に見ると変動のリスクは存在しますが、長期的に見れば右肩上がりに推移する可能性はまだまだ高いです。
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暴落に強い構造になっている
中国の急速な発展の基盤となっているのが、労働集約型の産業戦略です。
労働集約型とは、生産性が占める割合が低く、労働力を占める割合が高い仕組みを指します。
現在は世界的に効率化の動きが進んでいますが、産業に関わる労働力が減ると、過去のやり方が通用しなくなった時にマンパワーで軌道修正をするのが難しい部分があります。
中国は産業がダメージを追っても安価なマンパワーという他国に真似できない長所を利用してリカバリーすることが出来ます。
こうした仕組みから、中国株は暴落にも比較的強い構造であると言われます。
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産業が後発で進むので予測しやすい
中国の産業は革新的な技術で世界をリードするよりも、規制品をより安価に作り変えて大量生産するようなやり方を得意としています。
他国から剽窃を疑われて問題になることも多いこの戦略ですが、産業が後発で生まれるので先進国の動きを見ながら予測しやすい部分もあります。
例えば、オンラインヘルスケア企業として初めてナスダック上場を果たした111(ワンワンワン)や、電気自動車(EV)を提供しているニーオ(NIO)など、国内シェアは大きくありませんが今後拡大する優良銘柄の目安が付きやすいです。
以前は独自の政治形態から不確定要素も多いと考えられていた中国株市場ですが、最近では欧米式の生活が急速に浸透してきています。
欧米で躍進した業種が中国でも後追いで拡大しています。
中国株は本当に投資先として評価できる?
中国の成長に伴って、中国株の注目度はどんどん増えています。
ただ、一方で政治や外交のリスクも日本のニュースではよく流れており、本当に中国株は投資先として大丈夫なの?と不安に思う方も多いです。
中国株は実際のところ、どれくらい信頼できる投資先なのでしょうか?
投資先に中国を選ぶ人は世界的に増えている
多くの方は、「中国が成長して今後アメリカ経済を抜くかもしれない」という見立てを聞いたことがあるでしょう。
2021年現在の投資家周辺では、中国がいずれアメリカ経済を追い越すというのは、かなり確定的な事項として認識されています。
実際、2020年にはアメリカへ新規投資をする割合が大幅に減少した一方で、中国企業への投資は4%増加しています。
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つまり、世界の投資家からは中国はアメリカよりも将来性があり、投資先として魅力的だと既に認識されているのです。
中国の発展を将来のことと捉える日本人は多いですが、株市場では中国が既にシェアを大きく伸ばしています。
コロナ禍でみせた強靭さはプラス評価
新型コロナウィルスは中国・武漢が発生地と言われており、最初の頃は中国への影響を懸念する声も上がっていました。
しかし、蓋を開けると経済大国の中ではいち早く感染を抑え込み、更に感染拡大前よりも大きな経済成長を進めています。
中国の感染抑え込みの過程でロックダウンや検閲など強硬的な手段が用いられたことに一部批判もありました。
ただ、他の先進国が足踏みしている中、早期に復調した中国には高評価の声が上がっています。
アメリカが楽観視できる状況でない中、抜け出した中国がこのまま逆転するのか世界が注目しています。
規制強化による株価下落リスク
中国株の状況は全て楽観視できる訳ではなく、青天井で成長している企業が規制強化によって下落するリスクも考えなければいけません。
近年だと住宅価格値上がりを規制するために規制強化の観測が強まったことや、労働環境に対する規制などがあり、関連企業の株価が下落しています。
北京や上海、深センなどは日本よりも遥かに長い労働時間のIT系企業が多く存在しており、規制強化が影響する可能性は高いです。
中国株は有望だがリスクは常にある
2021年現在、中国株の注目度は既に世界1位といって良いでしょう。
多少の変動はありますが、長期的な成長予測を見れば、アメリカを抜くのは時間の問題とも考えられます。
ただ、国内政治の他に米中の対立など、今後の暴落リスクが少なくないのも中国株の難しい点です。
今後はトレンドの転換がおこなわれる可能性も考えながら、中国株の推移をチェックしていきましょう。